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ヤソちゃんの朦朧日記

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異界と現界の淡いに生きております。
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#笑い

2020年 4月13日「町と自動販売機の話」

昨日の夜中。もしくは今日の朝方。
日清カップヌードル シーフードのスープを飲みながら思った。

〈腹が減った〉

こうなってはいつもの如く、コンビニで何か買うか。

しかし、私にはもう一つ選択肢がある。

クリーニング屋に赴く、という選択である。

わたしはイヤフォンをはめ、財布を携えて家を出た。

焼きおにぎり、焼きそば、ハンバーガー、チーズハムサンド、たこ焼き。

耳の中では「君は天然色」がい

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2020年 4月9日「追いかけて来るスーツの話」



ここのところ、よく追いかけられる。

というのも、会社の帰り道に自転車を漕いで帰宅するわけなのだが、その道すがら後ろからダッシュで追いかけて来る奴がいるのだ。
ここ3ヶ月で4度程、だ。

わたしが会社から帰宅する頃にはもう真っ暗で、街灯もしっかりと灯っている。
大したことをしていなくとも、毎日毎日仕事をしていると、帰途はボーッとしてしまうものだ。

そんな具合で、その日もボンヤリとチャリンコを

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2020年 4月8日「本棚と上のアレの話」

部屋にはわたしの背丈より20センチ程高い本棚が3つある。
左から文庫本用、大判コミック用、文芸書・小判コミック用の3つだ。
そこに入りきらない本はオレンジのカゴでベンチを温めている。

その本棚の天板の上には広辞苑や特装版のゴツい本、映画のパンフなどが並んでいる。
しかし、その天板の上に1つ場違いなものがいつまでものさばっている。
オナホールだ。エッグ型のやつ。

この逸品はわたしの誕生日だかなん

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2020年 4月7日「蠱毒と肩書きの話」



うちのマンションの一階。
マンションの入り口にほど近いところの一室。
その部屋の前には泥だらけの子供用の赤いスニーカーと虫籠がいつも置かれている。

数週間前から虫籠の中を窺っている。
バッタが多い。
しかし数日空けてみるとそいつらはもうピクリとも動かなくなっていた。

そしてまた数日空けて見るとカマキリやクモがぶち込まれている。蠱毒なのか。
共食いを起こしているところも何度か見かけた。

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2020年 4月6日「水浸しになる話」

部屋が水浸しになる夢を見た。
水槽もかくやといった感じ。

不意に目が覚めても、
部屋はいつものまんま。

でもトイレに行く道すがら洗濯機に送水する蛇口が開きっぱなしで、少し水が垂れていた。
これか、と思って蛇口を締める。

出社までまだまだ時間があったので、もう一眠りした。

頃合いでスーツに着替えておろしたての靴下を履いた。清々しい。

玄関で靴を履こうとしたら、足が冷たかった。
玄関にでか

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2020年 4月5日「SMプレイの話」



SMプレイについて考えた。
叩いたり叩かれたりするアレだ。

多分読んでいた漫画のせいだ。

どちらが立場が上か。

パッと答えを出すならS。
なぜなら与える側だから。
Mはあくまで受け取る側だから、立場は下と考えられる。

すこし考える。

SMが発生するには両者の合意が必須だ。
どちらかだけが求めるならばそれはもうプレイとして成立しない。

Sとは与えるものだ。
しかし一方的にではないこ

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2020年 4月4日「手を振る翁の話」

朝方、一度寝床から這い出て本を読んだが眠かった。
数ページめくる内に瞼があまりにも重いのでまた布団に潜った。

短いねむりだったけれど、夢を見た。

特に何もない自然な空間の向こうの方で見知らぬ老人が手を振っている。
本当にそれだけの夢。気味が悪いだとか、そんなことはない。

かれこれ10年くらいの間たまに見る夢だけど、意味はあるのだろうか。

2020年 4月3日「徳の足りない話」

同じ音楽を何度も何度も繰り返すと、好きな音楽であっても嫌気が差してくる。

好きな歌詞が呪いになる。
好きなビートに閉じ込められる。スッとするフィニッシュに頭を殴られる。

まだまだ徳が足りないらしい。

2020年 4月2日「シンバルを叩くイカれた猿のオモチャの話」



仕事帰りに会社からほど近いラーメン屋に寄った。正直旨くもないが、ラーメンの面をしたものが欲しかった。

券売機でチャーシュー麺の券を買い、入口に近い席に腰を下ろした。
しばらくはお産に苦しむ女の顔の様な壁の絵や、どこのラーメン屋にもありそうなビールのポスターを眺めながらチャーシュー麺を待つ。

目の端で男が席を立つのが見えた。
えらく髭が伸びきった男で、手には何かでパンパンのビニール袋を持って

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2020年 4月1日「チュッパチャプスを回転させるマシンの話」

後輩にチュッパチャップスを回転させるマシンについて話した。わたしが小学生くらいの時には普通にスーパーの菓子売り場に置いてあったものだ。

あれはロマンに溢れていた。

しかし後輩はその存在を知らないと言う。
2つしか歳は変わらないのに、時代の流れとは残酷だ。
まあその後輩が知らないだけなのかもしれないが。

あれはなかなかに良いマシンだった。

値は張ったがこれほどまでにノスタルジーを感じるなら買

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2020年 3月31日「鬼のツノの話」

夜中。
ウヒャウヒャと地獄の風景を描いた図録を眺めていた。
ぐらぐらと煮えた釜で鬼が霊を茹でたり、針の山で串刺しにしていたり、舌を抜いたりしているやつだ。

しばらくボーッと眺めているとハッとする。
〈あっ! この鬼、ツノがない!〉
えらく驚いた。
ツノがない鬼がおるなんて。

そうなると目尻にグワッと力が入った。
〈コイツも! コイツもだ!〉
なんていって、ツノのない鬼を探した。

一頻りツノな

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2020年 3月30日「小躍りする小さいおっさんの話」

缶ビールを飲んでいた。
確かそれはもう空になっていたはずだ。
夜のことだった。

空の缶ビールを目の前にして少しの間スマホをいじっていたのだが、どうもおかしい。
目の前の缶が小刻みに揺れていた。
ああこれは、虫が入ったかと思った。

放っておいたのだが、缶の底とテーブルがぶつかる僅かな音がやけに気になる。
仕方なくゴミ箱を受け皿にして中の虫を出そうと試みた。

しかしどうだ。
いくら振っても虫など

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2020年 3月29日「広いスーパーマーケットがちょっと怖い話」

今日ふと思い出した。

閉店後のガランとしたスーパーマーケットの中を彷徨う青年の話を昔読んだことがあったのだけれど、タイトルがどうしても思い出せない。著者もだ。
本だったのか映画だったのかなんだったのか、それも思い出せない。

ただ見慣れた売り場を通り抜けて歩いている筈なのに、外に出ることができないというその状況は、なんとなくわたしの恐怖の原風景であるような気がする。

わたしもそんな経験をしたこ

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2020年 3月28日「顔のない男の話」

紫色の渡り廊下で顔のない男がこちらを見ていた。
笑っているから別に怖くはなかったが、わたしは歩けなかった。
壁には2、3日前の私の記憶が描かれていて、横にいるのが多分君だ。

日記じゃない。
だってMr.Childrenの歌の歌詞だもの。