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【culture】

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世の中、できごと、流行などなど、その時々に。
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Play fashion! : 「福田屋」は、水戸の文化そのものだった 【column】

Play fashion! : 「福田屋」は、水戸の文化そのものだった 【column】

「福田屋が水戸の文化だった」と言われても、ほとんどの人がそもそも福田屋が何者なのかは分からないだろう。
福田屋は茨城県水戸市発祥の洋服店であり、今や多くのブランドを擁するアパレル製造小売企業となった現在の「アダストリア」の旧社名だ。
地元・水戸でも福田屋の名を覚えているのはおそらく50代なかば以上の世代だと思うが、何かとメディアでイジりの対象になる北関東の街が(今では考えられないのが残念ではあるが

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MEN'S CLUB休刊 〜 男のファッションメディアはどこに行く

MEN'S CLUB休刊 〜 男のファッションメディアはどこに行く

長い歴史ある男性ファッション誌「MEN'S CLUB」が定期刊行を終了し、これからは不定期刊行になることが発表された。実質的な休刊だ。
時代の変化と言ってしまえばそれまでだが、かつて読者であり、また誌面に登場したこともある者として寂しさを感じる。

紙媒体に限らず、いま元気がいいのは女性ファッションメディアだ。X(Twitter)のタイムラインを眺めれば、利用者の嗜好にもよるが女性ファッションメデ

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La Festa Mille Miglia 2024【diary】

La Festa Mille Miglia 2024【diary】

わが街・水戸はかすめるように通過するだけゆえに当地での注目度は高くはないクラシックカーラリーだが、誰も応援しないんじゃあまりにも寂しいじゃないかと、ルート上(ホントに上)から出場各車にエールを送ってきた。

クルマの恩恵を享受している地域、正確に言えば「クルマが無ければ暮らしが成り立たない地域」だと思うが、それゆえに空気や水のように関心が薄く、また一部の人士からは(郊外に人を運ぶ)市街地空洞化の元

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完走、ウルトラマンブレーザー【感想】

完走、ウルトラマンブレーザー【感想】

「ウルトラマン」は幼少期から親しんできたが、テレビ作品としては基本的にその時代の子供たちのものだと思っている。
だが60年近いシリーズの歴史ゆえに視聴者だった子が成長して企画者・制作者ともなると、かつて自分が作品から受け取ったメッセージを投影したくもなる。子供ではない視聴者もまた然り。今のウルトラマンを作っている会ったことはない大きなお友達の意図を読みたくなるのである。

それを強く思ったのが先ご

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クジ運わるいが公募は強い 〜「重版出来!」完結記念【diary】

クジ運わるいが公募は強い 〜「重版出来!」完結記念【diary】

今夏まで月刊!スピリッツで連載されていた「重版出来!」(松田奈緒子 作)の完結記念キャンペーンでのSNS投稿が入選し、連載終了後の秋に複製原画をいただいた。

ほとんどの人が賞品を持ち帰るようなビンゴ大会でも手ブラで帰ってくるほどクジ運のない私だが、「選ぶ側のココロを揺さぶることが求められる」ような公募案件には強いようだ。
東映が主催した「仮面ライダー50周年」キャンペーンでは応募した2回とも入選

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プレリュードは若者のために【car】

プレリュードは若者のために【car】

ホンダがジャパンモビリティーショー2023で「プレリュード」の復活を宣言した。
プレリュードといえば、我らアラカン世代には言わずと知れたデートカー。初代の登場は1978年だが、人気に火をつけたのは1982年モデルチェンジの二代めだろう。しかし、懇意にしていたCMディレクター自慢の愛車だったが、正直オンナノコ受けはイマイチだったように記憶している。まあ、プレリュードではなく本人のモンダイだったかもし

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【enta】小説版VIVANTを読む

【enta】小説版VIVANTを読む

今夏エンタテインメント分野で話題を独占した感のあるTBSドラマ「VIVANT」。オンエアはひと月ほど前に終了したが、ようやく下巻を読んだ。

もちろんドラマでストーリーは明らかになっているし、シナリオを原作としてトレースされたノベライズであるから展開が異なることもない。一部ドラマにはなかった表現も含まれてはいたが。

