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週刊小売業界ニュース|分散型で口コミの信頼性up/EC業界の脱炭素化への取り組み/韓国の若者にウィスキーが人気|2024/4/22週

2024年4月20日~4月26日にピックアップした、
日・米・韓の小売業界ニュースをお届けします。

今週のおさらいに、ぜひどうぞ!


アマゾンの「偽レビュー」などを駆逐へ、Web3技術「OpenRank」の革新的方法の正体 |ビジネス+IT

<担当者による要約>
Web3技術「OpenRank」を開発したKarma3 Labsが、信頼できるレビューシステムの構築に取り組んでいます。この技術は、ブロックチェーンを活用してユーザー間の評判を数値化し、評判グラフを構築します。この分散型評判プロトコルは、レビューの信憑性を中央集権的な管理者に依存せずに担保することを可能にし、各ユーザーの評判スコアやコンテンツのランキングを算出します。

私たちが何か買い物をする際、
企業側が発するメッセージや友人の意見を
判断材料に購入を決めることが多いと思います。

しかし今日のECサイトでは、
単純に商品品質や人気をベースとして
商品の掲載順を決めるわけではなく、

商品サイトに書き込まれた口コミも、
全てが実際の購入者によるものとは限りません。

実際、サクラによる口コミ・評価かどうかを
判別するアプリケーションも存在する始末です。

「OpenRank」は、
プラットフォーマーが恣意的に操作する商品順位や、
嘘も含まれる真贋入り混じったレビューに惑わされない
純粋なレビューが見られるプロトコルを目指しています。

ブロックチェーン技術を活用し
プラットフォーマーの中央集権的管理を逃れることで
安定・信頼できるレビューシステムを構築するとのこと。

しかし、これにも一定の不安がつきまといます。

ブロックチェーン自体は分散型ではありますが、
OpenRankが採用する評価計算システムは誰が決めるのか?

Karma3 Labs raises $4.5M seed round to build OpenRank - a Decentralized Reputation Protocol

karma3 Labsが運営者として更新等してゆく場合、
Googleが検索アルゴリズムを改定するたびに
SEOで一喜一憂するのと似た状態になることはないのでしょうか。

またエコーチャンバーの懸念もあります。
インターネットの世界では似た情報や似た意見ほど
検索順位の上位に掲載される傾向が高く、
自身の意見が増長され極端化することを指します。

OpenRankではユーザー相互の評価を計算するとのことですが、
参照するレビューによってエコーチャンバーとならないでしょうか。

先進的な取組みのため細かな指摘が尽きないのは当然ですが、
現行のECにおける課題を大きく進める一手が期待されるため、
Social Goodが維持されるサービス展開を期待したいところです。


<担当者による一言>
ユーザー間の相互作用から信頼関係を導き出し、それを可視化した評判グラフという考え方は、1つの事業体の中でユーザを軸に分析することで代用ができるはず。人々の内発的動機を理解し、金銭的インセンティブに偏らない仕組み作りが重要という側面もある上で、評判グラフが育てば育つほど、自分と類似した評価傾向を持つユーザーのレビューへの依存度が高まり、セレンディピティからは遠ざかっていくことが、本当に買い物体験に必要なことなのか注視したい


買い物に行くのと配達と、どちらが環境に悪いのか? - The New York Times

<担当者による要約>
ECを含めたあらゆる商品のパッケージを製造するために、毎年30億本もの木が伐採されている。また注文管理をする一般的なデータセンターは、家庭の約10倍のエネルギーを消費するという。
ECは環境にとって悪なのだろうか。そうは言いきれない側面がある。1台のトラックが複数の家に注文品を届けるほうが、買い物客がそれぞれ車で買いに来るよりも環境への負荷が少ないシナリオを、MITが研究している。
結局、まとめ買いや余裕のある買い物をすることが、ECに限らず重要であるということだ。個別の商品の梱包を減らしたり、物流の繁忙が平準化できるような注文スケジュールを実現したい。

国際サステナビリティ基準審議会は2023年、
温室効果ガス排出におけるスコープ3について
上場企業に開示を義務化することをを確定しました。

日本では早くて2026年より有価証券報告書等で
スコープ3の排出量についてレポートが見られる予想です。

温室効果ガス排出における「スコープ3」とは、
該当企業におけるサプライチェーンの上流と下流において
排出される温室効果ガスのことを指します。

知っておきたいサステナビリティの基礎用語~
サプライチェーンの排出量のものさし「スコープ1・2・3」とは
』(経済産業省)

