【日日俳句 にちにち・はいく】 2023/9/14 鬼が来るまではわたしだけの花野 ✲ ✲ ✲ 数年前は10月のはじめにコスモスがひろびろと野に揺れていた。 近所ではまだ見かけないが、今年は暑いからそろそろだろうか。
仰ぎ見る雲と重なる花野かな
大好きなバッハの無伴奏チェロ組曲。彼は寝ている。それは荒野ほどもある広さ。そっと通り過ぎようとして夜の帳を踏んづけ、つまづいても我は孤島のまま。プレリュード。五角形の和は540度。その上で踊り続ける人よ。若い女子高生が居酒屋で働いている。若い大学生が騒ぐ。我は薄荷の飴を噛み砕く。
コスモスが埋める花野の淡き色 風に乗り花野の香り運ばれて 花野ゆく二つの背中陽に映えて 野を飾る秋の草花哄笑す 花伝う生きる歓び秋の野で 美しき花花花花輝る花野 爽やかな風受け歩く花野かな 通り雨受けて花野に浮かぶ虹 晴れ渡る空突き抜けて咲く花野