松下芳生 -「伝える力・解く力」

元外資系コンサルのパートナー(役員)です。30年間のコンサル道で得た「型」を伝えていま…

松下芳生 -「伝える力・解く力」

元外資系コンサルのパートナー(役員)です。30年間のコンサル道で得た「型」を伝えています。「知識はあるのにできない」を解決します。「型」を学んで実力を発揮し、自分の夢の実現に邁進してください。微力ながら後押しします。

記事一覧

#13 選任は「競争に打ち勝って獲得する」ものではない、逆算すると準備が変わる

最初に買うものの価値を見る 「この人間をリーダーにすると、どんな価値を当社に加えるか」が役員の視点です 企業の基本は取引です この人間がコミットする目標の「価値」…

#12 まだ見ぬものを創造しコミットする。最初にリードするのは自分自身です

自分自身が第一歩、次は他人を動かしてメンバーを増やさねば、事を成すことはできません チームが大きくなり、組織、社会をリードする存在になります 自分自身をリードす…

#11 貴方がコミットメントを躊躇するとしたら準備ができてない証拠です

企業で働く人たちが「リーダーシップの有無」を問われる瞬間があります 例えば、昇進、昇格、転職など、マネジャーを選ぶ時や事業責任者を選出する時です 「あなたは、どん…

#10 複雑な現実をシンプルに分析するには「意図」が必要だ

前回のポートフォリオ分析により、D事業は「市場シェアが低く、市場成長率も低い」とされ、「負け犬」のレッテルを貼られてしまいました 「君の担当事業は、分析によると負…

#9「分析が正解を導き出す」は学問の常識ですが、ビジネスは違います

「精緻な分析程、信頼性が高い」 「誰でもが同じ結論に達する」 「分析を見せれば説得できる」 といった常識をひっくり返します 「分析に正解無し」 「意図が結果を選ぶ」…

#8 『四象限』は意思決定を楽にするが、見逃しを起こす

「ペット犬を選ぶ時には、犬種の特性で選びます」 ペットを飼おうとブリーダーさんへ行きました かなり本を読み込んで、元気なミニピンシャー(ドーベルマン似の超小型犬)…

#7 アイデアをビジネスにするには、もうひとつの『掛け算』が必要です

イノベーションは掛け算で生まれる 「Walkman=イヤフォンラジオ×カセットプレーヤー」 「iPhone=メモリープレーヤー×携帯電話」 「メルカリ=フリマ×ネット」 「蔦谷…

#6「新しいモノを創る」には、ゼロから悩むより『掛け算』が速い

SFは「無い」ものを想像する星新一さんは、生涯で1001の話を作ったSFショートショートの元祖です SFショートショートというのは、3分程度で読める短いSF小説です うろ覚え…

#5 逆算するには「目標」が必要。それをどう設定するか?

当たり前と言われればそれまでですが、方法はふたつです 既存の枠組みを利用するか、新たに創るかです 競争に勝って一番になる 「3年後に業界No1シェアを取る」は既存の枠…

#4 例え話:ワクチン接種で『逆算』によって「何が違ってくるか」を考える

逆算の効用を分かり易く説明するために私が作った寓話ですので、数字や施策は仮定のものです。現実とは異なる点をご承知ください 積み上げでは遅すぎるワクチンが日本でも…

#3『逆算』を使いこなせば、誰もが普通に「戦略家」になれる

戦略的な思考って何だろう 「戦略的に考える」「戦略的な思考が必要だ」とか格好良く言う人がいます でも、その本人に「戦略的ってなんのこと」「何が違うの」「それで差が…

#2 ビジネスの実力は「知識量」ではなく「使い方」で決まる。そこに型がある

「型」はビジネスにも必要だビジネスにおいて、基礎力に相当するのが「知識」です 「知識」を使って、相手を「動かす」こと それがビジネスにおける「実力」です 「実力」…

#1 知識があるのに、結果を出せないのは「型」を知らないことが原因です

仕事をしていると誰もが悩むことがあります 本番で能力を発揮しきれない 勉強しても実力に繋がらない いつも損してしまう 一番分かり易いケースは、会議で意見を求められ…

