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僕らの金メダル 3話
3月某日
今日は、僕らのチーム主催の大会の日だ。3月に入ったというのに風が冷たく、時折、小雪がちらついていた。
朝…まだ暗いうちから起き出して、眠い目をこすりながらユニフォームに着替える。母が作ってくれた、おにぎりを少し無理をして、お腹に入れる。外に出ると朝の冷たい空気で目が覚める。これが、試合の日の朝の光景だ。
先日の大会で、予想外に良い成績を残した僕たちは、今日のこの大会で無様な試合をするわけ
僕らの金メダル 5話
目覚まし時計が鳴っている。短い方の針が4を指している。当たり前だが、外は真っ暗だ。そう、今日は待ちに待った県大会予選の日だ。
小学校の駐車場に4時半に集合。この日は、みんなの親たちも勢揃いして応援に来てくれた。バスを貸し切って、片道3時間かけて試合会場へ向かう。
なんだか親たちの方が興奮しているみたいだった。バスの中では、大きな話し声や笑い声が飛び交っていた。そういう僕たちも朝早く起こされた割には
僕らの金メダル 6話
夏を目の前にして、僕らは立ち止まっていた。掲げていた目標を見失い、残された半年の日々をどう過ごし、残された試合をどう戦っていくか考えさせられた。
チームとしての目標
一回以上…優勝する!
勝てなかったチームに勝つ!
個人としての目標
キャプテン…盗塁30本、打率5割!
ピッチャー…ワイルドピッチをしない。ピンチの時こそ笑顔!
キャッチャー…パスボールをしない!
ファースト…チームの為になる守備、バ
僕らの金メダル 7話
僕らがひたすら練習していたこの夏、僕らが勝手にライバル視していたあのチームは、県予選で優勝し、全国大会でも見事3位という好成績を残していた。元々あった僕らチームとの差が一段と突き放されてしまったけれど、共に戦ったチームの活躍が、僕らにとっても良い刺激になっていたのも事実だった。
久しぶりの試合は、夏休み最後の残暑の厳しい日曜日だった。車5台が連なって少し遠出のドライブ気分だった。1勝1敗で予選敗退
僕らの金メダル 8話
朝晩少し涼しく感じられるようになった9月半ばの日曜日、曇り空の中、ヘリコプターからボールを投下するといった派手な演出の開会式だった。市内にあるほとんどのチームが参加する大きな大会だ。この大会では、過去3連覇している。この年、僕たちは優勝すれば、4連覇になるといったプレッシャーのかかる大会だった。
1試合目…5対1 ピッチャーの好投、バッテリー間の息の合ったプレー、安定した守備、安心して見てもらえる