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職人の矜持がここに

週末や祝日は、過去の読書ブログからの転記が多くなってしまいますが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。

2010年2月18日に投稿したブログより。

自分の道を極めんと全てを投げ打って注ぎ込んだ男の物語。

虎徹。

有名な刀鍛冶のお話です。

この作家、己を賭けてモノづくりをする職人を描かせたら天下一品。

例えば、作中の次のようなエピソード。

主人公の叔父の錠前作りの職人が、陰謀に巻き込まれて死罪の憂き目にあいます。

処刑直前に、その実直で潔い姿勢から、処刑の取り止めを目付に言われたにもかかわらず、本人はこのまま斬ってもらって構わないと言います。

お偉方の家の錠前を犯人に渡したという嫌疑を受け、暴力を用いられて自分が犯人だと無理矢理自白させられたのですが、結局これが実際に犯人に暴力を振るわれていたとしても、自分は耐え切れずに鍵を渡していたろうと。

そうしてしまうことが分かった自分が、錠前作りとしては許せないと。

だから、死ぬ覚悟であると。

まさに男の矜持ここにありです。

プロジェクトXやカンブリア宮殿など、働く人たちの実録ものが好きな方にはオススメです。

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