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第34話 一般条項(5)ーその他
「一般条項」の最終回です。契約の種類や、取引の複雑さ加減、契約書の長さなどによって、記載項目や数も随分かわりますが、ここではいろいろなものを紹介しておきましょう。
Amendments / Variations:修正/変更
契約書の修正等は、署名された書面によって行うこととします。
Confidentiality / Public Announcements / Publication:守秘
第33話 一般条項(4)ー紛争解決条項ほか
Dispute Resolution/Enforcement:紛争の解決方法/権利の行使
紛争が起こったときにどのような方法で解決するかなどについて書いてあります。具体的には次項以下のように仲裁、または裁判による、とするものが多いのですが、その前に当事者の責任者による直接交渉や、調停などをおくものもあります。「当事者は誠意をもって解決する」といった日本でよく見かけるような文言も、多くはありません
国際契約英文法ー契約書に副詞は出てきますか?
副詞の役割
副詞は名詞以外の言葉を修飾して、文章に「彩り」をそえる言葉です。では、権利・義務を明確に書き表すことを旨とする契約書というものに、副詞は使われるのでしょうか?
「基礎からわかる英文契約書」の第27回で検討したコンサルタント契約に、こんな趣旨の1文がありました。
The Consultant shall diligently provide Services to the Comp
第29話 国際契約書の記載事項ー当事者の約束に続くこと
約束ごとに続いて、実務的なことがらを書く
第23話から第28話で、「売買契約書」「役務提供契約書」「ライセンス契約書」の最初に書くべき基本的なこと、つまり「当事者の約束ごと」の核心は何なのか、を考えてみました。
さて、第2話では国際契約書の記載事項をざっと眺めました。そこでは一番大事な「約束ごと」に続いて、その約束を「どう実行するか」が記載されていました。これらは実務条項とよんでもよいでしょ
国際契約英文法ー実際の契約書を検索する
実際の契約書を検索するには
「基礎からわかる英文契約書」シリーズ、そして、この「国際契約英文法」のシリーズでは、多くの英文国際契約書の「実例」にふれてきました。そのような実例はどのようにすれば検索できるかをお話ししましょう。
便利なサイトを3つ紹介します。いずれも無料で登録も必要ありません。下記のそれぞれの見出しにリンク先がついています。
SEC EDGARまず、米国証券取引委員会(SEC
国際契約英文法ー法律文書では、どうして簡単な言葉を使わないのですか?(1)
法律文書は難しい言葉ばかり!
法律文書をもっと分かりやすい英語で書くことを目指して、Plain English(分かりやすい英語)を使おうといううごきが、英米で既に1960年代からあります。
イギリスにはわかりやすい文章に Crystal Mark をつける活動があります。Plain English Campaign という団体がやっていて、世界の名だたる政府機関、銀行、保険会社などがこのマー
国際契約英文法ー言わなくてもよいこと(2)
「国際契約英文法」のシリーズでは、英文契約書を普通にいう文法という見地から考えるほか、文章を書く作法という視点からも見てみます。英文契約書ってなぜこう書くのだろうか、と筆者が思ったことを取り上げて考えます
文頭に書かれている The Parties agree that … などは、いつも不要なのでしょうか?
前回に、契約書は合意事項を集積したものだから、条項ごとに ’The Parties