「企画力」のつけ方のnote

いまどき使えるweb編集者になりたい春乃こぐまです。

インタビューが成功するか、本質に迫った面白い記事になるか、ターゲット層にちゃんと届けられるか……。記事、ひいてはサイトの成功は企画にかかっていると強く感じるこの頃です。

文章が書けるわけでも、デザインやプログラミングができるわけでもない、自身がなにかできるわけでもない編集者にとって、大切な仕事の一つが「企画作り」ではないでしょうか。

どうしたらよい企画が作れるようになるのか。企画力を上げる参考となるnoteを集めてみました。

※新しい記事、随時追加していきます

■企画とは

「企画ってなんだろう」という問いを立てたことなどなかったから、おお!と思って開いた阿部広太郎さん( https://note.com/kotaroa )のnote。記事の企画に限定したものではありませんが、目的を明確にすると企画書に何を盛り込まなければいけないかが見えてくるという意味で、読んで損はないし、とても大切な視点をもらえた気がします。おすすめです。

次にご紹介する松永光弘さん( https://note.com/mitsuzo )のnoteのテーマは「編集とは何か」「コンテクストとは何か」ですが、企画に必要なことも書かれていておすすめ。引用したい箇所がたくさんあって、パラパラしてしまったのですが、全部大切な気がして、あわせてご紹介します。

組み合わせのなかで価値や意味を引き出すのが「編集という営み」の基本形
「編集」のカギをにぎっているのは「共通項」を読み取る力だ、この「共通項」こそが「コンテクスト」と呼ばれるもの
コンテンツとは、ひとことでいえば「“メッセージ”を“表現”したもの」
編集には大きく分けて2つの方向の効用があるということです。ひとつは、価値や意味の「発見」や「解釈」。もうひとつは、価値や意味の「伝達」。
しつこいようですが、カギをにぎるのは、組み合わせによってコンテクスト(メッセージ)がきちんと受け手に伝わること。そこには、編集的なアタマのつかい方がクリエイティブに生かされているのです。

■よい企画とは?

「よい企画」に必要な要素を知ることは、企画力をつける近道になると思い集めたnote。

最初に取り上げるのはnoteではなくcakesの記事なのですが、とても参考になったのでご紹介します。古賀史健さん( https://note.com/fumiken )と加藤貞顕さん( https://note.com/sadaaki )、お二人の言語化能力がとにかくすごい。内容も、大変に勉強になりました。

「いい企画」の条件は、入口と出口がしっかりしていること」
「主観でインプットして、客観でアウトプットする。この設計図をつくるのが編集という仕事です。結果を残した本は、ほぼ間違いなく「主観から客観へ」という入口と出口ができています。

次はこちら。同じく古賀史健さんのnoteです。主にインタビューについて書かれているのですが、企画にも共通する、大切なことが書かれていたので。

こんなに引用していいのか少し迷いましたが、大切だなことばかりなので、紹介させていただきます。

「ぼくは聞き手であることよりも「照明係」であることを意識している。その人がいちばんかっこよく映る角度から照明を当て、まだ誰からも撮られていない角度から構図を考え、その人のいちばんいい表情を撮影すべく、ばしゃばしゃとシャッターを切る。撮り終えた何百・何千の写真をどう並べ、どう編集していくかは、書くときにひとりのライターとして考えればいい。ライターである前に考えているのは、照明係としての自分なのだ。
これをぼくは「Lighting から Writing へ」ということばで説明している。
いい照明(Lighting)があるからこそ、いい執筆(Writing)につながるのだと。ぼくにとって、企画やインタビューの入口にあるのはいつも Lightingだ。そして Lightingとは、観察と仮説によってつくられるものだ。

■企画の立て方

より具体的に役立つ、企画の立て方ノウハウが書かれたnote。

まずは竹村俊助さん( https://note.com/take )のnote。基本だけど、基本って大切。

①「悩み」を探る
②「誰に何を聞きたいか」考える
③「怒り」を探る」

桜川和樹さん( https://note.com/sakucchi )の編集原則に関するnoteも、ネタを企画化する際の参考になりました。

最後に10年ほど前に整理した、自分なりの編集原則を置いておきます。
1.自分が面白いと思えるものを見つける
2.その何が面白いと感じたかを掴み切る
3.その面白みを持ったものが、他にないかを探しきる
4.それを誰に伝えるべきか考えきる
5.相手が興味ゼロでも興味を持てる切り口を考えきる
6.そのことが伝わる方法を考えきる
前半はリサーチ、後半はイマジネーションです。これをやりきれれば、結構面白くなりえます。

