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映画感想ブログ「とまどいと偏見」

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2018年に劇場で観た映画の感想です。
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2018年3月の記事一覧

素敵なダイナマイトスキャンダル

素敵なダイナマイトスキャンダル

まず、この原作を映画にしようと思い立ってくれた監督に感謝です。2時間18分あるんですけど、終始「うわ〜、最高だな〜」って思って観てました。冨永昌敬監督作品「素敵なダイナマイトスキャンダル」の感想です。

原作者であり主人公の末井昭さんのことはなんとなく漠然と子供の頃から知ってるといいますか、(タモリさんの「今夜は最高」とかに出てたんじゃないかな。それで知ってるんじゃないかと思ったんですが、)雑誌の

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リメンバー・ミー

リメンバー・ミー

えー、個人的に、今だ "観たら絶対泣く映画ベスト3" にランキングされている「トイストーリー3」、そのスタッフが制作したピクサーの最新作ということで。えーと、相変わらずピクサー毎回全力で怖いです。そうとう冒頭の、主人公ミゲルが自作ギターで演奏するシーンから泣いていました。ディズニー/ピクサー最新作「リメンバー・ミー」の感想です。

映画好きの人で、アニメだから、子供向けだからって理由でピクサー作品

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聖なる鹿殺し

聖なる鹿殺し

えー、前回ミヒャエル・ハネケ監督の「ハッピーエンド」の感想を書きましたけど、じつは同じ日、その「ハッピーエンド」の直後にこの「聖なる鹿殺し」を観たんですね。で、ああ、完全に観る映画のチョイス失敗したなと思ったんです。監督の前作「ロブスター」も観ていて、その時はそんなに思わなかったんですけど、この「聖なる鹿殺し」かなりハネケっぽいんですよね。つまり、人に対する悪意と、皮肉と、不快感が満載の映画なんで

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ハッピーエンド

ハッピーエンド

狂気ってどういうものなんだろうって考えた時に、"理解不能なエモーション"というのに思い至ったんですが、最近、一般的に言われているエモーショナルって言葉。感情的とか、何か熱いものを秘めた衝動とか、そこに愛情みたいなものが含まれるニュアンスがあると思うんですけど、そのエモーショナルの"理由が分からないバージョン"。これが狂気なんじゃないかと思うんです。(つまり、愛情や優しさや好意の意味不明な表現のし方

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ブラックパンサー

ブラックパンサー

MCUの最新作であり、ライアン・クーグラー監督の新作でもある「ブラック・パンサー」です。しかし、マーベルのプロデュース能力と言いますか、イベントとしてアガる(しかも、実力もちゃんと見抜いた上での)人選の仕方、ほんとうまいですね。「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」に「スーパー!」のジェームズ・ガン。「アントマン」に「ショーン・オブ・ザ・デッド」(最近では「ベイビー・ドライバー」)のエドガー・ライ

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シェイプ・オブ・ウォーター

シェイプ・オブ・ウォーター

映画館に行く途中の電車の中でアカデミー作品賞を獲ったことを知り、(ちなみに、個人的には「スリー・ビルボード」の方が映画として革新的で衝撃だったので作品賞は「スリー・ビルボード」かなと思っていたのですが、こっちにあげたくなる気持ちは分かります。可愛くて可哀想な話なんですよね。)そのまま映画館へ行ったので、受賞直後に受賞作品を観るというとても贅沢な事しました。というわけで、第90回アカデミー作品賞&監

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リバーズ・エッジ

リバーズ・エッジ

うーん、はっきり言っちゃえば、とてもショッキングで自分の身近には起こり得ない様でありながら、そのフラットな空気と閉じてない世界感のおかげで、「ああ、自分もこの時代に生きているんだな。」っていうのを実感出来た数少ない話が、単なるヒドイ話(なぜ、ただ、そこに存在するものとして描かれていた暴力やセックスや死を監督はことさらショッキングなものとして描いたのか。)になっちゃってたな。というのが感想です。「リ

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