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ふる里のゼロ地下で

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エルトポ、寺山修司、ガレージパンク、カルトGS、シュールレアリスム好きな方と交流したいです。
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#シュールレアリスム

ヴッシツ①

どこもかしこもヴッシツ(物質)だらけ。
生きづらい世の中になったものです。

でも、そう嘆いてばかりもいられません。
我々人間もまたヴッシツ(物質)なわけですから。

というわけで今回のフェイク教養講座は、
ヴッシツ(物質)に必要欠くべからざる
八つの力(りょく)を紹介していきます。

○努力
まずはそこに「ある」ために、己の存在を保つために、一等最初に必要なのが努力です。
空気や風、そして時間か

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キーポン!キーポン!ジャストキーポン!

「キーポンロッキン!」
こう言われて何のことか、 
思いあたらない人もおりますまい。

甘いだけのグルーヴには、もう、うんざり!

え?ノンノンノン、
「昭和」なんてもう古い。 
え、なに?「大正」?
古い古い! 
俺たちは新しい明日に向かって走るのさ。

そう、「平成」さ!

「平成」こそが俺たちの時代。
ニューロックの幕開けってわけ。  

ヘイヘイそこのベイビー、うつむいてなん

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「いぐどわ」の同時性

 権太郎おごそか。
「おえもぎえでいーがらそろそどわいぐどわ」
 冷たいオレンジジュースに囁く。
「ごえもいぐどわさって、だぺした」

 新首都である津軽都(ツガルミヤコ)から来た記者はインタビューにならず、肩をすくめている。ちょっとカッコつけた彼は、
「憂鬱な午後はセメダインで出来ている」
と確実に感じていた。
 
 山々に抱かれたこの古民家で行われている、暗く、下らなく、血なまぐさい人間ドラマ

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天国行ったらなんと居酒屋

鍋の湯気の向こうには懐かしい顔が並んでいた。
みんな笑顔で、中には生前見たこと無いくらいに顔がほころんでいる奴もいた。
座敷の遥か彼方では、滝をバックに金色のオーケストラが演歌のインストゥルメンタルを荘厳に奏でてていた。

便所に行ったら、俺の好きなグリーンアップルの芳香剤が使ってあった。
便器から「カニシテー、カニシテー」と低い声がたくさん聞こえてきていたが、 あれは多分地獄からのものD

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B♭→D

1 
きのう君が見たという夢の木に、
「果実はなっていたかい?」なんて、
学者ぶってたずねても 
俺らの関係、何ら進展はない。 
でも君の夢の木にもし、
果実が豊かに実っていたとしたら  
それはきっと   
俺らを笑っていることだろうな。

2
「ある意味で、」と前置きすれば 
世の中のたいがいのことは言えてしまう。
君は俺、俺は君を何とかしながら、
毎日というはるか昔生まれた
馬鹿デカイ敵と闘

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Merroven

 朝、耳から血が吹きだす音で目がさめた。案の定メルロベンの葉っぱがまた庭で絶叫しているので、「そこまで無理しなくてもいいよ」と言いに行ったらなんとゲルリロが生ぬるい趣味の集いを開くついでに殺人事件まがいの果物ナイフでグサグサしていた。

 いっそのこと引っ越してしまおうかと思ったが、遷都するのも面倒だしなぁ。とりあえずグースカ立ったまま死んでいるビッグ蛙ママの腹の縫い痕に手を突っ込んで何か無いかな

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トゥデイにささぐ

ボルテイジ先輩。
もう一度言いたい
「トゥデイにささぐ!」と
ストライク丼喰いながら、
シナチクの少なさに閉口しながら、
今、俺に出来ることは、
これなんだと言い聞かせつつ、
汗かきながら、ガッツ汁すするのだ。
そしてまた、今日を乗り切るのだ。

ダメはダメなりの、最低限の
自爆装置のボタンは押しとくんだ。
何故かは解らないが、
浪費をしまくった俺には、
今さら、そんなこと言える義理と

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ジ・エンド

 空気の中に塵があり、それが淡い、儚い感じで漂っている時に
 「ピンポーン」って鳴ってお客さんが来た。

 「コロッケ5個だけどすぐできる?」って、
 こちとら近所の肉屋だから大チャンスだ。
 でもそんなチャンス、君にも掴めるはずさ。ショーケース世界に手を伸ばして御覧。ううん、そこには無いよ、もっと右。ポテトサラダ方面3スパゲティーサラダ方面7だよ。

 昼のラジオのお姉さんの声が仏間を通って聞こ

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十月はまぁまぁだ

 ニセの季節はつまらない、いつか買ったカップを見てる。肩口から入ったアドヴァイスが、心臓で弾丸に変わる。「約束が違う」と詰め寄ると、アンチクショウめ、空き瓶に変わって風に吹かれて転がってった。それから元号が2回変わった。

 そんなこんなで遊んでいると、結び目の顔をした彼女はもう、サイレンと一緒に遠くへ引っ越した後のまつりだった。
「ビデオの中の鏡の中の雑誌の中のお便りの中で誕生会をする家を訪ねる

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レッド

 レッドが今来る。確かに。耳を澄ませ。モラトリアム横丁を駆けてる。タ、タタ、タタタタタ「小説は何が好きなの?」って訊いてまわっている。奴はまだ学生気分。そうさ、学生気分が抜けきっていない奴。

 カラシ色のマフラーをなびかせてレッドが俺をコロ死にやって来る。隣で寝ているお前はその時俺を見捨てるだろうお前は。それを境に俺の全精神、全細胞は全方向的に奴の統治下に完全に入ってしまうのだけれどお前さん。そ

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ゲジロック

ゲジロックの弟ゲジゲジロックが
キミドリ色のチビッ子達を引き連れて
町へやってきました。

殺されてしまった兄の敵を討つために
メガホン片手にドクガス散布や
マシンガンでの一斉攻撃が 始まります。

町中ガイコツだらけになったけど
一口サイズでチョコ味なので
子ども達はポリポリおやつ代わりです。

大喜びで万歳しながらスキップです。
中にはオシッコしてる子や
落書きに夢中になって

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ほめる

 大した事無い、或いは、興味の無い事を言っている相手を褒めるのは立場上しょうがないが、幽体離脱し少し上空から見ると、気持ち悪いほど我が身がカッコ悪いですね。

 その時はもう十中八九、社会で生きていくうえでは欠かせない「悲しいニヤニヤ」という表情をしている。

 ふと思い出すのが、
「アルバム『かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう』1969年
 発表作品」
ということわざであるが、よく考えると

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