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【人間関係】パワハラ攻撃にも屈さない「余裕感」を感じさせる声の出し方――「ポーカーボイスMJ型」

こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。
 
パワハラやモラハラを受けやすい人の声、受けにくい声があることを先日のnoteでお伝えしました。

日本随一のコミュニケーショントレーナーとして1万人以上レクチャーしている司拓也さんは、誰でもパワハラやモラハラを受けにくい声を出すコツがあるといいます。
 
相手になめられない、バカにされないためには、話し合いにおいて、2つの雰囲気を醸し出すことが必要だとのこと。
 
それは、「余裕感」「威圧感」です。
 
それを醸し出す声を出すために「口の形」が大きく影響するそうです。
 
司さんは、新刊『嫌われずに「言い返す」技術』の中で、パワハラ攻撃にも屈しない「余裕」を感じさせる声の出し方「ポーカーボイスMJ型」を紹介しています。今回はその該当箇所を、一部編集して公開します。

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「ポーカーボイス」のつくり方

 では、さっそくポーカーボイスのつくり方について解説していきます。
 相手になめられない、バカにされないためには、話し合いにおいて、2つの雰囲気を醸し出すことが必要になります。
 それは、「余裕感」と「威圧感」です。
 
◎余裕感
 相手に攻撃を受けた際に、「その攻撃は、私には効いていませんよ」「なんとも感じませんよ」というメッセージを与える声です。
 
◎威圧感
 これは、相手に攻撃をしようという気持ちを萎えさせる声です。「私はあなたの攻撃を受けつけませんよ」というメッセージを与えます。

巷にあふれる「口の形」では無理!? 余裕感&威圧感をつくる「口の形」とは?

 ここでは、相手からの攻撃に対して、余裕を持って言い返している雰囲気を醸し出せる口の形と、「威圧感」を演出することができる口の形を説明していきます。
 あなたは、これまでに話し方やボイストレーニングに関する本を読んだことがありますか?
 その多くには、魅力的な声で話すための「あいうえお」の口の形についてのイラスト説明が含まれています。これを私たちは「従来型」と呼んでいます。

『嫌われずに「言い返す」技術』p.235より

 このように解説している本を読んで、不思議に思ったことはありませんか?
 テレビで見るアナウンサーや、俳優さんが話す際、口の形を見てみてください。
 必ずしもこの型のとおり話しているわけではないはずです。
 実際にそのような口の形で話すと、不自然で角張った、まるでロボットのような声になってしまうでしょう。
 この口の形で一貫して話すことは非常に困難です。なぜなら、正しい発声を生成するためには、5パターンの異なる口の形が必要だからです。
 それを正確に模倣しようとするのは、非常に難しいのです。
 私がボイストレーニングの専門家として15年以上の経験を持つ中で、特に最近増えてきたのは、職場などでのハラスメントによって声を失うという問題を抱える人たちです。
 彼らは、リラックスしている状況では普通に声を出すことができますが、攻撃的な人物が前に現れると、声が震えたり、止まらない咳払いに見舞われたり、最悪の場合、声がまったく出なくなってしまうのです。
 医療機関での診断結果は、「過緊張性の発声障害」や「痙攣性の発声障害」といったもので、中には「喉に特に問題は見られないが、これはストレスが原因です。ストレスを減らすように」とアドバイスされるだけで、具体的な治療法を示されないケースも散見されます。私は、仕事を通じて、こうした苦しみを抱える多くの人たちに出会ってきました。
 これらの方々に共通するのは、声が出なくなったときに先に説明した従来型の口の開け方で一生懸命話そうとすることです。
 ただ、そんな人たちでも、口の形を変えて話すことでスムーズに話せるようになった方法があります。
 それが、これから紹介する「ポーカーボイスMJ型」と「ポーカーボイスNHK型」の口の形で話すという方法です。

攻撃にも屈さない「余裕感」を感じさせる「ポーカーボイスMJ型」

 MJとは、民放の女子アナウンサーがバラエティ番組などで司会を行なう際の口の形から名付けられました。これらの女子アナウンサーは、非常に厳しい選考を通過してきた、いわば「好印象の天才」とも言える人たちです。
 彼女たちの表情は常に明るく、笑顔で私たちを魅了してくれます。
 女子アナウンサーが話すときの口の形は、逆三角形で、上の歯がしっかり見える形になっています。
 このような口の形で話すと、目尻が自然に下がり、笑っているような表情がつくられるのです。
 この表情は、相手だけでなく、周囲の人々にも「余裕」や「自信」を感じさせます。
 一方、私たちは日常で、攻撃してくる相手からの厳しい言葉に対して緊張したり、口を小さく開けて小声で話したりすることがあります。頑張って言い返そうとすると、声が震えたり、舌を噛んでしまったりして、話すのが難しくなることもあります。
 しかし、緊張や恐怖でいっぱいであっても、笑顔で話すことで、その内面を隠し、強く見られるようになります。
 これこそが、「ポーカーボイスMJ型」の魅力です。

