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1人百人一首

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#現代口語短歌

1人百人一首~十三、梅田東通り、またはどこかのインターチェンジ付近~

抱かれたのではない私が抱いたのよ笑い飛ばした始発の牛車

火をつけたたばこが腹の粘膜と感情刺激した夜明け頃

つぶされたシケモク見つめこの世界あんな未来とか考えてみる

ひさしぶり降りた駅だと君が言う私はあの夜あいつと降りた

かどわかし傷の舐め合いかりそめの十三栄商店街

都々逸その2

耽美で甘美主の指先素肌と心に火を灯す

一番二番n番なれど主の心だけが欲しい

のめばのむほど渇望するもの酒と煙草とおまえの心

今宵だけは2人でいよう今日も明日も明後日も

恋人ごっこもままごとなれど嘘も誠も君次第

我の心はとうに染った主の気持ちがないことだって

逃した魚は大きかったの我のいけすはあなたのものよ

あなたの口ずけ胸の奥そこボヤとくすぶり大火事か

一人百人一首〜間男〜

あの人の棄てた弁当ゴミ袋君が持ってく行ってらっしゃい

逃げるべき選択をするしないなどとっくの昔に決めてることでは

追い詰めることになるなら私などハナからいない方が華です

華だとか蝶もなれずわたくしはただ傷つけるスズメバチかも

高鳴りは禁煙すれば治るのかドライフラワーになってゆくのか

胸が痛い煙草のせいだきっとそう今日も今日とて会いたいような

1人百人一首~ラフマニノフピアノ協奏曲第2番第一楽章~

デカダンス未来のこととか不安とか赤い穂先がまぎらわせてる

群青に突き出す筒が見送った私もいつか白い煙に

さよならとここにいてとが潮時の私たちに満ちたり引いたり

これからの2人の世界決めかねてラフマニノフが静かに響く

1人百人一首~いもせ~

ふと伏せた瞳の奥の闇の中狭くて苦しい私の居場所

ぬばたまの紫の紐しめやかに左手で巻く君が弓引く

いつの日か君が振られるその日まで宙ぶらりんの私の愛よ

サヨナラの口づけ交わす夏の恋
君を連れ去る秋風涼し

さざなみの寄る君指を絡めては愛してくれた日々の残り香

雲間から漏れだす梯子くらいには好きで好きであなたが好きで

傷つけて傷つけられておわりなくわたしもあなたも欠陥品

この星は美しと思う

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1人百人一首~泣ける浜百合~

踊り場に臨む青空やましさを責めるみたいに皮肉に青い

その海はいづれを知るか孤独など自由などとはかわるものかは

あの日から1歩も動かずここにいる影は長くて陽は昇らない

浜百合の泣ける極暑と焼ける砂
後悔したから手を振っている

1人百人一首~宵のオレンジ~

オレンジと宇宙の境界曖昧にきもちを今日もごまかしていけ

遠くまで宵が影を落としても私の涙で滲むオレンジ

しあわせになれるべくしてなれるひとなれない私に星空が降る