かなてぃー

1999年生まれ。新卒でグランドスタッフとして勤務した経験を元に、航空業界に関する記事…

かなてぃー

1999年生まれ。新卒でグランドスタッフとして勤務した経験を元に、航空業界に関する記事をメインにエッセイや小説を投稿しております✈️

記事一覧

これから航空業界で働く皆さんへ

 4月の新シーズン。ANAグループは5年ぶりに格納庫での入社式が行われ、JALは新社長が就任するなど春らしいニュースが多かったですね。  航空業界ではこれから訓練漬けの…

かなてぃー
2か月前

コロナ前から始まっていた問題

 航空業界に関するニュースでよく見るワードと言えば「人手不足」。「コロナで減った人手に対して需要回復が早過ぎた為人材確保が追いついていない、コロナ禍で不安定な業…

かなてぃー
5か月前

直近の航空ニュースについて

 皆様こんにちは、世はクリスマスシーズンですね。  さて、最近航空業界では大きなニュースが2件ありました。  1件目はJALエンジニアリングの不適切な整備。 ・出発前…

かなてぃー
5か月前
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オケでセクハラ受けた話

 『GSの日常』を書いてからnoteは全然更新してなかったですね、お久しぶりでございます。最近は寒暖差が激しく服装に困る日が続いておりますね🙃 X(Twitter)エアライン…

かなてぃー
7か月前
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GSの日常〜番外編2〜

 以前どうしようもないエピソードを共有してしまったのでちょっと真面目なエピソードをご紹介しよう。 〜制限品〜  皆様ご存知の通り、飛行機に乗る際は荷物検査が実施…

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GSの日常(番外編)

 誰しも人に知られたくないような恥ずかしいエピソードの1つや2つは経験があるだろう。勿論ボクにもある。本当は晒したくないが語ってみよう。 コロナ禍に突入し1年経っ…

GSの日常10(last flight)

〜空の安全を願って〜  ボクが入社して間もない頃にほっこりしたエピソードがあった。小さな男の子が僕に紙飛行機を折ってくれたのだ。「ずっと持っててね」そう言い手渡…

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GSの日常9

〜制服、身だしなみ〜  航空会社の制服と言えばカッコいい!お洒落!という印象があるだろう。他の業界以上にたかが制服1つでもそれぞれのブランドの個性が出る。  例え…

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GSの日常8

〜イレギュラーの話〜  多くの人は子供の頃台風や雪の時、学校が休みになるんじゃないか、早く帰れるかもしれないと思った経験があるだろう。ボク自身高校の頃、大雪で授…

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GSの日常7

〜シフト〜  航空業界のシフトは大体4勤して2休が大半で、そのパターンがずっと続く。飛行機は年中無休で飛んでいるからだ。当然それに伴い我々GSやオペレーションに関わ…

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GSの日常6

〜遅刻、寝坊の話〜  学生の頃は一度も遅刻した事ないボクだが、社会人になってニ度だけある。  一度目は早番の日に寝坊して遅刻。二度目は休みと出勤日を勘違いして認識…

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GSの日常5

〜休日あれこれ〜  ボクのプライベートは素っ気ない。休みの日はひたすら体力回復に努める。ただでさえ不規則な勤務で身体への負担がかかってるところに常に立ちっぱなし…

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GSの日常4

〜遅番あれこれ〜  遅番の日はアラームをかけずに寝ても何ら問題ない。出勤が午後からだから。ゆっくり自分のペースで起きれるし、起きた後の憂鬱感も少ないし、平日だと…

GSの日常3

 時刻は4:00。スマホのアラームが鳴る。1日の始まりだ。この時刻である。到底一回で起きるのは不可能な為4:00〜4:30の間で5分毎に目覚ましを設定している。やっとの思いで…

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GSの日常2

〜遅番〜  さて今回は遅番です。勤務時間は14:00〜22:00。 早番と同じく大体30分くらい前に空港に着くよう出勤します。着替え、情報確認の後勤務開始です。早番メンバー…

GSの日常

〜序〜  皆様、突然ですがGSことグランドスタッフをご存知でしょうか?(航空業界ではグランドスタッフの事をGSと呼んでおります) 空港で航空会社の顔としてお客様のチ…

