マガジンのカバー画像

本の感想・書評

7
本の感想・書評の記事まとめです
運営しているクリエイター

#ネタバレ

ひきこもりがニーチェの「超人」を目指すエッセイ 滝本竜彦「超人計画」感想

ひきこもりがニーチェの「超人」を目指すエッセイ 滝本竜彦「超人計画」感想



「超人計画」というタイトルの意味「超人計画」は、「NHKにようこそ!」の著者である滝本竜彦が書いたエッセイである。

著者は執筆時に新人作家で、2年もの間、小説が書けずに困っているところ、このエッセイの依頼が来たらしい。

このタイトルにある「超人」とは、哲学者ニーチェの言う「超人」のことだ。

ひきこもりの著者は、「超人」になりさえすれば、すべてが好転すると考える。
そして、「ツァラトゥスト

もっとみる
「純(百年文庫96)」感想

「純(百年文庫96)」感想

3つの短編普段は、本を読み終わったら、twitterに感想をつぶやいている。

ひさたか@読書垢(@hisataka0)さん / X (twitter.com)

けれど、今回は絶版してる本なので、わざわざ不特定多数の人の目に留まるTwitterで書くのもどうかと思い、noteに書くことにした。

載っている短編は、武者小路実篤「馬鹿一」、高村光太郎「山の雪」、宇野千代「八重山の雪」の3つ。

もっとみる
監視社会(ディストピア)を描くSF小説 ジョージ・オーウェル「1984年」感想・書評

監視社会(ディストピア)を描くSF小説 ジョージ・オーウェル「1984年」感想・書評

ジョージ・オーウェル最期の著作「1984年」は、「動物農場」で成功を収めたジョージ・オーウェル氏の最後の著作である。

巻末の解説によれば、「1984年」は、作者自身が失敗作になることを予見しながらも書かれたものであるらしい。

個人的な感想「1984年」は三部構成になっている。一部はSFとして楽しめるので、ここまではだれでも楽しめるだろう。二部もそれなりに良く、恋愛的な要素が絡んでくるので、SF

もっとみる