#13 選任は「競争に打ち勝って獲得する」ものではない、逆算すると準備が変わる

#13 選任は「競争に打ち勝って獲得する」ものではない、逆算すると準備が変わる

最初に買うものの価値を見る
「この人間をリーダーにすると、どんな価値を当社に加えるか」が役員の視点です
企業の基本は取引です
この人間がコミットする目標の「価値」はどれほどか、それは昇進させる「コスト」に見合うかを判断するのです
当然、価値が大きい目標であるほど選ばれる確率が高くなります
価値ある目標を創造し、その価値を伝える能力が必要である理由です

次に見るのは達成確率です
「目標に価値がある

もっとみる
#12 まだ見ぬものを創造しコミットする。最初にリードするのは自分自身です

#12 まだ見ぬものを創造しコミットする。最初にリードするのは自分自身です

自分自身が第一歩、次は他人を動かしてメンバーを増やさねば、事を成すことはできません
チームが大きくなり、組織、社会をリードする存在になります

自分自身をリードする
自分自身が「海の向こうに新天地がある」と信じきれないとしたら、人を説得して仲間にしようとしても無理だと思います

もちろん、自分だって見たことがない訳ですから不安はあります
それでも新天地の姿を描き、自分自身を鼓舞し、納得させなくては

もっとみる
#11 貴方がコミットメントを躊躇するとしたら準備ができてない証拠です

#11 貴方がコミットメントを躊躇するとしたら準備ができてない証拠です

企業で働く人たちが「リーダーシップの有無」を問われる瞬間があります
例えば、昇進、昇格、転職など、マネジャーを選ぶ時や事業責任者を選出する時です
「あなたは、どんなリーダーを目指しますか」と聞かれたら何と答えますか

リーダーシップにはいろいろな形がある
「EQ(心の知能指数)」の提唱者ダニエル・ゴールマンは、リーダーシップを6種類に分類しています
ビジョン型、コーチ型、関係重視型(仲良し型)、民

もっとみる
#10 複雑な現実をシンプルに分析するには「意図」が必要だ

#10 複雑な現実をシンプルに分析するには「意図」が必要だ

前回のポートフォリオ分析により、D事業は「市場シェアが低く、市場成長率も低い」とされ、「負け犬」のレッテルを貼られてしまいました
「君の担当事業は、分析によると負け犬だから、やるべきことは即時撤退だ」と、社長以下、役員の前で、経営企画室長に宣告されたのです
Ⅾ事業担当役員は、反論しようとしますが、市場シェア、成長率のデータに間違いはなく、結論は揺るぎません

でも、担当役員には会社に貢献していると

もっとみる
#9「分析が正解を導き出す」は学問の常識ですが、ビジネスは違います

#9「分析が正解を導き出す」は学問の常識ですが、ビジネスは違います

「精緻な分析程、信頼性が高い」
「誰でもが同じ結論に達する」
「分析を見せれば説得できる」
といった常識をひっくり返します

「分析に正解無し」
「意図が結果を選ぶ」
がビジネスです

コンサル史上、最も有名な分析手法とは?
「事業ポートフォリオ」分析です
ボストンコンサルティンググループが開発した手法です
「市場成長率」と「市場シェア」のふたつの軸を使って
自社のビジネスを4つに分類します

もっとみる
#8 『四象限』は意思決定を楽にするが、見逃しを起こす

#8 『四象限』は意思決定を楽にするが、見逃しを起こす

「ペット犬を選ぶ時には、犬種の特性で選びます」
ペットを飼おうとブリーダーさんへ行きました
かなり本を読み込んで、元気なミニピンシャー(ドーベルマン似の超小型犬)が良いと思い相談したところ、きっぱりと言われた言葉です

「主に室内で飼うなら考慮すべき特性はふたつです」
「付き合い易いか否か」と「頭が良いか悪いか」です
「このふたつの特性で、イヌを4つに分けますが、ミニピンはお勧めできません」

もっとみる
#7 アイデアをビジネスにするには、もうひとつの『掛け算』が必要です

#7 アイデアをビジネスにするには、もうひとつの『掛け算』が必要です

イノベーションは掛け算で生まれる

「Walkman=イヤフォンラジオ×カセットプレーヤー」
「iPhone=メモリープレーヤー×携帯電話」
「メルカリ=フリマ×ネット」
「蔦谷=貸本屋×レコード」
「Yahoo=フリーペーパー×WEB」
「テスラ=クルマ×スマホ」
等々、後付けですが、掛け算の効用を見て取れます

