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#昆布

「昆布のほん」出版のお知らせ

「昆布のほん」出版のお知らせ

「たくさんのふしぎ」にデビューします。

福音館書店の月刊誌「たくさんのふしぎ」を知っていますか。
自分のテーマに取り組んできた大人がガチで読者のこどもたちに、それを紐解いていく本です。おとなが読んでも面白い。時間をかけて生まれる毎月の本たちです。

わたしの最初の著書は、この、「たくさんのふしぎ」の9月号、「昆布のほん」です。文章を担当しました。
羅臼昆布と出会い、自然や歴史を知り、ひとびととの

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写真の中の人に、会いに行きました。

写真の中の人に、会いに行きました。

それは、波打ち際に腰を落とし片膝をついて、モリのような道具を今にも放り投げて何かをとろうとしている人の写真。うひゃあ。かっこいい、

いったい何をしているのでしょう?

なんと、昆布漁なんです。
拾い昆布といって、海の中の岩盤から強い波のチカラでひっぱがされ、岸に打ちあがった昆布を拾う漁です。
この写真は拾う、って感じじゃないですよね。獲る。
えりも岬の東、十勝の広尾町にお住まいの漁師、☆君@昆布

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3人のおじさんが作ったユニバーサルなカレー

3人のおじさんが作ったユニバーサルなカレー

それは、米屋の店先で見つけたかわいいパッケージのカレーでした。

ふーん。こどもカレーなのかな。かわいくて喜びそう。
そのとき、個人的には興味はありませんでした。

そんなわたしの気持ちを見透かしたかのように、お米屋さんがいいました。
「これ、一回食べてごらん。すっごくおいしいから。」
すっごくおいしいのか!!それなら食べてみよう!!

あらっ?なにこれ、ほんとに野菜がゴロゴロだ!口の中でほろりと

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昆布はどこからどこへ行く⑤羅臼昆布・後編

昆布はどこからどこへ行く⑤羅臼昆布・後編

こんばんは!

きょうは羅臼昆布のダイナミックな旅のお話です。

羅臼昆布を日本で一番使っているのは富山県なんです。

そして、昆布の消費量が日本一。たまに2番目。昆布を使い切る知恵が詰まっているのも富山県。

昭和のころのこどもが昆布をガムのようにかじっていたというのも富山県。(令和になったらどうなのかな。。たまにいるかな。)

羅臼昆布は買うときには割高なのに、どうして県民の日常に根付いたので

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富山から世界に広がる羅臼昆布ロードのこと。

富山から世界に広がる羅臼昆布ロードのこと。



 富山県黒部市生地(いくじ)。「黒部の太陽」の黒四ダムから山を越えると海に向かって広がる扇状地にある町だ。渓谷に降った雪や雨は地深く染みこみ、80キロほど離れた町で湧き水にとなってこんこんと湧き出す。硬度38。体にすうと染みていく柔らかな水は、昆布から出汁をとるのに最適だ。

 1800年代、不漁がこの生地を襲った。漁師たちが食べていけなくなり、厳しい自然なれど漁業資源の豊かな根室、歯舞、羅臼

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昆布はどこからどこへ行く④羅臼昆布・前編

昆布はどこからどこへ行く④羅臼昆布・前編

こんばんは。

羅臼昆布はわたしにとって、遠いものでした。

原因は、そのお値段です。高いです。

でも、わたしたちが買うようになるまでの工程を知り、使い勝手を覚えたら、今は推しの昆布になりました(⋈◍>◡<◍)。✧♡

❓工程を知ると値段の高さを感じないの❓

いえ、高いものは高いです。それでも、味が濃いので少しで効果がある、とか、やわらかくなりやすいので具として食べられる、とか、おつまみ昆布で

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昆布はどこからどこへ行く③日高昆布

昆布はどこからどこへ行く③日高昆布

こんにちは!

きょうから8月。昆布漁はこれからお盆くらいまで、スパートかけている時期です。

きょうは日高昆布のお話です。

わたしが初めて昆布産地で漁師にお話を伺ったときの写真です。
えりも町です。

こではでは船から水揚げした昆布をケーブルを使って干場まで運んでいます。
黒い昆布がぶらさがっているのが見えますか?

日高昆布はえりも岬の東から西にかけて、23の浜で水揚げされます。太平洋は波が

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昆布はどこからどこへ行く。②真昆布

昆布はどこからどこへ行く。②真昆布

こんにちは。

きょうは、道南の真昆布のお話です。
昆布、に真(しん)がつくんですよ。
真の昆布、ということですね。自信と誇りを感じます。

それもそのはず。

献上昆布なんです。(天皇陛下に献上する昆布)

献上されたのは、名前がついた後ですけどね。

日本料理の中で、選びに選び抜かれた昆布なのです。

江戸時代には、最終目的地大坂まで大事に運ばれたのです。
幅も広く、見た目にも立派な真昆布が、

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昆布はどこからどこへ行く①利尻昆布

昆布はどこからどこへ行く①利尻昆布

こんにちは!

ほかいどーでは昆布の季節を迎えています。

北のてっぺんエリアでとれる利尻昆布は、すっきりした味わいがウリです。

北海道の最北端の礼文島です。漁に出る船が見えますね?

水揚げした昆布を天日で乾燥させます。大昔からの営みです。干場の石はゴロゴロしていますね。昆布に砂などがくっつかないようにです。

海の向こうに見える山は利尻富士。礼文の南東の利尻島です。

では海を渡って利尻に行

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羅臼昆布のヒミツ。合言葉は「あんじょう」だ!!

羅臼昆布のヒミツ。合言葉は「あんじょう」だ!!

こんにちは。

昆布漁が始まって、夏、夏、夏!!の北海道です。

きょうは、羅臼昆布のヒミツのお話です。

海ではこんな昆布が、

こんなになるのは乾かしたから、だけではないのです。

途中なんかこうですよ。乾いているけど緑色だし、ぴろぴろしてるし。

海の中で茶色かった昆布が、乾いてこげ茶色なのはわかるけど、
途中で緑になるってかい!(北海道弁:途中で緑になるっていうんですか!)

漁で水揚げさ

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さわやかな新生姜ご飯と北海道の新生姜栽培のこと。

さわやかな新生姜ご飯と北海道の新生姜栽培のこと。

こんにちはー!

今日の北海道は雨嵐。東京の梅雨の日のような寒さで、じめじめしています。

こんな時に嬉しい新生姜とか山椒とか、旬はわれわれを、そっと応援してくれているようです。

さてそんな日に、新生姜とトマトの炊き込みごはんはいかがでしょうか。

1合分の材料です。2合ならばすべてを倍にしてください。

洗米した米 1合、新生姜25g、油揚げ15g、ミニトマト3個、
A(めんつゆ小さじ2、みり

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