ヴッシツ①

どこもかしこもヴッシツ(物質)だらけ。
生きづらい世の中になったものです。

でも、そう嘆いてばかりもいられません。
我々人間もまたヴッシツ(物質)なわけですから。

というわけで今回のフェイク教養講座は、
ヴッシツ(物質)に必要欠くべからざる
八つの力(りょく)を紹介していきます。


○努力
まずはそこに「ある」ために、己の存在を保つために、一等最初に必要なのが努力です。
空気や風、そして時間からの誘惑に負け、朽ち果ててしまわないようにも、努力を怠らないようにしましょう。
そうすればきっとステキなご主人様に出会えると思いますし、仮に出会えなくとも、ヴッシツ(物質)として豊かな老後が送れる事でしょう。

○懐かし力

出会った相手に懐かしいと思ってもらえる力(りょく)。必要ですね。
それにより、多少高額でも、オークションで競り落として貰える場合も出てきます。

○ミジメ力
泥に汚れ、嘘にまみれた傷だらけの自分をさらす事で、同情を買える場合もあるでしょう。
それによって、「あぁかわいそう」と拾ってもらい、豊かな生活が手に入るわけです。

○無力
ミジメ力を使っても、誰も振り向かない場合、また、演技だとばれてしまった場合、必要になってくるのがこの「無力」です。
これは、無になれる力(りょく)ですし、または、自分のダメさ加減さにうんざりしそうになっても、何も感じず受け入れるために必要な力(りょく)でもあるわけです。
難しいと思われる方は、水の呼吸に耳を澄まし、参考にされても良いかも知れません。

○エンタメ力
上記のもろもろの力(りょく)を使い、ご主人様に受け入れて頂いた後、必要となってきます。
例えばあなたが日本人形的ヴッシツ(物質)であれば、深夜に舞の一つもおさらいしておくことをお勧めします。
汚物(オヴツ)であれば、食物を装い、ご主人様を当惑させるのも良いかもしれません。

○直角感応力
物質は垂直方向に落ちていくわけですから、自分はそれに対し、どのような位置でいるのか把握する力(りょく)。
また、自分の形を客観的に見た場合、角があるのかないのか、また、必要なのか。あえて丸くいってアットホーム的な感じを出すのか、売り出し方を吟味するためにも、必要なわけです。

○ジャン=ポール=ベルモント力
このヴッシツ(物質)の八力(りょく)は12世紀から提唱されているわけですから、20世紀後半のフランスの映画俳優の名が入っているのはおかしい。
ですから、この力(りょく)は伝承の途中で混ざってしまったものと考えられます。
私には見当がつかない。

○ハッピー力
最後、八力(りょく)目は、これまで紹介した七つの力(りょく)を活用するためのものです。上記の力(りょく)により豊かさを手に入れたとて、それを幸せと感じる力(りょく)、また、その幸せを感謝できる力(りょく)が無ければ何にもなりません。

つまり、「物心」ニアイコール「仏心」。

とかくヴッシツ(物質)至上の世の中ですが、思いの力(りょく)も日々手入れしておきたいものです。

いかがでしたでしょうか、ヴッシツ(物質)の八力(りょく)。人間のみならず、新しい旅立ちをされる新郎新婦ヴッシツ(ヴッシツ)にも役立てる事も多いかと思います。

結婚式のスピーチなどでご活用いただければ、幸い(ハッピー力を使ってます)です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?