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パン職人の修造 101話〜149話 江川と修造シリーズ

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独立して江川と店を始める修造。パン職人として、経営者として、一家の主人として。頑張れ修造。
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パン職人の修造 149 150話を目前にして、これまでのあらすじ

パン職人の修造 149 150話を目前にして、これまでのあらすじ

いつもこの小説をお読み頂き誠にありがとうございます。このお話はパン職人の修造が一生を通してパンと向き合うというお話です。

パン職人の修造は、口数の少ない主人公の田所修造(たどころしゅうぞう)がパンにまつわる色々な出来事に出会うお話です。元は2021年3月20日に始まりました。お話は全てフィクションで、実在するお店や団体とは何ら関係ありません。各お話毎にテーマや主人公が変わります。noteでは、パ

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パン職人の修造132 江川と修造シリーズ パン職人NO,1決定戦 Shapen your five senses

パン職人の修造132 江川と修造シリーズ パン職人NO,1決定戦 Shapen your five senses

パン職人の修造 江川と修造シリーズ パン職人NO,1決定戦 Shapen your five senses

北風が吹いてリーベンアンドブロートの駐車場の落ち葉がクルクルと舞っている。

パンを買いに来たお客さん達はいつもならテラスでパンを食べるのだが最近は店内の暖かい喫茶コーナーが満員だ。

開店当初は不慣れだったスタッフも今では無駄の無い動きをしている。

パン粉(瀬戸川愛莉)はパンの品出しを

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パン職人の修造130 江川と修造シリーズ 製パンアンドロイドと修造

パン職人の修造130 江川と修造シリーズ 製パンアンドロイドと修造

リーベンアンドブロートが創業して半年が過ぎた。

修造と江川は2人で生地を成形してバヌトンという発酵の為のカゴに入れていく作業をしている。

そしていつも気の利くカフェ部門の岡田はテキパキと店の清掃を済ませ、窓ガラスの汚れがないかチェックしていた。

そのガラスの向こう、駐車場兼入口の方から『基嶋機械』の営業マン後藤とその他三人の男が歩いてくる。

岡田は店の前に移動して、出迎える為に立って待って

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パン職人の修造116 江川と修造シリーズ ロストポジション  トゲトゲする空間

パン職人の修造116 江川と修造シリーズ ロストポジション  トゲトゲする空間

「こんな風に映ってるんですね」

「結構映像がはっきりしてますね」

「うん」

「音は出ないんですか?」

「聞こえないな」

「ふーん」姉岡がそういった。

そんな時黒い噂と言うか、変なものを中谷が見せてきた。

「これ見て下さい」中谷のスマートフォンを覗いて店の評価が載ってるサイトの細かい文字列を読んだ。

「あ!」

『リーベンアンドブロートのシェフって奥さんと生まれたての子を置いて外国に

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パン職人の修造113 江川と修造シリーズ ロストポジション  トゲトゲする空間

パン職人の修造113 江川と修造シリーズ ロストポジション  トゲトゲする空間

「ぼくそんな事してないよ」

西森と大坂はその瞬間は見ていなかったが「そんなわけないだろう」
「絶対触ってないと、、、思うけどな」
と冷静に言っている。

立花は「その場所は狭い所なんだから今度からあなたも当たらないようにしなさいよ」と注意してきたので白栂は「セクハラ!」と捨てゼリフを江川に言ってまた作業に戻った。

江川は困って事務所にいた修造に相談した。

「僕触ってません」

「お前がそんな

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パン職人の修造112  江川と修造シリーズ ロストポジション  トゲトゲする空間

パン職人の修造112 江川と修造シリーズ ロストポジション  トゲトゲする空間

「なあ、さっき揉め事があった?」修造は立花に小声で聞いた。

「はい実は、、」

そばで見ていた立花が和鍵の態度については教えてくれたが小声での会話まではわからないと言う。

「えーそれは傷つくなあ。悪いけど和鍵さん呼んできてくれる?」

立花に呼ばれて廊下に和鍵が出てきた。

「さっき江川に材料の量の事で注意されたんだろ?どんな話だったの?」

「はい、、すみません」

和鍵は修造には素直に謝っ

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パン職人の修造111 江川と修造シリーズ ロストポジション  トゲトゲする空間

パン職人の修造111 江川と修造シリーズ ロストポジション  トゲトゲする空間

パン職人の修造 江川と修造シリーズ ロストポジション  トゲトゲする空間

このお話は全てフィクションです。実際の人物や団体とは一切関係ありません。

修造と江川は無事にリーベンアンドブロートをオープンさせた。

最寄りの笹目駅からは少し離れているが近くにバス停もあるし、車は駐車しやすい場所にある。

連日の大賑わいに修造と江川、そしてパン職人たちは皆自分のポジションで頑張っていた。

修造は2階

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パン職人の修造106 江川と修造シリーズ リーブロプレオープン

パン職人の修造106 江川と修造シリーズ リーブロプレオープン

新しくお店を構える時

それが初めての時

様々なトラブルが起こる。

そしてそれは大抵お客様の目に入らない裏側で起こる。

あの古びた建物は塗り替えられ、壁紙も床も綺麗になった。棚もテーブルも椅子も、そしてレジ台も整った。

外にはまだ植えたばかりの花が咲いていてドイツ風のタイルと芝もカッコいい。

そんなパン屋

Bäckerei Leben und Brot(生活とパン)がとうとう出来上がっ

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パン職人の修造105 江川と修造シリーズ リーベンアンドブロートができるまで

パン職人の修造105 江川と修造シリーズ リーベンアンドブロートができるまで

3ヶ月の工事期間を経て、いよいよ工場で仕事出来る様になった。

プレオープンは1週間後。

パンロンドのみんなや鳥井シェフや大木シェフにも来てもらうことにして律子に招待状の葉書を書いて貰った。
「なにこれ!桐田美月って?本物の?来てくれるわけないじゃ無い!それに売れっ子お笑い芸人のマウンテン山田さんまで招待状出すの?厚かましい。それにこの住所あってるの?」

「江川が出してくれって言うんだよ。絶対

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