小売り事業者にとっては物流サービスがスコープ3に含まれ、
脱炭素に先進的に取り組む物流企業が好まれることになります。

このような世界的な排出量抑制の流れを受けて、
日本国内の物流企業大手では、以下のような施策が見られます。

<ヤマト運輸の取り組み例>
2023年9月より小型EVトラックの導入を進めています。
2tトラックで、常温・冷蔵・冷凍の3温帯に対応。
ラストワンマイルを中心に配備される見立てです。

<佐川急便の取り組み例>
オンラインで簡単に再配達を予約できる
「スマートクラブ」サービスを提供。
現在の配達予定日時の確認・変更のほか、
再配達となった場合の予約も可能とし、
再配達数の削減を目指している。


小売り事業者も脱炭素に向けた取り組みとして購買方法を多様化させ、
顧客にエコな買い方を選択できるようにしています。

Yahoo!ショッピングでは「おトク指定便」と銘打ち、。
配送日時を長く設定する顧客にPayPayポイントを付与する
キャンペーンを展開しています。

従来はポイント〇倍の日に集中した購入を
その日から最短で配達していたため
配達量の波が大きかったところを、
「おトク指定便」により平準化するのが狙いです。


<担当者からの一言>
物流業界からの温室効果ガス排出量は2割にものぼると言われている。日本ではヤマト運輸がEVトラックを導入したりと環境問題への取り組みが見られるが、もっとも簡単にインパクトをもたらせる方法は、記事が指摘するように1)要らないものを買わない、2)急がないものを焦って配達させないといった、消費者サイドの行動様式によるものだと思われる。


韓国│ウイスキーのオンライン酒類販売許可いつ?ウイスキー従量税導入要求声も

<担当者による要約>
韓国ではウイスキー海外購入金額が、2018年に約6740万ウォンから2022年には92億1762万ウォンになる大成長を見せ、その後もウイスキー人気が続いている。しかし、OECD38の加盟国のうち酒類の通信販売を禁止した国は、韓国とポーランドだけであり、通信販売を希望する声が多数あがっている。また、英国・ドイツ・日本などのように「従量税」を導入し、韓国ウイスキー発展のための環境づくりも望んでいる。

酒類の市場規模が世界的に減少しているなか、
韓国の若者がいまウィスキーに熱視線を注いでいます。

2023年の韓国全体のウィスキー輸入額は$2億5,957万、
量にして3,059万Lでとなり過去最高を更新しました。

加えて、日本からの輸入量も、額・量ともに過去最高となりました。

日本産ウイスキーやハイボールが人気、焼酎への期待も(韓国)』(JETRO)

実際、免税店大手である新世界百貨店によると、
2023年上四半期の顧客の半分以上が20・30代とのこと。

ウィスキーの何が韓国の若者を惹きつけているのでしょうか。
専門家によると、次の3つの要因が指摘されています。

<コロナ禍で定着した一人酒(ホンスル)文化>
日本と同様に、韓国でもステイホーム期間で
宅飲み(韓国語で"ホンスル")が流行しました。
ホンスルでは保存がきくウイスキーが良く、
また色んなもので割った度数の低いハイボールで、
若年層の参入障壁を下げる役割を果たしているといいます。

<ハイボールにしてインスタ映え>
コロナ禍のホンスルの様子を
SNS投稿して承認欲求を満たす人たちも増加。
色々な組合わせてハイボールを作る様子が、
インスタ映えすることも流行を後押ししたといいます。

<ビール等などよりも低カロリー・低糖質>
韓国ではもともとビールや焼酎が主流でしたが、
コロナ禍で運動不足を気にする人が増えたため
低カロリー・低糖質のウイスキーなどに路線変更し
健康な(?)飲酒を楽しむ人が増加しているといいます。

小売り業界はこうしたウィスキートレンドを盛んに取り入れ、
若者による消費をより活発化させる取り組みを加速させています。

例えば韓国のコンビニ大手「CU」では、
人気作家チョンシンとコラボしてたレモンハイボールを発売。

コンビニCUの関係者は(中略)
「ハイボールはウイスキーに比べて相対的に安いうえに、ウイスキーの量により多様な価格帯と味を出せるという点でMZ世代の『ミクソロジー』ブームと相まってコンビニの酒類版図を変えている」と伝えた。

「一人酒」にハマった韓国の20・30代…ウイスキー輸入量急増』(HANKYOREH)


<担当者からの一言>
スーパーやレストランに行くと、ウイスキーは用意されているものの直ぐに売り切れたりすることも多く、韓国のウイスキー人気を実際に肌で感じます。家でもウイスキーを楽しみたい人が多いですが、通信販売が無かったり、スーパーには海外から購入した比較的高価なものしかなかったりして、お家ウイスキーはなかなか叶いません。いつか韓国でもウイスキーが楽しみやすくなる日が来るのでしょうか?…


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