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リカの面影

持て余していた時間に思い出すだけのつもりだった過去、巻きもどすことができないと理解しても募り募ってくるあの子

あのとき好きだった子の名前はリカ、リカとリニアモーターカーの夢なども見た、どんな夢でも栄光のリアリズムだった

様々に満ちていた栄光は未だ実現していない、まざまざと見ていた記憶は脳裏に沈めるしかない、栄光なんか、エゴじゃないか

栄光よりも重要だと思われるあの恋、映画館横の渋滞を眺められるあの公園、秋のなかにいたと思う、はっきりさせるべくたどる



「ふりむくな後ろには夢がない」とかいう決め台詞、口だけで読了の甲斐もなかったやつのセンス、試されていた、騙されるものか

確かあれは一一月末、誕生石ならばトパーズ、甘い水、狭い道、抱擁のLOVERS 高揚する音楽、高まって、高鳴っていた

遠い人のアルカイックスマイル、恋人のはるか昔はリカの佇まい、限りない面影、飽き足らぬ思い出、秋はまたくる、季節めくるめく

想像を埋め尽くす残像にさよならが重なる、喪失を受け入れて世界の果てに従う、過去と未来に挟まれたこの御身、ことほぐのみ


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