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10年前は「当たり前じゃなかった」こと

 最近、びっくりさせられることがたくさんある。10年前は芽が出たばかりで、世間にあまり受け入れられていなかったものが主流になっている。
 わたしがいま、この記事を書いているnoteもそうだ。pixivやカクヨム、小説家になろうなど、一般人でも気軽に自分の作品を世に発表できるようになった。

 10年前、Youtuberはいなかった。
 いまは、女優も俳優もお笑い芸人も歌手もYoutuberをやってる。

 10年前、ニコニコ動画で自身の楽曲を発表する「ボカロP」や、それら楽曲をカバーする「歌い手」、彼らの投稿する「歌ってみた動画」は、まだまだ目新しい存在だった。当時は、ニコニコ動画のユーザーであったり、ボーカロイド楽曲を好んで聴いているひとをアニメオタクとバカにする風潮があった。「歌ってみた動画」を、「録音した声を編集ソフトで加工できるから、生の歌は音痴なんだろ」と言ってけなすひともいた。
 いま、絶大な人気を誇るアーティストで、ボカロP出身のひとがたくさんいる。歌い手は東京ドームでライブをやっているし、Twitterのトレンドにだってなる。テレビ番組にコーナー出演したりもする。

 10年前、DAM機種はボーカロイド楽曲に対応していなかった。『みくみくにしてあげる』『ロミオとシンデレラ』『カンタレラ』など、特に人気の高い10曲ほどが入っている程度だった。ボーカロイド楽曲が好きな友達とカラオケに行ったときには必ず、JOYSOUND機種を選んでいた。
 いまはDAMもJOYSOUNDに負けず劣らずボーカロイド楽曲を豊富に取り揃えている。

 10年前、Youtubeなどの動画サイトにアップされている楽曲は、総じて違法にアップロードされたものだった。
 いまは、アーティスト自身がYoutubeに公式チャンネルを開設し、ミュージックビデオを公開している。現在もそうだけれど、違法にアップロードされた著作物をダウンロードし、お金を払わず不当に楽しむひとがいる。だから、著作者がネットにアップする作品は、専ら予告映像だったり、ショートバージョンのミュージックビデオだけだった。今年に入って、フルバージョンのミュージックビデオをYoutubeで見かけたとき、「いまは規制がより厳しくなったから、この動画もすぐに削除されるのだろうなあ」と思った。
 ──いやいや。ちょっと待って。概要欄にi Tunes storeへのリンクが貼ってあるぞ。フルバージョンをアップしたうえ販促までするのか。熱烈なファンだなあ。このユーザーさん、どんなひとなんだろ。ん? え? これ公式??? ちゃんと公式のマーク付いてる。なんと。
 ──ってことがあった。ほんとうに。

 わからないことがあればインターネットで検索をする。好きな俳優や歌手や漫画家や作家の最新情報もインターネットをチェックすれば手に入る。みんなが画面を見ているから、インターネットに情報を流せば、みんなの目に入る。なるほど。

 「当たり前」には、「当たり前じゃなかった時代」があった。世間は最初、それを受け入れるのを嫌がった。「これまでみんなが苦労してやっていたものがこんな簡単にできてしまうなんて。ずるい。邪道だ。いままでのやりかたを守るべきだ」と。新しいものを積極的に取り入れるひとを変わり者だとバカにした。一過性のものだと軽んじた。けれど、投げ出さずに粘って粘って粘り抜いたひとが、でっかくなって、いま「当たり前」になっている。(やっている本人たちは、ただ自分の好きなことに夢中になっていただけかもしれない。努力の積み重ねだと思っていなかったかもしれない。)

 普段の生活で何気なく「そんなの当たり前じゃん!」と言ってしまうことがあるけれど、その「当たり前」がなぜ「当たり前」なのか、振り返ってみるのも面白いかもしれない。2030年の「当たり前」は何だろな。

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言葉とものの成り立ちと書くことが大好き。 今日のこと、昨日のこと、あの日のこと。 思い出せるうちに、そのとき感じたありのままを書き留めておこう。
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