成功の陰には、没になったアイデアが山ほどあるはずですが「多産多死」
数多くのアイデ

もっとみる
#6「新しいモノを創る」には、ゼロから悩むより『掛け算』が速い

#6「新しいモノを創る」には、ゼロから悩むより『掛け算』が速い

SFは「無い」ものを想像する星新一さんは、生涯で1001の話を作ったSFショートショートの元祖です
SFショートショートというのは、3分程度で読める短いSF小説です
うろ覚えですが、例えば、こんな話がありました

ある星に宇宙船が帰還します。星の全住民が固唾を飲んで、パイロットが地球から持ち帰ったモノをひとつひとつ報告する言葉を、一言も漏らすまいと聞いています
パイロットが四角くて棒を差してある金

もっとみる
#5 逆算するには「目標」が必要。それをどう設定するか?

#5 逆算するには「目標」が必要。それをどう設定するか?

当たり前と言われればそれまでですが、方法はふたつです
既存の枠組みを利用するか、新たに創るかです

競争に勝って一番になる
「3年後に業界No1シェアを取る」は既存の枠組みを利用する方法です
シェアの計算をする市場は定義されていますし、数字で把握することができます

現在のシェアがNo3だとすれば、2社の競争相手に勝たねばなりません
どうやって勝つか、2社と自社をベンチマーク(相互比較)し、何が優

もっとみる
#4 例え話:ワクチン接種で『逆算』によって「何が違ってくるか」を考える

#4 例え話:ワクチン接種で『逆算』によって「何が違ってくるか」を考える

逆算の効用を分かり易く説明するために私が作った寓話ですので、数字や施策は仮定のものです。現実とは異なる点をご承知ください

積み上げでは遅すぎるワクチンが日本でも承認される見込みが立ったころ、次の関心は「いつまでに接種を完了できるか」に移っていました
接種実施の主体は自治体であるため、各自治体に質問調査を行いました

「重点ターゲットである65才以上の高齢者だけをとっても、3500万人に上るため、

もっとみる
#3『逆算』を使いこなせば、誰もが普通に「戦略家」になれる

#3『逆算』を使いこなせば、誰もが普通に「戦略家」になれる

戦略的な思考って何だろう
「戦略的に考える」「戦略的な思考が必要だ」とか格好良く言う人がいます
でも、その本人に「戦略的ってなんのこと」「何が違うの」「それで差が出るの」と真顔で聞いたら、答えに窮するかもしれません

「戦略」のように誰もが知っている言葉をビッグワードと言いますが、ビッグワードであるがゆえに、誰もが同じ定義で使っているとは限らないのです
そんな状態では、議論をしても噛み合いません

もっとみる
#2 ビジネスの実力は「知識量」ではなく「使い方」で決まる。そこに型がある

#2 ビジネスの実力は「知識量」ではなく「使い方」で決まる。そこに型がある

「型」はビジネスにも必要だビジネスにおいて、基礎力に相当するのが「知識」です
「知識」を使って、相手を「動かす」こと
それがビジネスにおける「実力」です
「実力」があると、ビジネスの機会を獲得し、仲間を増やすことができます
自分が持っていない才能や資源を持っている相手と共に働き、自分一人ではできないことが可能になります

実力を上げることを目的に勉強し「知識」を積み上げます
ところが「知識」をいく

もっとみる
#1 知識があるのに、結果を出せないのは「型」を知らないことが原因です

#1 知識があるのに、結果を出せないのは「型」を知らないことが原因です

仕事をしていると誰もが悩むことがあります
本番で能力を発揮しきれない
勉強しても実力に繋がらない
いつも損してしまう

一番分かり易いケースは、会議で意見を求められたのにうまく伝えられなかったり、質問されて答え返せなかった時です
頭の中には、良いアイデアや意見があるのに、それを伝えきれません
専門書を読んで勉強し、熟考を重ねたのに、提案をうまくまとめきれないケースや、提案したのに採用されない残念な

もっとみる