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雑記

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#DX

民間主導のDX

政府主導で行われるDXは、仕様ありきの競争入札の仕組みになりがちだと言える。それではせっかくの民間の技術も枠にはめられ、先端技術も仕様作成側の理解レベルに留まり、なかなかDXによる技術進歩の様なものは期待できなさそう。

需給間での要請の違い

そもそも、行政のDXと言っても、現場のアプリケーションレベルでは、もはや工夫も色々と出てかなりの程度になっているのだろうと思われる。だから、現状での焦点は

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行政のデジタル化がもたらす権力集中リスク

効率的な行政のためにデジタル化を進める、というのは一見合理的に見える。しかしながら、そこに権力集中の合理化という目的が忍び込むと、その合理性は一気に不合理極まりない、ある意味で宗教的な上意下達、依らしむべし、といった権力にとって効率的な仕組みとなりかねない。

最近一つ目についたのが、マイナンバーの取得を予約優先とする、というある自治体の政策だ。もちろん、予約がなされた方が事前に準備を行うことがで

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医療DXの可能性

折しもデジタル庁がマイナンバーと健康保険証の統合を24年秋までに行うとのニュースが流れた。その意志決定のあり方は昨日書いた代表制間接民主主義の酷いところを煮詰めたような物ではないかと感じるが、今回はその政策面に光を当てることにもなってしまった。

農業DXに続いて、医療DXの可能性についても見てみたい。
医療データというのは、農業のデータよりもさらに個別性、そして機密性の高いものとなり、それは中央

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農業DXの意義

DXの中でも、特に農業でそれが行われる意義を考えてみたい。

工業におけるDXは、管理可能な範囲が非常に広く、そして思い通りの生産工程、品質管理を実現する一般的手法を提供することになるだろう。一方で、農業の、特に生産管理については、どれだけデータ化しても、土壌の質や天気、日照量など、依然として自然任せな部分は大きく残り、そしてそれはいずれも作物の品質に大きく影響する。つまり、データ化することで明ら

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情報とデータ1

情報とデータの違いはどこにあるか。英語で不可算名詞となる情報とはフローであり、可算名詞のデータはストックになるのではないだろうか。

情報とは、止まることなく常に変化しているものであり、認識した瞬間に解釈が入ってすぐに変化し出す。一方で、データはある時点における情報を固定化して可視化したものであり、それは基本的には動かない。動かないので、それを用いて定量的な分析ができるようになるし、また、他と比較

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教育デジタル化

2022年(令和4年)1月7日中日新聞夕刊3面に「教育デジタル化データ環境整備」の記事。

とのこと。教育データには児童生徒の個人情報や教職員の勤続年数、各学校の児童生徒数などが含まれるという。デジタル庁としては簡単に成果が出せそうな部門として教育に目をつけたのだろうが、管理しやすいところの管理データを集めるという、なんともお手軽感は否めない。教育データなどは、すでに各担任、そして学校レベルでは当

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ローカルDXから動かす世界

ローカルDXから動かす世界

今年もDXはバズワードであり続けるのだろうが、生活からかけ離れた中央政府によって主導されるDXが、果たしてどれだけ一般の人にとって意味のあるものなのかはかなり疑わしい。それよりも、もっと身近なところでデジタルの力を活かして社会を活性化する、という方がはるかに実感のともなったDXとなるのではないか。

ここで、デジタル化によって効率化されるべきデータとは一体なんなのか、ということを考える必要がありそ

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無差別曲線

無差別曲線

無差別曲線について、もう少し突っ込んで見てみたい。これまで何度か触れてきたが、ここで改めてWikipediaからその定義をひいておきたい。

無差別曲線の定義定義を見てもやっぱり具体的イメージができないのだが、英語版に出ているグラフや昔少し習ったことを思い出してみると、x軸とy軸が代替財の関係で、2財間での性質と予算の代替によって接点がきまる、みたいなことを聞いた様な気もするが、そうするとますます

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DXによる世論調査の可能性

DXによる世論調査の可能性

令和3年(辛巳)12月10日の日経新聞31面経済教室Analysisで、「世論の的確な把握 大前提」という記事が出ていたので、それについて少し書いてみたい。

現在の世論調査の問題点との問題提起。確かにその通りなのだろうが、そもそもが、調査という形で世論を集める、という形が適切なのか、ということがある。質問に対して答える、という形の調査であれば、最初から調査側の主観的恣意によって質問内容が定められ

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「デジタル化」の光と影

「デジタル化」の光と影

2021年(令和3年辛丑)9月20日の中日新聞4面考える広場で、「デジタル化」の光と影の論説集があったので、それについてコメント。

まず、名古屋国際工科専門職大学教授の山本修一郎氏の「コロナ禍 変革の契機」について。全く大学の先生は暢気というか、気楽というか、こんな人が人材育成に携わっているようでは、DXもなかなか進まないだろうな、と感じる。一体、デジタル変革を超えて生き残っていける企業はわずか

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DXとメディア

DXとメディア

9月1日からデジタル庁が発足し、いよいよ政府あげてのDXに向けての動きが加速し出した。果たして、このDX、軌道に乗るのであろうか。デジタル化ということは当然情報を取り扱うわけで、情報というのはその解釈の仕方次第でどのようにも扱うことが可能になる。だから、どの情報解釈に基づいてデジタルのシステムを構築するのか、ということが、デジタル化に際して最も重要なテーマになると言ってよい。そこが基盤としてしっか

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