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採用基準を設定する上で、絶対外してはいけない基準とは?

こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。
 
「採用の失敗」を避けるには、まずは自社の「採用基準」を正しく設定する必要があることを、先日このnoteでもお伝えしました。
 

その「採用基準」を正しく設定するために、絶対外してはいけない基準があると、中小企業の採用コンサルのスペシャリスト・酒井利昌さんは言います。
 
今回は、酒井さんの新刊『増補改訂版 いい人財が集まる会社の採用の思考法』の中から「採用基準」を設定する上で、絶対外してはいけない項目について解説している該当箇所を全文公開します。

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教育しても変えられないもの

 コミュニケーション能力など、入社後の教育によって伸ばせるもの、努力すれば伸ばせるものがある一方、なかなか変えられないものがあります。
 それが、「アイデンティティ」と「信念・価値観」です。
 生まれて数十年もの年月を経て、身につけてきたものが「自分は何者か」というアイデンティティであり、「大切にしている」信念、価値観です。
 これらは、簡単に変えられるものではありません。
 いくら教育したとしても、無理なものは無理なのです。
 少し話は変わりますが、司法統計によると、離婚の申し立て理由で男女ともにダントツの1位なのは、「性格が合わない」ということのようです。男性の6割、女性の4割が「性格が合わない」を理由に離婚しているとのこと。そもそも生まれも育ちも違うわけですから、性格が違うのは当然です。しかし、生活を共にすると、性格の不一致は、積もりに積もって大きなストレスになるものです。
 話を戻しますが、採用基準の設定においても、「性格のマッチング」「価値観のマッチング」は、非常に重要なファクターの1つです。

絶対に外せない採用基準

 会社にも性格というものがあります。
 企業規模や給料などが「外見」の情報とするならば、経営理念、ミッション、ビジョン、そしてどんな社員がどんな理由で働いているのかといった情報は、その会社の「性格」を表します。
 まさに、これまでに事業を展開してきた歴史のなかで大切にしてきた考え方、価値観です。こういった自社の価値観に合う人財かどうかは、外せない採用基準と言えます。
 採用は結婚と同じです。互いに外見だけで選んでいたら、長続きしないことでしょう。
 新卒学生が就職先を決める際のポイントについては調査機関によりさまざまな結果が公表されています。

『増補改訂版 いい人財が集まる会社の採用の思考法』より抜粋


 そのなかで、ディスコの調査結果では、就職先企業を最終的に決めた理由のトップは、「社会貢献度が高い」(30・0%)となっています。
 就職先の決定においては、会社ホームページ、説明会、選考、社員とのかかわりなどを通じて、自分自身に合っているかを総合的に判断するものです。
 その判断材料のなかでも、「社会貢献度が高いか低いか」がトップというのは、どういうことか。
 つまり、自身の価値観と企業の価値観が合っているかどうかを重視する傾向にあると言えるでしょう。
 なぜなら、社会貢献度は、企業規模や給料などの「外見」情報ではなく、経営理念、ミッション、ビジョン、社員行動指針などの「性格」情報だからです。
「価値観と価値観とのマッチング」こそ、真のマッチングです。
 転職者も、今の勤め先の考え方ややり方が合わなくて、新しい環境を求めているケースが多いため、転職先を「性格」で選ぼうとする傾向が強くあります。
 
▼同書の「目次」をご覧になりたい方は、下記の記事をご覧ください。

【著者プロフィール】
酒井利昌(さかい・としまさ)
株式会社アタックス・セールス・アソシエイツ 取締役/採用コンサルタント。
1981年、愛知県みよし市生まれ。南山大学総合政策学部卒業。学習塾の教室長、人材会社の法人営業担当兼キャリアアドバイザーを経て、株式会社アタックス・セールス・アソシエイツに入社。アタックス入社後は、採用コンサルティング事業を立ち上げ、営業コンサルタントとの二刀流で、年間250回以上の現場支援、研修、セミナーに従事。採用コンサルタントとしては、超売り手市場のなか、これまで携わった会社すべてが短期間で採用目標達成を実現。支援してきた職種は、営業、SE、施工管理、警備員、建築・土木関連職、物流管理、製造現場職人、デザイナー、清掃、配送、機械メンテナンス、店舗接客、事務職など多岐に及ぶ。採用できない会社が自力で採用できる会社へと変わっていることから、これからも「強くて愛される会社を一社でも多く世に生み出す」「絶対達成する会社を一社でも増やす」ために、人財の採用から育成、戦力化までを一貫して担うコンサルタントとして、全国の会社に伴走し続けていく。
 
【監修者プロフィール】
坂本光司(さかもと・こうじ)
経営学者・元法政大学大学院教授・人を大切にする経営学会会長。徳島大学客員教授。
1947年静岡県生まれ。静岡文化芸術大学文化政策学部・同大学院教授、法政大学大学院政策創造研究科教授、法政大学大学院静岡サテライトキャンパス長等を歴任。他に、「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞実行副委員等、国・県・市町村の公務も多数務める。専門は、中小企業経営論、地域経済論、地域産業論。これまでに8000社以上の企業等を訪問し、調査・アドバイスを行う。著書にベストセラー『日本でいちばん大切にしたい会社(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)』(あさ出版)など多数。アタックスグループ顧問。

いかがでしたか?
 
新刊『増補改訂版 いい人財が集まる会社の採用の思考法』は、元本に比べて図表も倍増、特に第4章、第5章は、ほぼ今回の増補改訂版のための書き下ろし200ページ超の原稿が追加されています。
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