救いがたいロマンチスト

救いがたいロマンチスト

記事一覧

固定された記事

自己紹介

はじめまして。 自分の中にあるものを全て送り出してあげたいと思って、noteをはじめます。 20代、個人事業主。 退学して、気がついたら某レコード喫茶店のフリーター、そ…

螢
1年前
54

夢日記

人生ではじめて夢日記をつけた。 夢日記をつけるのはとても危険だ、と誰かが言っていたけど、なんとなく。せっかくだから個人名は伏せて、ここに載せようと思います。 6/5…

螢
3日前
1

眠れない夜に

わけもなく泣いて毛布にうずくまる。 なんとなくヴェルヴェット・アンダーグラウンドをかけてみる。数年ぶりに。 寝静まる夜にチェレスタが響きだす。いろんな記憶にそそ…

螢
2週間前
2

日記、左耳のピアス

左耳だけピアスをあけた。 25歳という節目に、自分への一種の誓い、あるいは呪いみたいに。 いままであけたことなかったし、今後もあけるつもりなかったんだけど、左だけ…

螢
1か月前
13

paper shoot

螢
1か月前
9

2024 冬、函館

仕事が落ち着いて、お休みをもらった。 ひとりでおばあちゃんの住む函館へ行った。2018年以来。 paper shootっていう台湾のトイカメラを持って行ったから、その写真を載せ…

螢
1か月前
17

ブルーベリーマフィン

村上春樹の『街とその不確かな壁』を読んだ。毎晩、毎晩。読むつもりなかったのに 自分が主人公だと思いたくて、何度も影があるかを確認した。いつもそこにある。その度に…

螢
7か月前
12

2018 秋、函館

休学してしばらく函館の祖母の家で暮らした時のこと。 ・食べたもの かぼちゃのポタージュ、塩サバのトマト煮、春巻き、白菜の味噌汁、さつまいものバター煮。しゃぶしゃぶ…

螢
1年前
22

むかし話、突然学校へ行かなくなった朝。 それまでわたしは、それなりに順調に大学へ通ってきた。 けれどほんとうは、今思えば、一種のあきらめ、倦怠が絶えず心の中にあ…

螢
1年前
19

自己紹介

はじめまして。
自分の中にあるものを全て送り出してあげたいと思って、noteをはじめます。

20代、個人事業主。
退学して、気がついたら某レコード喫茶店のフリーター、それから成り行きみたいに、宿命をたどっていくみたいにするすると今の仕事に就いた。天職とはこのことだと思う。

螢は本名ではないけれど、両親が今の本当の名前と迷っていた名前。わたしはこの名前を愛してる。もうひとつの自分。

わたしは日

もっとみる

夢日記

人生ではじめて夢日記をつけた。
夢日記をつけるのはとても危険だ、と誰かが言っていたけど、なんとなく。せっかくだから個人名は伏せて、ここに載せようと思います。

6/5
ガダラという虫。大井町のアパートの玄関、無造作に積まれた洗濯機の上についていた。
理数の先生、その学生のわたしたちだけが入れる5階の図書室、親友とエスカレーターでゆく。Oさんにビルエヴァンスのレコードを貸す。

6/6
白湯をのむた

もっとみる

眠れない夜に

わけもなく泣いて毛布にうずくまる。
なんとなくヴェルヴェット・アンダーグラウンドをかけてみる。数年ぶりに。

寝静まる夜にチェレスタが響きだす。いろんな記憶にそそのかされる。

アレルギーとわかっていながら食べる果物はほんとに美味しい。たべてから息が苦しい。わたしはもう歌えないんじゃないかというくらい、苦しい。

眠らない深夜にお水を飲みながら、ぽつりぽつりとおとうとが言う。

『ぼくは自動的に動

もっとみる

日記、左耳のピアス

左耳だけピアスをあけた。
25歳という節目に、自分への一種の誓い、あるいは呪いみたいに。

いままであけたことなかったし、今後もあけるつもりなかったんだけど、左だけピアスがあいている好きなひとがいるから、真似してあけた。そんなの、大告白すぎる。

むかし母に、もしあけるなら病院であけなさいと言われたのを守って、わたしは病院へあけにいった。片耳だけあけるねと言ったらめちゃくちゃ怒られたけど。

カウ

もっとみる
2024 冬、函館

2024 冬、函館

仕事が落ち着いて、お休みをもらった。
ひとりでおばあちゃんの住む函館へ行った。2018年以来。
paper shootっていう台湾のトイカメラを持って行ったから、その写真を載せるね。

おばあちゃんの家は、神聖な場所。すみずみまで清潔な空気。なにかの力でいつも守られている。神様に見守られている気持ちになる。わたしはクリスチャンではないけれど、なにかを感じずにはいられない。こころ休まる場所。でも、こ

もっとみる

ブルーベリーマフィン

村上春樹の『街とその不確かな壁』を読んだ。毎晩、毎晩。読むつもりなかったのに

自分が主人公だと思いたくて、何度も影があるかを確認した。いつもそこにある。その度にやるせない気持ちになった。
それがものすごく悲しいわけじゃないけど。

わたしは、そのいわゆる特別な資格を持った人間だと思いたかった。というか思わないとやり過ごせないような苦しいことが、毎日たくさんわたしの街には降りそそぐ。夜眠るとイエロ

もっとみる
2018 秋、函館

2018 秋、函館

休学してしばらく函館の祖母の家で暮らした時のこと。
・食べたもの
かぼちゃのポタージュ、塩サバのトマト煮、春巻き、白菜の味噌汁、さつまいものバター煮。しゃぶしゃぶ。チャイニーズチキンバーガー、五島軒のカレー、たらこ、牧場ソフト。

・したこと
ご近所さんに煮物をもらいに行く。牧場へいく。散歩。お肉屋さんでお肉を買う。パン屋さんでパンを買う。遊覧船に乗る。日曜は教会へいってお祈りをする。トラコメ遊び

もっとみる
春

むかし話、突然学校へ行かなくなった朝。

それまでわたしは、それなりに順調に大学へ通ってきた。
けれどほんとうは、今思えば、一種のあきらめ、倦怠が絶えず心の中にあったに違いない。
世の中の20歳前後が思い悩む、普通ってなんだろうという気持ちに私も取り憑かれてしまって、毎日考えながら電車にゆられていた。

日ざしの強い5月のある朝、ベッドの上で私は突然、たまらなく孤独な気持ちになった。私は何時間も起

もっとみる