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2022年、印象に残った5店のレストラン

2022年、印象に残った5店のレストラン

今年も大好きなレストランにたくさん行くことができました。

たくさんのおいしいひと時のなかから、2022年、特に印象に残った5店を紹介いたしたいと思います(順不同)。

ラ・カーサ・ディ・テツオ オオタ|長野県軽井沢町アマゾンの料理人の異名をもつ太田哲雄さんの店。2022年の秋の部に行ってきました。とにかく驚愕、驚き、アメージングで、僕にとって2022年最大の衝撃レストランになりました。

太田さ

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料理に感じた小説のような物語性と多面主義(いわゆるキュビスム)

料理に感じた小説のような物語性と多面主義(いわゆるキュビスム)

白金高輪から天現寺交差点、恵比寿を結ぶ白金北里通から白金の丘学園の交差点から北に入る道を200mほど進んだ場所にあるフランス料理店が、4年連続でミシュラン一つ星を獲得している「ラ・クレリエール」です。

周囲の信頼しているフランス料理好きの皆さんから何度も(ほんとに、何度も聞いていました)おすすめいただいていた柴田秀之シェフのお料理をようやく食べることができました。

よく思考を言葉にする行為とし

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Food|パリの一つ星シェフ、伊藤良明さんのポップアップレストラン

Food|パリの一つ星シェフ、伊藤良明さんのポップアップレストラン

パリから一時帰国中の「ラルケスト」のオーナーシェフ、伊藤良明さんが東京でポップアップレストランをされているというので行ってきました。

パリで独立準備中の伊藤さんに取材をしたのは、2016年1月。物件を探している最中で、「ここで決まりそう」と教えてもらえたのが、のちのラルケストになる場所でした。その年の7月に幸運にもパリを訪れる機会があって、プレオープン中のラスケストで食事ができたのは最高の思い出

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Food|2年半ぶりの乃木坂しんで、料理を通じて語りあえた瞬間

Food|2年半ぶりの乃木坂しんで、料理を通じて語りあえた瞬間

東京・乃木坂にある一つ星の日本料理店「乃木坂しん」の店主、石田伸二さんと支配人の飛田泰秀さんとは、2016年のオープン当初からお付き合いがあり、料理専門誌『料理王国』時代には、福井県のタイアップ取材にもご協力をいただいて福井県内の各所をいっしょに旅したりしました。

じつは雑誌の特集では、師弟関係が強く技術を師匠から学ぼうとする日本料理と中国料理よりも、啓蒙思想が強いヨーロッパの料理(フレンチやイ

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Trip|「瞳の奥にもっと良くしたいという思いが宿る」平田明珠さん|ヴィラ・デラ・パーチェ

Trip|「瞳の奥にもっと良くしたいという思いが宿る」平田明珠さん|ヴィラ・デラ・パーチェ

9月下旬、友人の料理人で、2021年に都内でレストランをオープンする予定の大野尚斗さんと、豊洲に拠点を置いて、日本各地の食材を都内のレストランに紹介するスーパー八百屋「eff」の吉岡隆幸さんとともに、石川県と新潟県を旅してきました。

加賀れんこんの農家、川端崇文さんの畑から日本海沿岸を走る「のと里山街道」を北東へ。県道2号線に接続した先で七尾市にたどり着きます。

石川と新潟の食材ツアーの夜は、

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Food|「遠回りしてでも訪れる価値のある素晴らしい料理」という二つ星の価値とは?

Food|「遠回りしてでも訪れる価値のある素晴らしい料理」という二つ星の価値とは?

僕がミシュランガイドで信頼する部分は、オーセンティックなグランメゾンにおいての味の評価は鋭いと思うからだ。フランス料理とイタリア料理については、正直納得せざるを得ないという印象で、とくに一つ星と二つ星の間には、たった一つの数字以上の差があると思っています。

2019年11月に発表されたミシュランガイドの2020年版では、表参道にあるイタリア料理店「プリズマ」が、一つ星から二つ星に昇格したことがレ

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Food|もう、人生を変える体験なんてないと思ってた

Food|もう、人生を変える体験なんてないと思ってた

あなにとって人生を変える体験って、どんなことでしょうか?

ある人物の出会いであったり、映画や音楽などを見聞きしたことだったり、圧倒的な自然風景を見たり、異文化に触れたり、さまざまなきっかけがあると思います。

そういったきっかけはなんであれ、「人生を変える体験」とは、「自分自身にない価値観を発見すること」ではないでしょうか。

もう少し、自分自身に引き寄せて考えてみると、「自分自身にない価値観」

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Food|Konel(コネル)に行ってきました

Food|Konel(コネル)に行ってきました

前職時代から「Konel=捏ねる」というコンセプトがおもしろいなと思って、とっても気になっていた渋谷のレストランに行ってきました。

一応イタリアンということなんですが、粉もん文化という意味では、和食といってもいいのかもしれないと思うほど、日本にローカライズされた雑食イタリアンという感じでした。とってもおもしろい。

イチゴと生ハムとマスカルポーネ

雪苺娘と塩大福のハイブリットみたいな感じ。今年

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はじめまして「MAGARI」です。

はじめまして「MAGARI」です。

MAGARIって何ですか? っていうことをよく聞かれるようになったので、自己紹介をしてみたいと思います。

レストラン内でリモートワークするのがMAGARIMAGARIは、料理人付き編集者という新しい職業を作ろうとする僕の取り組みに賛同してくれた青山一丁目のレストラン「The Burn」のシェフ、米澤文雄さんと、六本木のレストラン「ラ・ブリアンツァ」のシェフ、奥野義幸さんと始めた、レストランを利用

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応援したくなるレストラン「West End」で得た新しい感情

応援したくなるレストラン「West End」で得た新しい感情

先日のポップアップレストラン「HINODE」は、レストラン・エクスペリエンスをどこまで拡張できるか? という僕なりの実験でした。

レストランで食事をする行為は、店からサービスを受けるのが前提の受動的行為であることがマインドセットとして、根強くあるんじゃないか。

もちろん、素晴らしい料理、希少な食材を最適に調理した料理をいただく歓びは格別なものがある。しかし一方で、オンラインサロンなど自由な発言

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2019.12.17

2019.12.17

昨日僕のお店Villa della Paceは3年間持ちこたえたと書きました。飲食店の半分以上が3年で潰れる中、なぜ僕のお店は3年間潰れなかったのでしょうか。

「お客様に支えられたから」

というのはもちろんそうなのですが、ちょっと冷静に考えてみます。

オープン直後、うちのお店はしばらくランチは¥2,000のパスタコースと¥3,500のメイン付きのコース、ディナーのコースは¥8,000のみ、ア

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