『嫌われずに「言い返す」技術』p.239より

 MJ型の口の形から出る声は、明るく、ハキハキとした声質になります。
 この声は、聞く人にエネルギッシュさや自信を感じさせます。誰かが攻撃的な態度を取っても、MJ型の笑顔で応えると、その攻撃の勢いが失われます。
 MJ型の口の形と声は、私たちに「明るさ」と「自信」を持ってコミュニケーションを取る方法を教えてくれます。

「ポーカーボイスMJ型」の特長

 彼女たちの話しているときの口の形は、上の歯がすべて見える逆三角形です。
 この口の形で話すと、自然と目尻が下がり、笑顔の表情がつくられます。
 このため、相手に好印象を与えるだけでなく、「余裕」を感じさせる効果もあります。
 人は、笑顔で話している相手から「余裕」や「自信」を感じ取るのです。
 MJ型の口から発せられる声は、「明るく通る声」になります。
 この声には、自信と高いエネルギーが込められています。
 この笑顔と声を武器に、相手の攻撃を受け流し、その悪意の牙を削ぐことができます。この口の形で話すことで、たとえ心の中が恐怖と緊張でいっぱいでも、それが外部に漏れ出ることはありません。これが「ポーカーボイスMJ型」です。

表情と心は密接につながっている

 攻撃的なコメントや意見に直面したとき、多くの人は緊張やプレッシャーを感じます。顔が引きつり、口が思うように動かなくなることもありますね。その結果、声が小さくなったり、話しづらくなったりすることはよくあります。
 しかし、大事なのは、自信があるから笑顔で話せるのではなく、笑顔で話すことで自信が生まれる、ということです。
 表情と心の中は密接につながっています。明るい表情で話すことで、心も自然とポジティブな方向に向かい、相手にも良い印象を与えることができるのです。
 対人コミュニケーションにおいて、口の動きや表情は、非常に重要な要素です。
 それらを意識的にコントロールすることで、緊張や不安を乗り越え、相手に自信に満ちた印象を与えることが可能です。
 このテクニックを利用することで、あなたもどんな状況でも余裕を持ってコミュニケーションを取ることができるようになるでしょう。

〈著者プロフィール〉
司 拓也(つかさ・たくや)

コミュニケーショントレーナー。声と話し方の学校「ボイス・オブ・フロンティア」代表。日本話す声プロボイストレーナー協会代表。活動歴は15年。年間セッション数は100以上。1万人以上のコミュニケーションの悩みを解決。幼少期のいじめ、学生・社会人時代になってからの上司や顧客からのモラハラ、パワハラ体験からうつ状態を経験。このままでは死んでしまうという危機感から「人の心を誘導し、相手を怒らせずにいじめやハラスメントを受けない方法を見つけ出せば、今後苦しむ必要はない」という強い思いから、心理学やコミュニケーションスキルを貪欲に探求。相手からのハラスメント的言動に対し、その攻撃力を無力化し、相手を怒らせることなく、言いたいことを言えるようになり、自分の心も強くなる「ポーカーボイス&トークメソッド」を開発。現在、心理学をベースとした対人コミュニケーションの講演やセミナーを開催。あわせてコミュニケーションスキルの講師を養成。

いかがでしたか?
 
今回ご紹介した新刊『嫌われずに「言い返す」技術』の著者・司拓也さんは、日本で随一のコミュニケーショントレーナー。心理学をベースに、話し方、声の出し方を、1万人以上にレクチャーしています。
嫌われずに言い返す、著者オリジナルのメソッド「ポーカーボイス&トーク」の重要エッセンスを、多くの会話事例を交えながら徹底解説した新刊『嫌われずに「言い返す」技術』(司 拓也・著)は、おかげさまで発売1週間で重版出来、全国書店、ネット書店で発売中です。興味のある方はチェックしてみてください。

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『嫌われずに「言い返す」技術』の「はじめに」「目次」はこちらで読めます。

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