ジ・エンド

 空気の中に塵があり、それが淡い、儚い感じで漂っている時に
 「ピンポーン」って鳴ってお客さんが来た。

 「コロッケ5個だけどすぐできる?」って、
 こちとら近所の肉屋だから大チャンスだ。
 でもそんなチャンス、君にも掴めるはずさ。ショーケース世界に手を伸ばして御覧。ううん、そこには無いよ、もっと右。ポテトサラダ方面3スパゲティーサラダ方面7だよ。

 昼のラジオのお姉さんの声が仏間を通って聞こえてくる。

 では、この物語の締めくくりとして、メロン八勇士の最期を君たちに語るとしましょう。

「キャー」
なんと、そこには悪の大魔王レルケルが!
ルート2回叩け!叩き続けろ!
廻して廻して両足蹴りだ!
唾もだ!唾も使え!

 「ジョワーン」
 コロッケ兵士達はこんがりきつね色。このピンチをどう切り抜けるかというと、「いつものだんまり決め込んで、ふて寝するのサ」。ってナノサの兄ぃがよく言ってた、なんて言ってる場合じゃないでしょ!なんて、生徒会長のカオルが怒ったりしてるけども、怒った顔もまた可愛かったんだよな、戦前までは。


 だから、俺ら、そんな気持ちどうしようもなくて、みんなでジープに飛び乗ってよくオールナイトで授業参観に繰りこんだってわけさ。

 セザンヌ美容室でイカしたアップにセットしてもらって、お決まりの「ざぁます言葉」ってわけ。

 そんなの常識よ。こっちは山の手の生まれよ。失礼ね。ふざけないで。

 「オホホホホホ」

 あれ?今、笑ったの俺じゃないよ。
 なんて言ってるうちに、ジ・エンド。

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