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路地裏で揺らぐ -内在性解離の当事者研究-

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精神的虐待サバイバーであり、内在性解離を持って生きる僕たちを記録するエッセイを集めたマガジン。10人のパーツたちがそのときどきで思ったこと、考えたことをまとめている。
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#育児

子供は天使なんかじゃない。

子供は天使なんかじゃない。

以前、母が僕たちの幼少期を回想する時、こんな言い方をした。

「まだ(主の本名)がかわいいかわいい天使ちゃんだったころ」

この言葉はきっと、「子どもが純粋でかわいかった頃」のような意味だと思う。
子どもの無邪気さは、成長に伴いある程度失われていくことが多いから。

だが僕は、ここではっきりと書いておく。

僕にそんな時期はなかった。

子どもも人間だ。これまで生きてきた過去世がある。
そして子ど

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引き金はなくならない【僕とパーツの人生紀行】

引き金はなくならない【僕とパーツの人生紀行】

僕の趣味図書館で、子育ての本を借りてきた。

僕は子育て系の本を読むのが好きだ。

これは「より良い過去の可能性」を探求したいがために生まれた好みなのかもしれない。

「もしも、違う育てられ方をしていたら」

「もしも、より良い対応の仕方があったのなら」

本を通して、(主の、ではなく概念的な)親の目線で子育てを知ることで、やり直せない過去の記憶と折り合いをつけようとしたのが始まりだったのかも。

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直(パニック少年)と僕【パーツと僕の人生紀行】

直(パニック少年)と僕【パーツと僕の人生紀行】

数いるパーツたちの中に、主が「パニック少年」と名付けたパーツがいる。

彼はいわゆる「インナーチャイルド」と呼ばれる心の部分とも共通項を持っているのではないか、と思われるパーツだ。

子ども心を持っていて、トラウマの影響を抱えた子どもであり、今でもおもちゃと遊びが大好きである。

今日はこの「パニック少年」について語ってみたい。

これは僕も最近発見したことなのだが、僕は「パニック少年」の支援者・

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育児本を読める時/読めない時【僕とパーツの人生紀行】

育児本を読める時/読めない時【僕とパーツの人生紀行】

僕は育児・医療支援系の本を読むのが好きだ。

パーツたちの中に5歳の子たちがいるので、彼らと接する時の参考になればと思って知識を増やしている。

少し前まではパーツの概念がなかったので、主自身がそれらの本が好きだと思っていた。(その見方も間違いではない)

……が、主ひとりが育児本が好きだという認識では説明できない問題も起きていた。

読める時と読めない時があるのだ。

主が本を読める時読める時と

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