GSの日常6

〜遅刻、寝坊の話〜
 学生の頃は一度も遅刻した事ないボクだが、社会人になってニ度だけある。
 一度目は早番の日に寝坊して遅刻。二度目は休みと出勤日を勘違いして認識していたため起きた遅刻。誰しも一度は同じような経験があるかもしれないが、職業柄これらの出来事は強烈に印象に残っている。
 ある日、先輩が数日後の予約数を見ながら「明後日ヤバいやん。◯◯便(出発始発)満席やん。おまけに修旅おるし」と会話してたのが聞こえ、確認すると300人程の座席数の飛行機に空席が1席しかなかった。出発初便に関しては他の航空会社と時間が重なってたり、また朝早い時間帯という事もありPAX(旅客)の集まりが良くなかったりという要素がある。その上この便が遅れると後続便のオペレーションにも影響が出るため飛ばす側のプレッシャーも半端ないのだ(飛行機は目的地に着いた後、更に別の便として違う所に飛んで行く。国内線の場合一機当たり1日8便ほど飛んでいるらしい)。その為DLY(遅延の事)のリスクが高くなりやすい修学旅行団体や不慣れPAXが多い時は普段以上に気を使う。
ボクのシフトは明日が公休、その問題の明後日が早番だった。前日の夜そう言えばと思いいつもより早めに目覚ましをかけたが…。
 いざ翌日。
目覚めたら6:30。始業時刻は5:45。会社から電話も鳴っていたがそれでも起きなかったらしい。もう完全に遅刻だしもうちょっとゆっくりしようかなどと考え10分程二度寝した。
あーーーーー!!!!
満席だった事を思い出し急いで支度し、会社に電話し飛び出した。
制服に着替えた頃には既にボーディングが始まっていたが、まだまだ保安検査は行列で。
「まだX-ray(保安検査場の事)入りきってなくてな。押し込んでんねん。ちょっと見よってくれ。」と上司に言われ一旦フォローに入るがまぁ頭の中は混乱状態。PAX全員通過した事を確認しGATEに向かう頃には既に定刻を10分程過ぎていた。起きてから1時間ちょっとの出来事である。
こんな大変な日に遅刻した事の申し訳なさやら、恥ずかしさやらで一杯だったが、上司達は笑い飛ばしていた。それもどうかとは思ったが疲れていたから仕方ないよねと正当化している自分もいたのも事実だ。
 後日この話を聞いた先輩に「ちゃんと◯◯便に間に合うように来たん偉いな。私だったら開き直って9時くらいに来るわ。」と笑い話にされたのである。

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