美人は親切

私の状況は少しずつ良くなってきている。

同時に、リビングの家具を全部捨てたくなった。

ほぼ使っていない物を収納している家具。
数々の思い出も詰まっている。
もう要らない。

片付けや物を捨てられない特性を持つ私が、亀のような鈍い動きで片付けている。

『ISSA』がボランティアで時間を割いて、ボロボロの家具を引き取りに来てくれた。

友達に産業廃棄物処理の社長さんがいて、一緒に捨てるならタダで良いと言われたという。

ゴミを捨てるにも大金がかかる時代だ。
リサイクルもできないほどボロボロに壊れたソファーや家具を、無料で引き取ってくれるなんて有難い。

しかも私が持てない重量の家具を丁寧に運び出してくれた。

私は凄絶な経験から男嫌いだが、最近男性の力強さと逞しさに魅力を感じるようになった。

何もかも遅すぎる。
人生ってそんなもんだね。

仕事ができる人は、たくさんの人脈がある。
そのおこぼれに与れて、感謝する。
タダじゃない。
人と繋がりを保つには、日々の気遣いが必要なのだ。

私も一期一会で出会った人を大切にしようと思っている。

結果的に後で絆ができることがあるからだ。
直接会って話すと感性が伝わる。
その手応えを活かさないなんて勿体無い。

誰かに言われたことを為すのは簡単だ。
何のリスクもないし、責任も生じない。

誰もが同じ位の出会いがある中、付き合いを維持できるのは才能だ。「また会っても良いな」と思われる魅力がある人だけだ。

片付けはヘルパーさんが協力してくれている。

新しい良い頂き物がいくらでもあるのに、ボロボロの物を
「まだ使えるし」と残していた私の常識をひっくり返してくれる。

いくら思い出があっても他人からみたらゴミなのだ。

私の人生、ゴミに振り回されてきた。

「良くしてくれてるし」「当時高かったし」「プレゼントされた物だし」

言い訳をつけてゴミを捨てられない。

人間関係に於いても。

それでも自分で直接家庭を運営していない人には伝わらないことがある。

主婦でも実家暮らしでもそうだが、誰かの名義で引き落としされている人は目に見える物でしか判断しない。

これが値上がりしている。増税されている。
それはこの政策のせいだ。苦しい。という視点がない。

断捨離していても、どうしても簡単に手放せないものがある。
子どもの学生時代の制服やジャージだ。

在校生の頃、私がとても欲しかった洗い替えのお古だ。

制服はとても高い。
ご丁寧に名前を刺繍されている。
私は先輩ママから譲ってもらって、名前の上に布を充てがって着させていた。
もちろん新品は一式買った上だ。

ピアニカやアルトリコーダーも譲ってもらった。
大した値段ではないが「物を大切にすること」を教えたかった。

その代わりランドセルや裁縫セットや絵の具セットは、性別の一般的な色以外を欲しがったので希望通り買った。
その時代では親から許されない子どもの同級生がたくさんいたと言う。

欲しいゲームや校外学習の費用、習い事の月謝等は即日納入した。
子どもの同級生でそれを親が出せなくて断念した子もいた。

子どもと一緒の習い事をしていた子の送迎をずっとしていたが、月謝を滞納して私に請求の電話がきたことがある。

月額たった5000円。
「旦那さんに電話したらいかがですか？」と答えたら、すぐに解決した。
ママはすぐパチンコに溶かしてしまうらしい。

新築の注文住宅に住み、3年毎に車を乗換え、血統書つきの犬を2匹買っていた。

私が送迎していた時に「この車、車検通っているんですか？」とその子に言われた。失礼な！（笑）

子どもが言うことは親が言ってること。
私達親子は失礼な言動をたくさん浴びてきた。

私は笑ってしまって反論しなかったが、今思えば悪かった。
ちゃんと言い返して子どもを守るべきだった。
ごめんね。

ところで制服だけは捨てるのに気が引けて、ダンスレッスン時に美人のママ友に相談した。

すぐ理解してくれて、欲しい人や学校に寄付する等該当者に話をしてくれた。

同じ障がいでも、半数は自閉症系の発達障がいを併発している。
親も同じで嫉妬と攻撃欲が強くて傷つけられる。
子どもより自分のプライドが大事。
愛がない。話が通じない。

この場所は珍しくそういう人がいない。
ルールを守れない人を排除してきたのだろう。安心できる。

愛がある人、他人の気持ちが読める人は美しい。
モデルのような美しさではない。

目を真っ直ぐに見てくれる。
自分の意見を持っている。
家庭も円満。余裕がある。優しい。

気にかかる施設や評判を聞きたくて相談すると、的確で寄り添った情報を教えてくれる。
やはり子どもを愛している人はボケッと生きていない。
信頼できる。
それでいて、きちんと距離感があり、馴れ馴れしくない。

美人といると心が安らぐ。

そんな場所が増えたら良いのにな。