桜川さんが「1.自分が面白いと思えるものを見つける」「2.その何が面白いと感じたかを掴み切る」技術の磨き方について書かれたのが、こちらのnote。

■実例に学ぶ

2015〜2017年の3年間、「編集会議」を一人で担当した鈴木洋平さん( https://note.com/yoheisuzuki04 )が、当時の雑誌作りを一万字で語ったnote。どの企画も面白いのがすごい。紙の編集者のアンテナとしてもすごいと思うし、他の雑誌の仕事をしながら一人でこれだけの企画を考え、一人で『編集会議』を作っていたことが、とにかくすごい。

鈴木洋平さんの『編集会議』での失敗談。紹介されているのは企画の失敗だけではないのですが、どれも勉強になります。

ウェブ時代の書籍ってこうやって作られるんだと、勉強になったのがこちら。

『経営者の孤独。』の土門蘭さん( https://note.com/yorusube )のインタビューが前から気になっていたのですが、その企画の裏側が書かれています。本のプロモーションも兼ねているのだと思います。裏側を紹介する記事やSNSはたくさん目にするし、やってみたいと思うのですが、きちんと企画し事前に仕込まないといけないし、演者的要素を果たしてくれる人選をしないといけないし、なかなか手が出ません。すごいなあという気持ちも込めて。

■「編集会議」術

以前、企画会議を回す機会をいただいて、でもぜんぜん盛り上がらなくて、いつのまにか会議を開かなくなってしまった苦い経験があります。

そんな個人的な反省もあって、とにかく、編集会議の進め方の参考になったのがこちらの竹村俊助さん( https://note.com/take )のnote。

当時開いていた会議と構成はそんなに違わないし、たぶん「編集会議」の基本形とそこまで違わないと思うのですが、企画の説明に加えてこの要素がないと「ほめる」が広がらないし、深い「プラス」も出てこないんだと、なぜあの時の会議が盛り上がらなかったのか、なぜ意味のない時間になってしまったのか、具体的に理解できました。

企画(本のタイトル)を発表し、ひとつひとつ「どういう内容なのか」「何がおもしろいのか」「きっかけはなんだったのか」を交えながら発表していきます。時間はひとつの企画につきだいたい1〜2分でしょうか。
「とにかくほめあう。おもしろいねと言い合う。それにプラスして「たとえばこういう著者ならいけるんじゃないか」とか「こういう要素をプラスしたらさらにおもしろいんじゃないか」などの意見を出しあいます。」

リモートワークが普及すると、編集会議もこうなるのでしょうか。あるいは企画はやっぱり直接会って話そう、ってなるのでしょうか。わからないけど、竹村さんが開いたすごい会議。

で、その会議に参加された澤有一良さん( https://note.com/sawa_edit )のレポートnoteもご紹介します。こんな感じで開催されたんですね。

■「実現可能度」を予測する

「実現可能性」も企画においては重要な要素ではないでしょうか。費用は大前提として、取材を受けてくださるのか、構成要素として何が使えるのか、企画を具体化する中で直面する壁を乗り越えるには、そもそもどこに「壁」があるのかを知るっておくことが近道なのだと思います。

寄稿や取材許了承の可能性は、メディアの力や企画の魅力によるところが大きいように思いますが、どんなメディアであれ、依頼する側が出来ることの一つが、依頼相手が「受けるべきか」判断できる材料をきちんと提供することではないでしょうか。

なぜ「あなた」でなければいけないのか。何を書いて(しゃべって)いただきたいのか。相手にとってサイトに出ることのメリットは何か。それらが伝わる情報の項目、依頼時に相手に提示すべき情報を、失礼のない形できちんと伝える、「依頼の型」の基本形を紹介しているのがこちらのあかまつもんざえもんさん( https://note.com/akamatsusho )のnote。

もう一つの大きな壁、実現可能な構成要素が準備できるかの予測能力は、著作権の理解によって補足できる気がします。そこで、ウェブ時代に許される引用の判断基準=著作権に関しての説明が書かれているnote編集部さん( https://note.com/notemag )の鼎談noteをご紹介します。

企画作りにおいては、どんな「思考」を深める必要があるのか。それをおさえておくことが、よい企画を作れるようになる近道なんだなと、ご紹介したnoteを読み返して改めて思います。みなさまにとっても参考になるnoteとなっていれば幸いです。私も、今回学んだことを、実際に企画を作りながら実践してみたいと思います。

次回は「インタビューの仕方」について書かれたnoteをご紹介できればと思います。


※本noteは「#編集 #ライター 記事まとめ」(https://note.com/notemag/m/mbe11fbbc43b3)に掲載された記事を中心に、「ネットリテラシー低い紙出身オウンドメディア編集担当者」の視点から、役に立った記事をピックアップしています

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