学校自体も、多軸で評価をしていく『何のためのテスト?』第7章(読書会記録)
社会構成主義第一人者ガーゲンの「何のためのテスト?――評価で変わる学校と学び」のオンライン読書会の記録です。※あくまで個人の受け取り方・感想です。
第8回は第7章。前章は教師に着目していましたが、今回はさらに視点を上げて学校自体が注目されています。
テスト結果だけで「良い」学校とするナンセンスさ
PISAのような国際的なテストを始め、日本国内でも行われている統一のテストを行うことで、テスト結果が良い学校=「良い」学校、って本当にそうなんですか?という投げかけがされています。
これは、「良さ」の価値が、「テストで良い点数を取ること=記憶をすることが良い」という1軸だけになってしまっている状態です。
多軸で「共に」評価をしていく
大事なことは、量的なテスト自体も否定をしているわけではなく、それだけではなく、他の軸も取り入れた評価をしていこう、というところです。
実際に紹介されていたのは、ニュージーランドの事例で、テスト結果を含む量的なアウトカム指標と、質的データを利用するプロセス評価の2軸から成り立ってるそうです。
これまでの章でも言われてきている通り、評価軸(価値観)自体を生徒も先生も地域の人もみんなで一緒に学校全体で考えていくことが、主体的な学びにつながっていくんだなと思いました。
その他読書会での話題
価値を認める(アプリシエイティブ評価)=コップの水が、「半分しか入ってない」ではなく、「半分も入ってる」と同じ事象でもプラスの視点で見られるように
多軸の評価を学校全体でやっていくのはすごく時間がかかりそうな一方、仲間がいたら楽しそう
授業の参加者同士で「褒め褒めタイム」をすることは、同じ経験を共有した他者から、異なる軸で褒められること、そして経験を肯定的に意味付けできること
📖読書会記録
序章 ガーゲンの新作「何のためのテスト?」
第1章 テストで正確な「評価」はできない?
第2章 先生・生徒の新たな関係パターンとは?
第3章 「価値」を先生と子どもが共同探求で決めていく
第4章 小学校で「関係」に基づく評価を行うヒント
第5章 中学・高校で「関係」に基づく評価を行うヒント
第6章 教師1人が学びの責任を持たない、包括的なアプローチとは
第7章 学校自体も、多軸で評価をしていく
📖ガーゲンの前作「関係からはじまる」読書会まとめはこちら
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