マガジンのカバー画像

iszkの書評

4
書評集めました
運営しているクリエイター

記事一覧

【書評】幼児教育の経済学(ジェームズ・ヘックマン・2015)

2000年にノーベル経済学賞を受賞した知の巨人、ジェームズ・ヘックマン氏の著書の訳本。

AI時代到来の期待と不安、2020年の教育改革などを背景に、現在「非認知能力」がブームと言えるほどの関心を集めています。その源流がヘックマンです。

これからの教育に携わる人、ましてや「非認知能力」を語る人は読んでおいて当然の本でしょう。

全三章で構成され、

第一章は未就学期への教育効果が非常に高いという

もっとみる

【書評】AI vs. 教科書が読めない子どもたち(新井紀子・2018)

読む価値のある本です。でも鵜呑みにするのはまずい本だと感じました。

ちゃんとした学者さんが書いた本で、ベストセラー本にしては難しいです。簡単な本ばかり読んでいる人にはハードルが高いかもしれません。ただ、知識・教養を高めるために読書をするならば、せめてこのくらいの本は読めたほうがいいと思います。

著者は「東ロボくん」の名で知られる人工知能プロジェクト「ロボットは東大に入れるか」のプロジェクトディ

もっとみる

【書評】地方創生大全(木下斉・2016)

良い事例、悪い事例を紹介しながら、地方創生を進める上でやるべきこと、やってはいけないことを論じている。

主張を私なりに噛み砕くと、

地方創生は市場原理の中で生き残れる"ビジネス"として取り組むことが大前提。行政からの補助金などの税金を頼りにする地方創生は、カネを得られるメリットよりもビジネスを歪めるデメリットのほうが遥かに大きいため軒並み失敗してしまう。

ということかと。

総論は全くもって

もっとみる

【書評】稼ぐが全て(葦原一正・2018)

良書です。

FIBA(国際バスケットボール連盟)による日本代表チームの国際大会出場停止処分という大きな危機を契機とし、それまで二分されていた日本バスケトップリーグを新リーグ設立によって統合したのみならず、日本バスケ発展の起爆剤となったB.LEAGUE。

B.LEAGUE事務局長として、約1年というあり得ない短さの準備期間を超スピードで駆け抜けて新リーグ設立にこぎつけた著者が、その舞台裏とこれか

もっとみる