これから航空業界で働く皆さんへ

 4月の新シーズン。ANAグループは5年ぶりに格納庫での入社式が行われ、JALは新社長が就任するなど春らしいニュースが多かったですね。

 航空業界ではこれから訓練漬けの生活が始まりますが、中には昨年から早期入社で働いてた方もいらっしゃることでしょう。今回の記事はこれからこの業界で働く方へのメッセージです。

•同期を大事に!
実は私、入社時同期がいませんでした。訓練は全て1人で受けとても寂しかっ

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コロナ前から始まっていた問題

 航空業界に関するニュースでよく見るワードと言えば「人手不足」。「コロナで減った人手に対して需要回復が早過ぎた為人材確保が追いついていない、コロナ禍で不安定な業界のイメージがついたこと」とよく報道されています。前者は確かにそうでしょう。後者もあるでしょうが、果たして本当にそうでしょうか?

 航空業界の人手不足はエアライン関係者の方ならご存知でしょうが、今に始まった話ではありません。元々東京オリン

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直近の航空ニュースについて

 皆様こんにちは、世はクリスマスシーズンですね。

 さて、最近航空業界では大きなニュースが2件ありました。
 1件目はJALエンジニアリングの不適切な整備。

・出発前の一部の整備作業において航空法で定められた責任者による確認が行われてなかった
・メーカーのマニュアルで指定された機器を使用せず整備が繰り返されていた

というもので国土交通省から業務改善勧告が出されました。どちらも安全を脅かすもの

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オケでセクハラ受けた話

 『GSの日常』を書いてからnoteは全然更新してなかったですね、お久しぶりでございます。最近は寒暖差が激しく服装に困る日が続いておりますね🙃 X(Twitter)エアライン界隈を見てると体調不良でバタバタ倒れてシフトがぁ…っていうのを度々見かけましたが、皆様は体調いかがでしょうか?

 さて、最近私自身が体験した事を話していきたいと思います。

〜本編〜

 遡る事9月中旬。

 秋に関西地方

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GSの日常〜番外編2〜

 以前どうしようもないエピソードを共有してしまったのでちょっと真面目なエピソードをご紹介しよう。

〜制限品〜
 皆様ご存知の通り、飛行機に乗る際は荷物検査が実施される。預け荷物である『受託手荷物』と搭乗する乗客及び機内に持ち込む荷物を検査する『保安検査』の2通りがあるが今回ご紹介するのは後者である。

 ある日の夕方の便でボクは保安検査上前での案内を担当していた。記憶が正しければその日はそんなに

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GSの日常(番外編)

 誰しも人に知られたくないような恥ずかしいエピソードの1つや2つは経験があるだろう。勿論ボクにもある。本当は晒したくないが語ってみよう。

コロナ禍に突入し1年経った春の出来事だ。

まず当時のボクの背景だが

・休業の影響で出勤日数は月の半分ほど
・1日行って休みという事も多々あったためほぼほば実家から空港まで通っていた。
・1人暮らしの家から空港まで車で5分、実家から空港までは1時間10分程。

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GSの日常10(last flight)

〜空の安全を願って〜

 ボクが入社して間もない頃にほっこりしたエピソードがあった。小さな男の子が僕に紙飛行機を折ってくれたのだ。「ずっと持っててね」そう言い手渡してくれた。その紙飛行機は今でも部屋に大事に飾ってある。当時訓練とOJT続きで心身共に大変だった時期だけにあってかなり心の支えになった。自分達にとって見慣れた光景でもまだまだ小さな彼には空港や機内で見る光景は新鮮に違いない。

 安全とは

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GSの日常9

〜制服、身だしなみ〜

 航空会社の制服と言えばカッコいい!お洒落!という印象があるだろう。他の業界以上にたかが制服1つでもそれぞれのブランドの個性が出る。
 例えばシンガポール航空。シンガポール航空と聞くとサロンケバヤを思い浮かべない人はいないだろう。実際、CAの最終試験ではケバヤチェックと言い実際に制服を着せられ、応募者にSQ(シンガポール航空のツーレターコード)のブランドイメージを体現できる

