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#11 貴方がコミットメントを躊躇するとしたら準備ができてない証拠です

企業で働く人たちが「リーダーシップの有無」を問われる瞬間があります
例えば、昇進、昇格、転職など、マネジャーを選ぶ時や事業責任者を選出する時です
「あなたは、どんなリーダーを目指しますか」と聞かれたら何と答えますか

リーダーシップにはいろいろな形がある

「EQ(心の知能指数)」の提唱者ダニエル・ゴールマンは、リーダーシップを6種類に分類しています
ビジョン型、コーチ型、関係重視型(仲良し型)、民主型(調整型)、ペースセッター型(実行型)、強制型の6つです
企業の中には役割があり、その役割を果たすための手段がリーダーシップであると考えるため、役割に応じて複数のリーダーシップがあるという訳です

リーダーシップの分類は他にもあります。キンバリー・ウィーフリングは、次の3つのタイプを提唱しています
① ロックスターリーダー(スティーブ・ジョブスのようなカリスマリーダー)
② レベル5リーダー(毎日、これがベストかを自分に問い、GoodをGreatに変えるリーダー)
③ サーバントリーダー(メンバーに奉仕し、成功すれば「みんなでやった」と言うリーダー)

これらの理論を勉強して「自分はサーバントリーダーが性格に合っている」「私は人間関係と協調を重んじる民主型リーダーになる」と回答する方がいます
「自分の強みは人の力を引き出すことだ」と言う訳ですが、何か違和感があります
確かに、これらは「リーダーシップの発揮の仕方」を分類していますが、リーダーシップの本質は別のところにあると思うのです

海の向こうに新天地がある

毎日、海を向いて考え込んでいる若者がいました

自分たちの島はどんどん人が増えて、もう一杯だ
水や食料生産も限界があるし、このままだと皆で貧しくなってしまう。新天地を探さないとジリ貧だ
この海を越えて、遥か彼方にあると言う陸へ行けば、新天地が広がるに違いない
島の制約がない、広く大きな土地で自分たちは豊かに暮らせる

でも、彼一人では無理です
船を作るためには、多くの人の協力が必要です
いっしょに乗ってくれる仲間がいないと操船することもできません

そこで仲間作りを始めます
「海を越えれば新天地がある。船を作って航海に出よう」
「今のままでは皆が貧しくなる。新天地で豊かな街を作ろう」

しかし、そう簡単ではありません
「君は、その新天地を見たことがあるのか。空想の産物だ」
「毎日、海を眺めて何もしないやつの言うことは信用できない」
「何日かかるかも、嵐が来るかもしれない航海はごめんだ」
いつか顔を合わすことさえ避けられる存在になりました

それでも、あきらめずに続けているうちに、木こり、漁師とだんだんと人が集まり、ついには小さいながらも船が完成し、皆で乗り込みます

航海の途中で「無理だ。まだ何も見えない。今のうちに引き返そう」、「水が持たない。諦めよう」等、幾多の試練がありましたが、ついに陸に到着します

上陸し、拠点を作り、安全と肥沃な土地であることを確認し、家を作ります
もとの島に行って「大丈夫だ。場所も分かったし安全だ」と村人を次々と呼び寄せます
その結果、集落ができ、街となり、若者は街を拓いた功労者として、長年、発展に貢献することになったのです

この話には、リーダーシップのエッセンス(源泉と能力)が詰め込まれています
次回は、それらが何かを説明します

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