言葉を通して世界を見るとはどういうことか【多和田葉子「地球にちりばめられて」】
言葉を深く思考する
北越出身だというHirukoは、北欧圏に留学している最中に祖国が「消滅」してしまい帰れなくなった。
ビザの関係で北欧諸国を移動しながら暮らす彼女は、スカンジナビア圏で通じる独自の言葉「パンスカ」を話す。
言語学を研究する学生のクヌートは、パンスカに魅せられてHirukoと旅路を共にする。視点主を変えながら展開されていく物語の中で、特にHirukoとクヌート視点の時に根底に流れる「言語」というフィルターは、ふたりの価値観の近さと人間の発明品の不可思議さを