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思想哲学

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社会からはみ出して権力と社会を疑いまくれ、フーコー編、現代思想入門③

社会からはみ出して権力と社会を疑いまくれ、フーコー編、現代思想入門③

 千葉雅也著、現代思想入門を読んで哲学を学ぶシリーズは今回で一旦終わりにします。
今回取り上げるのはミッシェル・フーコーです。

フーコーは「監獄の誕生」などの著作で現代社会は権力者の監視によって自由や多様性が失われていると指摘しました。
フーコー自身、同性愛者であり、自らのアイデンティティと性的嗜好をを取り巻く社会状況について考察しました。フーコーはAIDSによって亡くなった初めてのフランスの公

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生きること、吉本隆明、共同幻想論をよむ

生きること、吉本隆明、共同幻想論をよむ

100分de名著吉本隆明『共同幻想論』
の考察です。

日本の共同幻想

 吉本隆明「共同幻想論」では、複数の人間の中で共有される幻想を「共同幻想」としています。
「共同幻想」は、その国の精神や信仰、習慣や民俗であります。
よく日本人は「空気を読む」と言いますが、この「空気」こそが共同幻想であると言ってもいいと私は思っています。

 この「共同幻想」によって日本は動いています。その負の側面は戦争で

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【なんでも積極的はくるしいよね】現代思想入門②ドゥルーズ編

【なんでも積極的はくるしいよね】現代思想入門②ドゥルーズ編

 現代思想入門を読んで現代フランス思想を学んでいく試みの二回目です。

前回のデリダの続きなのですが、デリダはユダヤ人なので弱い立場にある人や周りと違って浮いている人の気持ちをよく理解していました。
そのため、差異を認めるような思想を展開しました。今回取り上げるドゥルーズも差異に注目した哲学者です。

ドゥルーズは同一性から逸脱したものが差異なのではなく、そもそも同一性とは二次的に作られた概念であ

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現代思想入門を読んで日本を良くしたい①デリダ編

現代思想入門を読んで日本を良くしたい①デリダ編

 最近youtubeを見ていると、東浩紀や斎藤幸平などの哲学者を目にします。
東浩紀氏はデリダというフランスの哲学者を研究した著作が有名です。

斎藤幸平氏はマルクス主義研究者であり、その研究をもとにした多くの著作は現代社会に影響を与えています。

 自分自身小説とかは読んできましたが、思想書哲学書はあまり読んでこなかったと思います。
しかし、文学や文化の裏には哲学が常にあります。
今回は、デリダ

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