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七屋 糸
2019年12月26日 16:27
クリスマスをテーマにした短編小説です。2〜3分程度で読めます。以下本編です。✳︎ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー朝起きると、ベッドサイドに見覚えのある箱が置かれていた。サンタクロースかな、と考えて自分の歳を思い出す。私は29歳。サンタさんはとっくに卒業したはずだ。黒いベルベット張りで重厚感のある小箱。光り物が入っているかは明らかだった。私はベッドから起きだし、軽く体
2019年12月17日 16:34
前編はこちらから。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーごめん、前置きが長くなったね。三年生になった春、私は学年が一つ上がったくらいで何も変わらないって思ってたんだけど、一つだけ変わったの。それまで部活の顧問だった先生が産休に入って、別の先生に変わった。前の先生はみんなから「ひろこちゃん」なんて呼ばれてるようなゆるーい人で、部活も対して熱心にやってなかった。まだ若いから押し付けられて
2019年12月16日 17:13
自分で言うのもなんだけどさ、昔は分かりやすく優等生だったんだ。勉強は割とできたし、先生に反抗とかしなかったし、スカートも怒られないくらいの長さにしてたし。部活でもそこそこ活躍してたしね。あの頃の私は流されるままにいい子ちゃんしてて、今で言う「悟り世代」の先駆けみたいな感じだったわけ。大人の言うことには下手に逆らわない、常識はそれなりにってね。まぁ何事も無難にやる器用さもあったから。友達