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学術書の翻訳出版の進め方②:国内出版社への打診・翻訳権の購入・翻訳チームの形成
筆者 (樫原) は2023年~2024年にかけて2冊の学術翻訳書を出版したのですが,その過程で「学術書の翻訳出版の進め方について,ちょっとしたガイドがあればいいのになあ」と思うことが多々ありました。そこで,「学術書の翻訳出版の進め方」というシリーズ記事を書いてみようと思い立ちました。不定期で気の赴くまま書き進めますので,みなさまよろしくお付き合いください~。
シリーズの初回は,「『研究者が翻訳書
日本心理学会2024チュートリアル・ワークショップ『心理ネットワークアプローチ入門:RとJASPで横断データ分析をはじめよう』の活動報告+資料集
近年の心理学研究では,人間の心理をひとつの「複雑系」として捉える「心理ネットワークアプローチ (Network Psychometrics)」が活況を呈しています。この10数年で爆発的に発展したこのアプローチは,臨床心理学研究で盛んに用いられ,社会心理学・教育心理学・感情心理学など心理学の全体に影響を及ぼしつつあります。
とにかく刺激的で,学びの多いアプローチなので,なんとか広めたい! というこ
学術書の翻訳出版の進め方①:「研究者が翻訳書を出すことの意義」にまず気づこう
ありがたいことに,2023年から2024年にかけて,私 (樫原) の携わった翻訳書が2つ出版されることとなりました。『プロセス・ベースド・セラピーをまなぶ』も『心理ネットワークアプローチ入門』も,私が入れ込んでいるアプローチについての非常に優れた入門書です。臨床心理学や周辺分野に携わる方々に,ぜひ手に取っていただきたいです!
2つの書籍とも,出版企画が立ち上がったのは2022年でしたので,随分と
海外の研究者に「とりあえず会いに行く」ことの重要性:ボストン3大学短期訪問レポート
ちょっと前のことになりますが,2023年9月上旬,樫原 潤 (東洋大学,この記事の筆者) と,共同研究者の国里 愛彦 先生 (専修大学)・菅原 大地 先生 (筑波大学) とで,アメリカのボストンに出張してきました!ボストンは国際的に有名な大学の密集しているエリアのため,5泊6日 (うち,1機中泊) というタイトなスケジュールながら,3つの大学で働く5名の研究者と対面でミーティングすることができまし
もっとみるStefan Hofmann先生の1日ワークショップ体験記②:「Process-Based Therapyのネットワーク図は,クライエントが描くもの」
※トップの写真は,2023年6月2日にWCCBT@韓国ソウルで撮影されました。左から,Stefan Hofmann先生 (Philipps-University Marburg),筆者=樫原 潤 (東洋大学),Steven Hayes先生 (University of Nevada, Reno),筆者の共同研究者の菅原 大地 先生 (筑波大学)。
2023年6月,世界の認知行動療法家が集まるWC
日本認知・行動療法学会シンポジウム『先進的なデータ収集・解析技術によって認知行動療法の実践はどう変わるか?』の活動報告+資料集
近年,臨床心理学研究者の間では,先進的なテクノロジーを駆使した研究スタイルが増えてきています。最近では,以前ほどのコストを割かなくても多種多様なデータを高い頻度で収集できるようになっており,それらのリッチなデータから有用な知見を見出すための高度なデータ解析も広がりを見せています。こうした技術を駆使して臨床実践のテーラーメイド化を進めよう,といった夢のある話が研究者の界隈では増えてきました。
一方
『ネットワーク科学』読書会を開催しました:感想コメントのシェア
科研費研究課題『ネットワーク解析による心理療法の高精細な作用機序の解明』(課題番号:21H05068)の一環として,研究分担者の国里 愛彦さん(専修大学)に『ネットワーク科学:ひと・もの・ことの関係性をデータから解き明かす新しいアプローチ』(共立出版)の読書会を開催していただきました!
読書会の概要この書籍は,いまや学際分野としてゆるぎない地位を獲得したネットワーク科学の創始者,Albert-L
『心理ネットワークアプローチ入門:縦断データ解析を中心に』チュートリアル資料集
近年の心理学研究では,人間の心理をひとつの「複雑系」として捉える「心理ネットワークアプローチ (Network Psychometrics)」が活況を呈しています。この10年強で爆発的に発展したこのアプローチは,臨床心理学研究で盛んに用いられ,社会心理学・教育心理学・感情心理学など心理学の全体に影響を及ぼしつつあります。
とにかく刺激的で,学びの多いアプローチなので,なんとか広めたい!ということ
Stefan Hofmann先生の1日ワークショップ体験記①:「Process-Based Therapyが生き残るかはまだわからないが,ネットワークアプローチは生き残る」
※トップの写真は,2023年6月2日にWCCBT@韓国ソウルで撮影されました。(左) 筆者の共同研究者の菅原 大地 先生 (筑波大学),(中) Stefan Hofmann先生 (Philipps-University Marburg),(右) 筆者=樫原 潤 (東洋大学)
2023年6月,世界の認知行動療法家が集まるWCCBTという大会に参加してきました!この大会には,筆者たちが翻訳を進めてい
日本認知・行動療法学会シンポジウム『Process-Based Therapyとは何か? その概要と発展可能性を議論する』の活動報告+資料集
近年の臨床心理学では,Process-Based Therapy (PBT) という枠組みが提唱され注目を集めています。このPBTを学ぶための勉強会を推進してきたメンバーと学会シンポジウムを企画し,「PBTを初めて知る先生方にはどのように映るのか?」をお伺いして,PBTの位置づけや発展可能性を議論してまいりました。
初めての学会でしたが,参加されたみなさまにも楽しんでいただき,とても良い機会とな
『Learning Process-Based Therapy』読書会完結! 資料の一覧と総括コメント,お役立ちリンク集など
近年の臨床心理学では,Process-Based Therapy (PBT) という枠組みが提唱され注目を集めています。このPBTを学ぶための勉強会を2022年2月に立ち上げて,下記の『Learning Process-Based Therapy』という書籍の読書会を進めてきたわけですが,2022年8月に読書会がめでたく終了しました!ブラボー!
本当に,沢山の方々にご参加いただいて,まずは半年間
『心理ネットワークアプローチ入門:横断データ解析を中心に』チュートリアル資料集
近年の心理学研究では,人間の心理をひとつの「複雑系」として捉える「心理ネットワークアプローチ (Network Psychometrics)」が活況を呈しています。この10年で爆発的に発展したこのアプローチは,臨床心理学研究で盛んに用いられ,社会心理学・教育心理学・感情心理学など心理学の全体に影響を及ぼしつつあります。
とにかく刺激的で,学びの多いアプローチなので,なんとか広めたい!ということで
Process-Based Therapy勉強会:第13章 Using the Tools of PBT in Practice
PBT勉強会の第6回が,2022年8月26日に開催されました!第6回後半では,Learning Process-Based Therapy の「第13章 Using the Tools of PBT in Practice」を扱いました。発表者は齋藤 順⼀さん (広島⼤学病院/早稲⽥⼤学),感想記事の執筆係は石井 寛さんでした。
第13章 Using the Tools of PBT in Pr
Process-Based Therapy勉強会:第12章 From Problems to Prosperity: Maintaining and Expanding Gains
PBT勉強会の第6回が,2022年8月26日に開催されました!第6回中盤では,Learning Process-Based Therapy の「第12章 From Problems to Prosperity: Maintaining and Expanding Gains」を扱いました。発表者は水野 雅之さん (筑波大学)・石川 惠太さん (東京大学) でした。
第12章 From Probl