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余韻の残る極上時代小説
うーん、しみじみ。
読後しばらく余韻に浸っていました。
穏やかな主人公の周辺で少しずつ変化が生じていき、知らず知らずに巻き込まれた主人公と仲間たちは、やがて藩全体に影響を及ぼす事件に関わるはめに。
こうして書くと、よくある書き下ろし時代小説のステレオタイプの展開に見えますが、大筋以外の伏線も沢山散りばめられつつ、様々な人間模様が描かれるあたりは、極太の本格時代小説です。
主人公とその脇を固める人々との関係性が、とても丁寧に描かれていて、お互いのやり取りや配慮にとても好感が持てます。
分かる人にしか分からないかもしれませんが、藤沢周平が慶次郎縁側日記を書いたらこんな感じになりそうです。
ただ、北原亞以子と違うのは、「それでも人生や日々は流れていく」という風に話の終わりを読者まかせに想像させつつフェイドアウトさせるのではなく、気になる伏線はきちんと最後まで回収してくれています。
静寂の中に、しっかりと芯の通った、これぞいぶし銀の時代小説。
オススメです。
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