直(パニック少年)と僕【パーツと僕の人生紀行】
数いるパーツたちの中に、主が「パニック少年」と名付けたパーツがいる。
彼はいわゆる「インナーチャイルド」と呼ばれる心の部分とも共通項を持っているのではないか、と思われるパーツだ。
子ども心を持っていて、トラウマの影響を抱えた子どもであり、今でもおもちゃと遊びが大好きである。
今日はこの「パニック少年」について語ってみたい。
これは僕も最近発見したことなのだが、僕は「パニック少年」の支援者・保育者的立場にある。
僕は育児・発達支援系の本を読むのが好きで、自分の中に支援の手立てやアイデア、接し方の知識を蓄積しているところだ。
主自身は診断を受けたことはないが、「パニック少年」は発達障害やHSPに該当しそうな特性をいくつか持っていて、時々それに圧倒されてしまうことがある。
例えば、
・人がたくさんいると落ち着かなくなり、深い思考ができなくなる
・大きな音にびっくりして、圧倒されてしまう
・気持ちの言語化が苦手で、自分が今どんな気持ちかが分からない
・パーツたちの中で特に大きな感覚過敏がある
・疲れやすい
・新しい物事の見通しが立たないと過度な不安に襲われる
・ひとつのことに集中できず、作業にいつもの2~3倍の時間がかかる
・話そうとすると喉が詰まる
・時間を守れない(出発時間に準備をはじめる)
・物事を順序立てて行うのが苦手(朝の身支度など)
などなど。
それからトラウマの影響を受けたのも彼なので、彼の反射的反応にはトラウマの影響が色濃い。
例えば、
・声の大きい男性が苦手(周りにいると両肩がこわばって「凍りつき」反応が出る)
・感情をあらわにする女性が苦手
・鮮烈なフラッシュバック
・食事の時間が近づくと緊張してしまう
・おやつをたくさん食べてしまう(満腹ならご飯を食べなくていいから)
などなど。
主が「パニック少年」と「ブレンド化」し、彼に同調してしまうと、拒食症めいてご飯が食べられなくなり、身体感覚が希薄になる。
「パニック少年」は5歳なので、肉体的な体だけが不格好に大きくなったような感じになり、体を縮こまらせていることが多い。
ちなみに「パニック少年」は車の運転方法を知らないので、彼と瞬間的に「ブレンド化」すると、主は一瞬、車の操作方法を忘れることがある。
危険なことは瞬時に理解できるので、慌てて「日常を送る自己」が戻ってくるが、それは解離をより身近に感じる瞬間のひとつだ。
僕と主が育児本を読むようになったのは、無意識のうちに、この「パニック少年」のパーツと折り合いをつけて生きるすべを見つけようとしていたからかもしれない。
育児本で子どもとの接し方を、発達支援系の本で特性に合った対処のヒントや「絵カード」の存在を知り、「パニック少年」はかなり落ち着いて過ごせるようになった。
↓参考までに
https://noelkozukiarinomama.com/2021/06/16/emotion-jp-3/
さらに、パーツたちの存在に気づくきっかけになった『トラウマによる解離からの回復』がよりポジティブな方向に働き、「パニック少年」がフラッシュバックに悩まされる頻度は激減した。
つまり、主としても生きやすい時間が増えたということだ。
すると、「パニック少年」の新しい一面も見えてきた。
「パニック少年」はひときわ感受性が豊かで、芸術的なことに深く感動できる。
映画、音楽、絵画、もちろん小説など、芸術的なことが大好きだ。
特性との付き合い方が不透明だと、ただただ「困った」と思いがちだけれど、だからといって「パニック少年」が問題児というわけではなかったのだ。
彼は僕らの誰よりも深いところから感動し、作品に共感してじっくり味わうことができる。
それは僕たちの暮らしにもうるおいを与えてくれるものなのだ。
※2021年11月追記
これまで単に「パニック少年」と呼んできたパーツにも名前が生まれ始めた。
彼は「直」(なお)だ。
僕とよく一緒にいるからか、名前が1文字しか違わない。微笑ましいと思う。
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