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#9「分析が正解を導き出す」は学問の常識ですが、ビジネスは違います

「精緻な分析程、信頼性が高い」
「誰でもが同じ結論に達する」
「分析を見せれば説得できる」
といった常識をひっくり返します

「分析に正解無し」
「意図が結果を選ぶ」
がビジネスです

コンサル史上、最も有名な分析手法とは?

「事業ポートフォリオ」分析です
ボストンコンサルティンググループが開発した手法です
「市場成長率」と「市場シェア」のふたつの軸を使って
自社のビジネスを4つに分類します

「花形」
成長率の高い市場で、高いシェアを持っている事業です。伸びる市場で好位置を確保している伸び盛りなので、「さらに投資をして金のなる木にすべき」事業です

「金の生る木」
成熟市場なので成長率は低いですが、地位を確立している事業です。シェアが高く「お金を稼ぐ」力が大きいため「利益率を上げて投資の原資を作る」ことが役割です

「問題児」
成長率の高い市場にいるのにシェアを取れていないビジネスです。有望だが芽が出ていません。「シェアを増やして花形を目指せるのか、それとも望みがないのか」判断が必要です

「負け犬」
成長率の低い市場で、シェアも低いのに続けている事業です。先の望みが薄いので撤退すべき事業です。費やしている人やお金を他の事業に振り向けるべきです

事業の方向性を極めて分かり易く提示することができます
そこで、仮想の企業データを使って作成してみました

分かり易くて反論のしようがない

9回1 Title

A、B、C、D の4つの事業を市場成長率と市場シェアでプロットしました
円の大きさは売上規模を指しています

導き出される結論は、次の通りです
① A事業は「花形」なので投資をしてさらに上を目指す
② C事業は「金のなる木」だから、コスト低減で利益率を上げてくれ
③ B事業は「問題児」だ。シェア15%を目指して花形を目指して欲しい
④ C事業は「負け犬」だから、即時撤退する

経営会議で、各々の事業の責任者に言い放つ社長の姿が目に浮かびます
一刀両断。この反論の余地もないような明快さが、利害調整や社内政治に悩む経営者や経営企画に受けたことは容易に想像できます

でも、これってイヌの分類と同じだよね

その通りです。頭と性格の善し悪しで全ての犬種を4つに分類して見せたブリーダーさんと同じことをしています
たった2軸で4分類し、各々にラベルを張って比較を簡単にする方法です

この方法は「分かり易さ」と引き換えに「見逃し」を許容します
次回は、何を見逃したかと、それを考慮すると結論が変わることをお見せします

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