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【第1話】なにもない国。(ブルネイダルサラーム・バンダルスリブガワン)
「ブルネイ つまらない」 「ブルネイ 何もない」
Google検索で「ブルネイ」と入力すると、出てくるのが上のような字面だ。
「…行くしかない。」
直感的にそう感じた僕は、気がつくと航空券の決済を終えていた。
Skyscannerを眺めていて、たまたま見つけたブルネイという国。
往復で45,000円という値段に誘われ、調べてみると、日本から約6時間。成田空港からロイヤルブルネイ航空が直行
【第4話】天国に一番近い教会を目指して(ジョージア)
2時間以上、駅で足止めされたものの、やっと出発してくれたカズベキ村行きの車。
相乗りタクシー、時間通りに発車しない車、飛び交う異なる言語。それら全てが「旅」を演出してくれていて、自分が間違いなく非日常にいることを実感させてくれる。日本じゃ絶対あり得ない体験。それに取り憑かれたように、ヨーロッパとアジアの境目であるジョージアに、いま僕は訪れている。
カズベギ村までは軍用道路をひたすら北に車で約3
【第2話】天国に一番近い教会を目指して(ジョージア)
ジョージアに到着して、数時間。
普段見慣れないグルジア語に囲まれながら、街を歩く。
トビリシの街は、極端だった。バスが通る大通りを抜けて一本路地に入ると、レンガや石造の家屋が並んでいる。目に見えるところは整っていて、少し外れると一気に生活感が増す。街灯もほとんどなく、夜になると真っ暗になる、そんな通りが多かった。
「チナ?チナ?コリア?」
路地を歩いていると、小さな子どもが自分を指差して叫
【第1話】天国に一番近い教会を目指して(ジョージア)
社会人になって初めて、4連休が取れた。今までの最高は3連休。
3連休のときは、タイのバンコクとアユタヤに行って、現地では1泊。文字通りの弾丸旅行だった。
さて、4連休だとどこまで行けるのだろうか。全く想像がつかない。
早速、GoogleMapを開いて旅先を探し始める。先に申し上げておくと、自分の旅はだいたいGoogleMapを眺めるところから始まる。
「トルコって行けるのかな」
そう思っ
【最終話】極光を求めて(カナダ・イエローナイフ)
「これがオーロラ?」
空に浮かぶ、グレーの靄のようなものがオーロラということに気がついたときは、なんとも言えない気持ちになった。ずっと憧れていた人が、実は自分の思ったような人ではなくて、みたいな。
けれど、太陽活動が活発な時に起こる『オーロラ爆発』であれば、期待しているようなモノが見られると知り、そのチャンスを窺っていたが、ついにその日が来た。
個人ツアーに申し込み、やり取りをする。夜の天気
【第1話】極光を求めて(カナダ・イエローナイフ)
「死ぬまでに一度は見たい景色」
主に北極圏で見られるこの自然現象、オーロラは多くの人々を虜にして離さない。かくいう自分もその中のひとりだった。
小さい頃から天体観測が好きだった。両親に買ってもらった天体図鑑のページを捲っては、空のどこかにあるキラキラした景色に胸を躍らせていた。
いわゆる都市郊外のベッドタウンで育った僕は、「満点の星空」とは縁がなく、小学3年生のときに買ってもらった天体望遠鏡