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ファンと学校の話

 一色の従姉妹はとあるネットアイドルのファンである。
 推しは一番年上で一色よりも上のおじさん。おじさんが二十歳くらいのメンバーと踊るのだ。それだけで感心する。

 従姉妹はコンビニがグッズを出すと遠くのコンビニまで出かけてしまう。そしてコンビニの前でファン同士で連絡先を交換し、友達になってしまう。

 従姉妹のコミュニケーション能力の高さは中学校へは向かなかった。学校に行けない時期もあったらしい。叔父によると従姉妹は自分より程度の低い人間といるのが嫌だった。そう叔父に言ったのか、はたまた従姉妹の様子を見た叔父がそういう解釈をしたのか。

「そういうとこやと思う」

 授業中に立ち歩いている生徒がいる。ふざけて授業を妨害し、大声も出してしまう。一色は特性のある子どもの存在は認めたいが、迷惑は迷惑であると思う人間だ。

 でもお兄ちゃんとしては程度の低いと自分が評価したことが絶対だと思って欲しくない。切に。

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