GSの日常（番外編）

　誰しも人に知られたくないような恥ずかしいエピソードの1つや２つは経験があるだろう。勿論ボクにもある。本当は晒したくないが語ってみよう。

コロナ禍に突入し1年経った春の出来事だ。

まず当時のボクの背景だが

・休業の影響で出勤日数は月の半分ほど
・1日行って休みという事も多々あったためほぼほば実家から空港まで通っていた。
・1人暮らしの家から空港まで車で5分、実家から空港までは1時間10分程。
・この出来事があった日は6日位の連休だった。
・当日は1人暮らしの家がある市で遊んでいた。

という内容だ。

　コロナ禍ではあったが外出に対する世間の抵抗は薄れつつあったように思う。
連休初日は以前好きだったがフラれた男と遊んでいた。その最中に当時Twitterの機能としてあったフリートの投稿に反応してきたフォロワーさんがいた。彼とその相手は知り合いだった事、遊んでみたらと勧められた事もあり、軽くやり取りを交わした後、2日後に会う事になったのだ。当時休みが多かったため実家で過ごし趣味に時間を割く事が多かったがそれでも暇を持て余しており、また普段は忙しいから今のうちに遊んでおきたいという感情もあった。だから正直あまり興味の無い相手ではあったがOKしたのである。
（今思い出すとあの時はリアルに明け暮れてた気がする…）

　当日。

　その相手の男性とはカフェで食事後、広い公園で散歩し（それも結構な距離歩いた）、カフェでソフトクリームか何かを食べた（移動は彼の車で）。その後ボクの希望で本屋に向かった。事件はそこで起こる…。

　確か17時30分頃だったと思う。職場から電話がかかってきたのだ。静かな環境で着信音にびっくりし直ぐに出たのだが、普段滅多に休みの日にかかってくる事はないの為イヤな予感がした。そして予感は的中する。

　「今から出勤の筈だけど、今どこ？」

上司の声を聴き、全身が冷たくなり顔が青ざめたのが自分でも分かった。
恐る恐るシフトを確認すると実働17:30〜20:00の短時間勤務だった。
やってしまった、空港向かわなきゃ…。
「ごめんなさい、仕事行かなきゃ」
ボクの顔を見て何かを悟ったのか直ぐに車を出してくれた。

　しかしここで1つ問題が浮上した。
連日実家で過ごしていた為勤務に必要な物を全部実家に置いていたのだ。ロッカーの鍵、制服のシャツも全部。今から実家に帰って取りに行っても仕事どころか退勤時間も過ぎてしまう。制服がないなら、スーツでと思ったがスーツもネクタイもこれまた実家に置いていたのだ。1人暮らしの家にあるのは学生時代のバイトで使ってた革靴だけ。せめてでもスーツがあれば勤務できるのだがと頭を抱えていた。
　「近くに友達が住んでるからその子にスーツ借りよう、体型も似てるから大丈夫だと思う」
なんとまさかの提案があったのだ。初対面でこんな出来事は恥ずかしいし、印象最悪だろうなと感じたが今はその提案に藁をもすがる思いだった。
その友人宅に向かい、スーツを借り、また車に乗り込み今度は自宅に向かう。その車中でボクは着替える。まぁ変な光景だろう。時間帯が夕方であった為退勤ラッシュで道が混んでおり内心焦っていた。フライトレーダーというアプリがあるのだが、そのアプリで自分が担当する便がどこにいるのかチェックしひたすら時計と睨めっこするしかなかった。自宅に靴を取りに行き、再度空港に向かう頃には飛行機は着陸しているのが見えていた。自分達が空港に着く頃にはLanding到着していたと思う。ターミナル前で降ろしてもらい、直ぐに事務所に走り、直ぐに仕事に就いたのだ…。

　その後は勤務終了後相手に迎えに来て貰い送り届けてもらった。

そんな出来事があったのだ。初対面にも関わらず、嫌な顔せず機転を効かせてくれた相手やご友人には本当に感謝している。

もうこんな恥ずかしい思いは2度としたくないのであった…。