東京グランドキャバレー物語

東京グランドキャバレー物語★14 お待ちかねのヌードショー

ドラムの激しく鳴り響く合図と共に、ステージの下手から一人の女性が登場した。
華やかな白いジャケットにミニスカート、金銀キラキラしたブーツ、手には、銀色の長いスティックを握っている。
ウェーブのかかった頭には、カントリーハットを被っていて、西部劇でに出て来るイメージなのだろうか。

可愛いい!!

こんな若くて可愛い子がヌードダンサーだなんて、グランドキャバレーのステージのギャラは、破格なのだろうか

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東京グランドキャバレー物語★13 ショータイムはヌードショー

私は、大きな声では言えないが過去に一度だけ、温泉街のストリップ劇場に行った事がある。
温泉につかり、ちょっと夕暮れの町を女性5人組、お酒も入り良い気持ちでふらふら歩いていた。
その時
「ハイ、そこのお嬢さん達!女性大歓迎!何でも人生の勉強だよ!そんじゃそこらじゃ見られない観音様の御開帳だよ~。」

観光客相手の呼び込みのおじさんの大声につられ、ピンクやブルーの裸電球が妖しく光る、ストリップ劇場と大

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東京グランドキャバレー物語★12 お客さん同士のケンカ騒動

喧嘩が始まるのは、些細な事が原因である。
エレベーターで肩が触れたのに謝りもしないとか、あそこにいる奴が俺を見て笑っているとか、どうでもない事で客同士のこぜりあいが始まる。
そして、それは時に大爆発となるのだが。

どしゃぶりの雨の金曜日、福をいつも指名してくれる金森さんがいらした。
「いらっしゃいませ~。お足元の悪い中ようこそ。」
「福ちゃんの顔を見に来ましたよ!」
金森さんは、ご機嫌で店に入っ

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東京グランドキャバレー物語★11 初めての同伴

皆勤賞で無遅刻の私は、毎晩七時にお店に入る。出勤時、慌ただしく店に近づくごとに鬼の形相に変わって行く女性達の意味がわかった。タイムカードがあり、1分遅れても遅刻になる。機械は正直で温情はない。
私の顔も必死の形相で小走りに。だって遅刻しそうだから!

ある日ゆっくり八時に入って来るホステスさんがいた。お客さんと一緒にお店に入る女性たちは、特別なのかしら?と不思議に思っていたら、それは同伴と言うシス

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東京グランドキャバレー物語★10 ナンバーワンホステス 雀さん

「福ちゃん。」
「ハイ。雀お姉様。」
私は時々、源氏名にわざとお姉様を付けて呼ぶ時があった。
福を可愛がってくれる優しい女性だけに、おねえさまを付けようと決めていて私の見えないランク付けだ。
雀さんは、東北出身で着物姿が艶やかで、数多いホステスの中で群を抜くほど美しい人だった。
雀さんに声をかけられると、わくわくする自分がいる。

今夜の雀さんのお客さんの席に呼ばれるのだろうか?
お客さんを待つ、

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東京グランドキャバレー物語★9 昔の恋の話

「実はさ昔、あの娘にね、惚れられちゃって。」
鈴木と言うお客さんが、話しだした。

「ほら、あそこを歩いてる弓香。あの子、凄く情熱的でイヤ~参った、参った。」
「はぁ。」

「彼女も昔は、可愛かったんだよ。今は、もうなんだけどね。あの時代は良かったよ。」
「はぁ。」

「ほら、あそこの今、踊ってる子、澄江だったかな。あの子もね、俺の事を好きだとか言っちゃって、イヤ~困った、困った。」
「はぁ。ずい

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東京グランドキャバレー物語★8 ダンス・ダンス・ダンス!

ダンスを踊ろうと決意はしたものの、スポットライトが眩しいフロアーに出る勇気が私にも必要だ。

それも一人ではなく、パートナー、つまりお客さんと一緒に行かなければならない、どうしたものか。

それに、難しいダンスなんて絶対に無理。ゴーゴーとかディスコダンスとかステップなしのでお願いしたい。

しかし心配は無用でありました。よくよくダンス群団を見ていると、体を揺らすだけの簡単な音楽で踊っている。少し難

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東京グランドキャバレー物語★7 歌って踊って酔いしれる夜

数週間もたつとグランドキャバレーと言う場に慣れて来た。
慣れと言うのは、人間を成長させるものだ。

あたりを観察する余裕と言うものが、いつのまにか出来上がっている。最初の頃は、ペコペコ頭ばかり下げていた私も、ドレスの裾を踏んでつまづく事もなく、前を向いて堂々と歩けるようになった。

ジャ~ン!

勢いよくベースギターの一発目のストロークが、お店の始まりの合図となる。

今夜も弾けて、腰を痛めぬ程度

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東京グランドキャバレー物語★6 いよいよお席に

「福ちゃん、ちょっと。」
ある日私は、華やかで美しい明日香さんに声をかけられた。

私は、明日香さんが大好きだった。女の私でも好きになるぐらいなんだから
世の中の男性達は、ほってはおかないだろう。

実際、彼女のファンは多く、いつも忙しくあちらの席、こちらの席と動いていた。売れている人ほど、動き回る。まるで蝶の様に。

ここから夜の蝶って言葉が生まれたのかもしれない。
「今日、小谷さんってお客様が

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東京グランドキャバレー物語★5 新人ホステス デビュー その2

新人の福が、呼ばれるはずもなく、まだ、名前が呼ばれずに残っている四、五人のお姉さま方と一緒に、何をするとはなくソファに座っていた。

私は、彼女達を観察した。
年は、いくつぐらいだろうか?たぶん50代は超えていらっしゃる、否、もしかしたら60代後半かもしれない。

年齢はつかめないが、しっかり化粧をしている顔には、隠しても隠しきれない、彼女達の生きて来た年輪が刻まれていた。
薄暗い店のライトに浮か

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