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#13 選任は「競争に打ち勝って獲得する」ものではない、逆算すると準備が変わる

最初に買うものの価値を見る

「この人間をリーダーにすると、どんな価値を当社に加えるか」が役員の視点です
企業の基本は取引です
この人間がコミットする目標の「価値」はどれほどか、それは昇進させる「コスト」に見合うかを判断するのです
当然、価値が大きい目標であるほど選ばれる確率が高くなります
価値ある目標を創造し、その価値を伝える能力が必要である理由です

次に見るのは達成確率です

「目標に価値があるのはわかった。それで実現できるのか」が次の質問です
とは言っても「まだ起こっていない未来」を実現する確率が事前にわかるはずがありません
では、どこで見るのでしょうか

一緒に働きたい人が増えると出世する

昔、「悪女(わる)」というマンガがありました(深見じゅん原作)
落ちこぼれの女性が、超一流商社にコネで入社し、「座敷牢」と揶揄される職場からキャリアを始める話です
ところが、資材管理室の先輩女性社員(実は大物)から、一見どうでも良いような指導を受け、実直に実践するうちに、めきめきと頭角を現します
私が覚えているのは、TVドラマでの主人公のセリフです
「出世と言うのはね。自分と一緒に働きたい人が増えることなんだよ」

自分と働きたい人が増え、さらにその人たちと働きたい人がどんどん増える
その動きは、ピラミッドが下に伸びて、すそ野が広がるイメージです
すそ野が広がると自然とピラミッド頂点が高くなって行きます
それが出世です

コミットメントの実現確率を知るための方法とは

ひとつめが、これまでやってきたことを見ることです
有言実行の人であったかどうかは、これまでの足跡が証明します

そして、もうひとつが360度評価です
前職では昇進を決める時だけでなく、定期的に実施していました
競争関係にある同僚はバイアスがかかるので除きますが、それ以外の人は上下も含めて複数名の意見を集めるのです

「支える人が多い人は約束を実現できる確率が高い」が判断基準です
候補者がどれだけの人的資産を持っているかが360度評価で現れます

逆算で準備を考える

「私はこれを1年以内に達成します。動いてくれる仲間は既に10名います」と言い切ることができれば、「君に任せる」と言ってもらえます
相手にとって価値あるものが何か、何人の仲間が必要かを『逆算』して準備を始めるのです
逆算すると、いつまでに何を準備するか、今日やるべきことは何かが見えてきます

次回は、課題解決のお話です
課題解決と称して、的外れな施策を打ってしまうのはなぜか
その理由を『二軸四象限』で解き明かします

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