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GSの日常8

〜イレギュラーの話〜

 多くの人は子供の頃台風や雪の時、学校が休みになるんじゃないか、早く帰れるかもしれないと思った経験があるだろう。ボク自身高校の頃、大雪で授業が午前中に終わる事が急遽決まった際クラスの皆んなで喜んでいた記憶がある。
 大人はどうだろう?仕事の都合上悪天候でも出勤を余儀なくされる人は少なくないだろう。自宅待機になったり、オンラインになったりの場合もあるだろう。航空業界オペレーシ

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GSの日常7

〜シフト〜
 航空業界のシフトは大体4勤して2休が大半で、そのパターンがずっと続く。飛行機は年中無休で飛んでいるからだ。当然それに伴い我々GSやオペレーションに関わる全ての職種の人員も年中無休で稼働している事になる。
 そんなこんなで土日祝やお盆、年末年始など世間の人々が休みを楽しむタイミングも普通に働いているため曜日感覚が無くなってくるのだ。休みの日に出かけて「なんか今日人多いな〜」と思いスマホ

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GSの日常6

〜遅刻、寝坊の話〜
 学生の頃は一度も遅刻した事ないボクだが、社会人になってニ度だけある。
 一度目は早番の日に寝坊して遅刻。二度目は休みと出勤日を勘違いして認識していたため起きた遅刻。誰しも一度は同じような経験があるかもしれないが、職業柄これらの出来事は強烈に印象に残っている。
 ある日、先輩が数日後の予約数を見ながら「明後日ヤバいやん。◯◯便(出発始発)満席やん。おまけに修旅おるし」と会話して

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GSの日常5

〜休日あれこれ〜
 ボクのプライベートは素っ気ない。休みの日はひたすら体力回復に努める。ただでさえ不規則な勤務で身体への負担がかかってるところに常に立ちっぱなしで空港内を走り回り、大声でPAX(旅客のこと)を探してるのだから。本当は趣味に時間を割きたいが身体が言うことを聞かない。
 ようやく身体が動く位に体力が回復したら家事をしたり買い物に出かけたりする。
 ボクの最近の楽しみはとあるカフェに行く

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GSの日常4

〜遅番あれこれ〜

 遅番の日はアラームをかけずに寝ても何ら問題ない。出勤が午後からだから。ゆっくり自分のペースで起きれるし、起きた後の憂鬱感も少ないし、平日だと出勤前に郵便局や市役所に行く事もできる。ボクからしたらメリットしかない。でもうちの職場は早く帰れるという事で早番派が圧倒的に多いが。
 ボクが働く空港は地方のため便数がそこまで多くない。出発の最終便の後到着の最終便が来るまで1時間程時間が

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GSの日常3

 時刻は4:00。スマホのアラームが鳴る。1日の始まりだ。この時刻である。到底一回で起きるのは不可能な為4:00〜4:30の間で5分毎に目覚ましを設定している。やっとの思いで身体を起こし顔を洗い髪をセットするのだが、GSのお仕事は身だしなみが重要な為、シャワーで髪全体を濡らしドライヤーで乾かす所から始める。ワックスで形を整え更にスプレーで固める。どんなに走っても汗をかいても崩れないようにする為だ。

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GSの日常2

〜遅番〜
 さて今回は遅番です。勤務時間は14:00〜22:00。

早番と同じく大体30分くらい前に空港に着くよう出勤します。着替え、情報確認の後勤務開始です。早番メンバーからその日の引き継ぎ事項を確認し業務に移ります。
飛行機を飛ばすのは勿論ですが、翌日のフライト情報の収集、カウンターやゲートの片付け、売上管理、空港によってはPAXに貸し出したペットケージを洗ったり、機内サービスで使うボトルを

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GSの日常

〜序〜

 皆様、突然ですがGSことグランドスタッフをご存知でしょうか?(航空業界ではグランドスタッフの事をGSと呼んでおります)
空港で航空会社の顔としてお客様のチェックインやゲート、到着ロビーでの対応などをしております。お洒落な制服を着てお客様の対応している姿一見華やかですが、不規則な勤務、立ちっぱなしで何なら走っている、定時運行のプレッシャーなど心身にかかるストレスは想像し難い事でしょう。

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