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障害者の私と、女だらけの売り場で起こり続けた、本能レジの変。

今のバイトを辞めると決めたのは、約1ヶ月前になる。
私のバイト先の売り場には女のスタッフしか居ない。
私は売り場のレジで人間関係を学ぶ機会が与えられていることに日々感謝(建前)している。

自分で「私、仕事が出来うからさぁ」と言う先輩は、「社員死ね、殺したい」と悪口をレジで放出する。仕事出来ます、私しっかりしてます風の後輩は、自分の担当商品、書類の整理をあまりしない。
おまけに唯一の社員は、他人の個人情報に近い話をお喋りなスタッフへすぐ喋る。
それを聞いた歩くスピーカーとも言えるスタッフは、売り場内で伝言ゲームを始めてしまうのだ。
伝わる話は少しずつ変わり私の話が私のもとへ戻ってきたときには、売り場のスタッフたちにとってマイナスな話になっていた。

女が面倒くさいんじゃなくてここにいるスタッフとの相性が悪いと感じてからは、揺らいでいたものが『辞めるぞ』とかちこちに固まった。
なんでこんな無意味な争いに強制参加させられなきゃなんねぇんだ。辞退、辞退。


バイトが1年半続いたのは初めてだった。
親から虐待を受け、施設で育ち、歩く道中得た障害者手帳に助けられ生きてきた。そんな私は、バイトを1年半続けると、障害の支援してくださる方から「よく頑張ってる!」と言われる。私は自分を許せず、本当に、頑張ってるのだろうか?こんなでいいのだろうか?と不安に思う。

施設にいたときに、ストレス発散に便利なヤツとして周りに使われ、そこからナメられる役になることは多くなった。
やめてください、それは嫌です。こんな言葉を言うと、もっとひどいしうちに合う。親から教わったことがバイト先でも離れない。

先輩の社員への悪口は、お客さまがいてもいなくても容赦なく放出される。仕事が出来る先輩なだけあって、悪口をレジ内で言って発散するところを見ると、すごく残念だなぁと思ってしまう。
以前先輩は言っていた。
「ここで信用できるのは〇〇さんしかいない」
その〇〇さんは私ではない。
どうして信用できない私に、社員への殺意を放出するのか?
ずっとわからない。それと多分、先輩は嘘つき。結構自分を強く見せようとしてると思う。

お客さまがいても容赦ない悪口に困っている。そう社員に相談したとき「流せばいい。気にしなければいい。無視、スルー」と言う返しが来たのは、他人に期待をしすぎていた証拠なんだと思った。
出来ないなぁ、どうしたら出来るんだろう?教えてほしいなぁ。流せって、そうめんじゃねぇんだから。そうめんだってすくってもらえんだ。私のことも救ってほしいなぁ。
そんなことを思いながら「はい」と下を向いて泣いていた。

そんな日は絵を描いて気持ちを落ち着けることもあった。
以前、売り場用のPOPを描いていると後輩から「絵師はいかなるときも手抜きは許されません。上手くなりませんよ」と、横から言われたことがある。
POPに対して絵師がなんちゃらとか言われても、POPを描いたスタッフに追加給料は一切ない。絵が上手くなりませんと言われても、絵が上手くなりたくてこのPOP描いてないのよなぁ。この商品を売る助けみたいなもので。そんなことを思いながら、やっぱり私はへらへらしながら「うーん、そっか」と言うしかなかった。
ちなみに後輩も絵を描くのだが、一度も彼女の絵を見たことがない。本人いわく「人に見られていると描けない」らしい。それまで後輩の絵に興味なかったけど、それを言われてからすごい気になる。腹が立つから。
自分の担当商品の整理をしないことも私は知っている。
整理をしなくても目立たない商品の担当。だが、よく見ると同じようなものでも数字の並べ順がバラバラだったり、種類が違うものが棚に積み上げられたりしている。
『担当別に書類を分けました。確認してください』
連絡ノートに書いてから1ヶ月後に確認すると、分けられた書類は期限切れでそのまま。
そして、パソコン操作を教えてもらえるのは有り難い。けれど、こっちのが早いですよ。と言って教えてくるキーボード操作は、マウスで出来る。Chromeで検索の方がいいですよ、と言われても、Googleで検索できるならそれでいい。結局仕事に関係ないことを調べるのなら、Googleでもいいじゃないか。関係ないこと調べながら偉そうなこと言うな。
「あー、そうなんだ〜。ありがとう、やってみるー」
本音は建前に変わって口から出る。

なんで私に社員への殺意を放出するんだ。なんでこんなにマウントとって来るんだ。

あと少しで私はバイトを辞める。
これは逃げなのか?1年半は短いのか、長いのか。よく頑張ったほうなのか、甘えすぎているのか。
そんな悩みに取り憑かれながら、今日も生きることの意味を探している。


まぁ、1年も経てばきっとどうでも良くなっていることでしょう。

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