見出し画像

引き金はなくならない【僕とパーツの人生紀行】

僕の趣味

図書館で、子育ての本を借りてきた。

僕は子育て系の本を読むのが好きだ。

これは「より良い過去の可能性」を探求したいがために生まれた好みなのかもしれない。

「もしも、違う育てられ方をしていたら」

「もしも、より良い対応の仕方があったのなら」

本を通して、(主の、ではなく概念的な)親の目線で子育てを知ることで、やり直せない過去の記憶と折り合いをつけようとしたのが始まりだったのかも。

子育て本を読むことは、今ではすっかり僕の趣味の一部だ。

とはいえ虐待の連鎖を恐れて、主が自分の子どもを育てることはないかもしれないけど。趣味だから、実用が伴っていなくても構わないだろう。

「引き金」を引かれずに本を読みたい

一方で、上のような理由があるから、趣味に取り組む僕は身構えてしまう。

幼少期の話題は「パニック少年」にとっての引き金だからだ。

トラウマ的な出来事を思い出し、体感が当時に戻ってしまうということ。

「あれ」から何度引越しをしていようが、何年経っていようが関係ない。

記憶が僕たちを引き戻す。

そして再体験する。何度も何度も。

それでも僕は「過去の可能性」の探求をやめられない。

だから折り合いをつける方法を見つけるか、引き金を引かれることを受け容れなければならなかった。


折り合いをつける方法を見つけた。

よく言及している「本」のおかげだ。

(参考までに以下にリンクを貼っておく)

「引き金を引かれる」という表現はこの本に出てきたもので、とても的確だと思った。

発射された弾丸が銃口に戻ることがないように、フラッシュバックしたトラウマには一時停止ボタンがないからだ。

この本は「最悪の瞬間」を再生し続けるテレビから、目を背けて落ち着く方法を教えてくれた。

おかげで僕たちは主に存在を認知され、容認され、「パニック少年」は落ち着かせてもらうことができるようになった。

この「本」で得た知識が身についてきたから、そろそろ育児本を読むのを再開しても大丈夫だと思ったのだ。

ここ最近、フラッシュバックがひどいからお休みしていたのだけれど。

それで読んでみた。

読むことを試みた結果

序盤は順調だった。

僕は「パニック少年」とブレンド化することもなく、単に新しい知識と視点を得るという当初の目的通りに読み進めていった。

問題が起き始めたのはおもちゃの話題が出た辺りだ。

息苦しい。

これまでにもいろんな本を読んで対処法を模索してきた。中には呼吸法の本もあった。

その時得た知識をもとに、深く吐いて、深く吸おうとしてみる。

(思えばそういう「過去に得た知識」を記憶しておいてアクセスできることも、僕たちがほどよい繋がりを持てていることの証といえる。)

収まらない。

胸の内側――としか言えない、芯の部分みたいなところが緊張し続けている。

どうやって解けば良いのか分からない。

考えすぎると焦って過呼吸みたいになってしまうと思ったので、「とりあえず、多少の息は吸えている」とできている部分にフォーカスすることにして、落ち着くのを待ってみた。

ちなみに本の内容は面白いので、この間も僕は本を読み進めている。

暗い記憶を思い出したパニック少年には、都度話しかけて落ち着いていることを確認している。

それなのに、息苦しさだけが解けない。

結局、最近始めたヨガのことを思い出し、肩や背中をリラックスさせるストレッチをいくつかやって事なきを得た。息苦しくて寝られないところだった。

肉体はトラウマを記憶する

改めて理解したことがある。

肉体はトラウマを記憶する。

パーツたちが落ち着けるか、「ブレンド化」せず落ち着いた態度を保てるかどうかの話ではない。

それこそ「引き金が引かれ」てしまったら、身体反応を止めることはできないのだ。

ちなみに、どんぴしゃり『身体はトラウマを記録する』という本があり、これは『トラウマによる解離からの回復』中にも引用されている。

こういう本が出るくらいだから、本当に、体は覚えているものなのだろう。

だからこそフラッシュバックするし、人によってはパニック発作や、その他の不調が表れたりもする。


今回は「比較的」ブレンド化が起きなかっただけで、圧倒された時も少しはあった。

また身体反応が出ると思わなかったので慌ててしまい、とっさには対処が思いつけなかったことも僕の記憶にとどめておきたい。

主は「非ブレンド化」を会得して対話が可能になれば万事解決と思っていたようだが、今度僕たちは身体のリラクゼーション法でも学んだ方が良さそうだ。

とはいえ、ネガティブになっているわけではない。むしろポジティブ。

対処法が分かるなんて、ただただ圧倒されていることの何十倍も気楽なことだ。

僕たちがそう思えることも、きっと進歩のひとつ。

読んでくださりありがとうございます。良い記事だな、役に立ったなと思ったら、ぜひサポートしていただけると喜びます。 いただいたサポートは書き続けていくための軍資金等として大切に使わせていただきます。