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僕らの金メダル 4話

僕らの次なる目標は、全国大会出場することだ。その為には、まずは第1段階の地区予選1位通過して、県予選に駒を進めることだった。
地区予選は、見事1位通過して先輩チーム同様に県予選に出場出来ることになった。僕らは1ヶ月後に迫った県大会予選に胸を躍らせていた。
5月某日
調子に乗っていき、、僕らは、この日も予選を難無く2勝して決勝リーグに上がった。さすがに、ベスト8にまでになると他のチームも楽に勝たせてくれる雰囲気では無くなってくる。
準決勝…5対3
先制したのだけど、その裏に逆転を許してしまった。相手チームのピッチャーは変則的な投球で、そこそこ球も速い。しかし、僕らのピッチャーだって負けてはいない。点を取られても乱れること無く、諦めずに最後まで投げきった。味方も守備で助けてくれた。セカンドを守る彼は、不思議と簡単なゴロほどエラーしてしまう。その代わり、とんでもなく難しい打球をナイスキャッチし、上手く捌いたりする。まるでプロ並みに。この頃から彼の名は、ミラクルボーイと呼ばれるようになっていた。試合を決めたのは、サードの逆転ホームラン。そして、2つ3つのエラーを帳消しにするスーパーファインプレーで、ミラクルボーイが最後に締めてゲームセット。
決勝…前回も決勝戦で対戦してコテンパンにしてやられた、僕らが勝手にライバル視しているチームとの2度目の決勝戦だ。
2対6で…2度目の準優勝。
前回は無得点だったが、今回は2点取ったぞ。とは言っても惨敗に変わり無しか…。力の差を痛感してしまう。
パッティングは、振りが速く打球が強い。叩いてゴロでも、強い打球について行けず弾かれて捕球も出来ない。守備も堅く、捕ってからの動きが早い。力の差は歴然だった。僕たちは追いつくことが出来るんだろうか。いや、絶対に追い付いてみせる。そして、いつか追い越してみせるんだ。…いつか必ず。
県大会予選は、もうすぐそこまで迫っていた。

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