見出し画像

#7 アイデアをビジネスにするには、もうひとつの『掛け算』が必要です

イノベーションは掛け算で生まれる

「Walkman=イヤフォンラジオ×カセットプレーヤー」
「iPhone=メモリープレーヤー×携帯電話」
「メルカリ=フリマ×ネット」
「蔦谷=貸本屋×レコード」
「Yahoo=フリーペーパー×WEB」
「テスラ=クルマ×スマホ」
等々、後付けですが、掛け算の効用を見て取れます

成功の陰には、没になったアイデアが山ほどあるはずですが「多産多死」
数多くのアイデアを出すには、掛け算は効率の良い方法です

私が立ち上げにコンサルとして参画したショップでは、
店の半分に「カテゴリー毎の売れ筋トップ10」、
残りに「これからの新商品」を並べましたが、
元になったアイデアは「リアルなWEBサイト」でした

好評で性能も良かったので、多店舗を目指し16店舗まで行きましたが、
今は2店舗(渋谷、上海)です

大きなビジネスにするには、もうひとつの「掛け算」が必要です
そこが弱かったように思います

レバレッジを掛けて大きくする

「レバレッジ」というのは「梃子の原理」を活かすことです
梃子を使えば、小さな力で大きなものを動かすことができます

例えば、フリーペーパーは店主から広告を集めて冊子を作り、
駅で無料で冊子を配るビジネスです
店主は、広告費を払いますがお客が店に来るので元がとれます
冊子の内容はカテゴリー別に編集され、
目立つ広告スペースの価格は高く設定されます

Yahooがやってることは同じです
異なる点は、WEBサイトなので、情報量に制限がないこと、検索によってカテゴリー別の編集を利用者が自分で瞬時にできること
そして、ユーザーが自分のスマホやPCを使うので冊子を作る必要も、配る必要もないことです

伝統的なビジネスに「インターネットの普及とデバイスの進化」と言うレバレッジを掛けたことで、一気にスケールアップしました

「新しい」だけでなく「規模」を求めるには


大昔ですが、地上波放送の普及期、地方に放送局が次々とできる一方で、放送するコンテンツが無いという状況がありました

その時、放送枠に値段を付け、スポンサーから資金を集めて番組を制作するビジネスを創ったのが電通です

膨大な投資による携帯電話の基地局整備は、様々なビジネスにレバレッジを掛けるチャンスを提供しました

ITと関係ないものだと、最近では減少するATMがあります
ATMを撤去した後の小さなスペースは、ジュースバーや唐揚げ店など、新しい業態を生み出しています

「容量と能力があって稼働が低いモノ」、「膨大な投資の元を回収したいモノ」を掛け算の「新しいもの」側に置くと良さそうです
(例えば、EVステーションもそうかもしれません)
さっそくやってみましょう

さて、前回の惑星探査隊が帰還した話ですが、
私は「古き良き日本」と「宇宙探検」の掛け算だと思います
私が子供のころ、田舎の祖父の家は留守の時も鍵を掛けていませんでした
星新一さんは、そんなころを思い出しながら、変わり目を考えたのかもしれません

次回は、コンサルの必殺技『四象限』を使って、ビジネスポートフォリオ分析の話をします

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?