従って「驚き」というものはない。ドラマの展開を文章として落とし込んだのだから、当

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【enta】日曜劇場 VIVANTを「読む」

【enta】日曜劇場 VIVANTを「読む」

TBSの2023年夏ドラマ「VIVANT (ヴィヴァン)」を読み尽くした。
もちろんノベライズ版を読んだ、ということではない。キャスト以外を伏せてスタートした物語の展開を読むのを楽しませてもらったということだ。

本作はSNS(X =旧Twitter)での「考察」も話題になったが、大多数は平たく言うと謎ときだろう。
誰某が実は裏切り者という登場人物の背景の「想像」で、考察よりは「ちょっと手前」かな

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帰ってきたウルトラマン主題歌「テイチクカバー盤」の謎 【enta】

帰ってきたウルトラマン主題歌「テイチクカバー盤」の謎 【enta】

「帰ってきたウルトラマン」は昭和46年4月から1年間放映され、第二次特撮・怪獣ブームを牽引したテレビドラマでした。
主演の故 団時朗(当時は次郎)さんが唄うテーマソングは、テレビに「ウルトラマンが帰ってきた」という映像文化史の明るい話題を象徴する伸びやかさに今でも感動します。

団さんは同作出演前に歌手として日本コロムビアからレコードを出していたことから、オリジナル盤はコロムビアからリリースされま

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『黒歴史は「黒」じゃない〜Connecting The Dots〜』

『黒歴史は「黒」じゃない〜Connecting The Dots〜』

さて、しばらくnoteではヘビーな記事が続いたこともあり、ライトに楽しい方向に振りたいと考えていました。
そこに、豪速球なリクエストを投げ込んできたのが

ツリーをさかのぼっていただければ分かりますが、ざっくり言うと

「世間に向けて情報発信していくことになった原点は、お互い漫画を書くことだったんじゃない?」

ということになってのリクエストに至ったと。しかもタイトル指定w これは乗らないワケには

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(他人事ではない)ある主婦ライターの悲劇

(他人事ではない)ある主婦ライターの悲劇

noteにも密接する「Webライターの世界」をクールに見つめる(?)シリーズも区切りをつけようと思っていたところに、一つのトピックが浮き上がった。
Twitterに上げられたとたんに、Webライターたちが我も我もと意見を投じたのが下記の記事だ。

記事に登場する承認欲求にとらわれたとしか思えない「名ばかりフリーライター」となった主婦に、厳しい意見が並んだのは言うまでもない。だが、そんな名ばかりフリ

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「Webディレクター」とは何ぞ? from Twitter

「Webディレクター」とは何ぞ? from Twitter

近くて遠い、Webライティング界の実相解明。なんだか「ルポライター」(刑事ドラマに出てきそうなヤサグレた)みたいになってきたような。

今回は「Webディレクター」。
これまたTwitterにはIT企業でサイトの構築や運営にたずさわる人が多いのかと思っていたら、

Webライターで、何人かのライターをとりまとめるポジションの人

のことを指すようです。それに対する私見を書き連ねたのが下記のツイート

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解明近いか 「Webライター」界 from Twitter

解明近いか 「Webライター」界 from Twitter

ついこの前まで、(一部執筆依頼も受ける自分も含めて) 「ライター」という仕事を一つの職業カテゴリーと思っていました。
しかし、noteにチョイと力を入れるとトップページに大量に現れる「Webライター」との文字があります。

これは何ぞやと昨年はWebライターが仕事さがしをするという「クラウドソーシング」も体験してみたり。(文末記事リンクあり)

noteを利用しているWebライターの多くがTwit

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スポーツとは娯楽であり、運動は誤訳である。

スポーツとは娯楽であり、運動は誤訳である。

「スポーツ」と聞いて、何を思い浮かべるだろうか。おそらくはサッカーや野球、あるいは陸上や水泳といった「競技」のはずだ。

間違いではない。それは間違いなくスポーツだ。だが本来の英語のスポーツ (sport)のニュアンスは日本語以上に広範囲だ。

メンズファッションに詳しい方ならご存知かと思う。たとえば(幅広い世代に伝わりやすく言うと)「紺ブレ」。
これは英語圏では「sport jacket」に分類

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