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柏心の黄身の部分(おはなし系)

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見た夢を文章にしてみたり、言葉遊びだったり、世界を滑稽に遊んでしまえという気持ちで書いてます。お付き合いいただけると喜びます。
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#ゆたかさって何だろう

ピエトロの冒険 「夜の中の朝 たぶんその1」

ピエトロの冒険 「夜の中の朝 たぶんその1」

背の高いススキが生い茂っている。ピエトロの背をゆうに超えている。向こうがどうなっているのか全然見えない。空はもうずいぶんと赤くなっていた。怖くてどうしたらいいのかわからない。だけどピエトロは甘い香りを頼りにススキを避けながら進んでいった。。。

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町の名前は、ポンテ ポルトゥス。「橋渡しの港」という意味があるらしい。ここは色んな

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短編物語「レモンサワーのアテ」

短編物語「レモンサワーのアテ」

小林、中林、大林の3人は仲がいいけど、良く喧嘩をしていた。

中林は、よく間を取り持つ良いやつだ。

今日はいつになく、小林と大林は揉めていた。

「レモンサワーには塩辛だろ!」

「だからお前はエセグルメなんだよ!チーズにサラミだろ!」

「だったら小指立ててワイン飲んでろ!」

「お前はレモンサワーのジョッキ小指立てて飲んでるじゃねぇか!」

「ジョッキの取ってが狭いから小指が出てるんだよ!」

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短編物語「小粋な夜道」

月光(げっこう)に照らされた田舎道に、
拳の様なうんこが落ちていた。

通り道にあるもんだから、通りすがりに横目でチラリと見てみた。

「ゲッコーッッッ。」

そこには、こちらに気づいて驚いた顔をしているゴツゴツしたカエルがいた。

目を真ん丸にしてこっちを見てるもんだから、こっけいでひとりで笑ってしまった。

なんだか考え込んでいた事があほらしくなってきた。

「この世を難しくしているのは自分か

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短編物語「チラチラのネチコ」

短編物語「チラチラのネチコ」

ベランダから下をのぞいたら、今日も見つけた。

チラチラのネチコ。

いつも電柱の影から顔を出している。

チラチラのネチコはこの辺りをナワバリにしている野良ネコだ。

すぐ横の幼稚園に通ってるチコちゃんが見つけたネコだからネチコ。

チコちゃんも幼稚園のさくから背伸びしていつもチラチラ見てる。

でも時々、チラチラのネチコがいなくなる時がある。

チコちゃんはネチコに会うのが楽しみだから、ネチコ

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