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本棚に魚本

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魚をはじめとする水棲生物、食材としての魚介類を扱った書籍について語ります。書評とか読書感想文とかそんなんではなく、本に関する雑談だと思って読んで下さい。
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#読書

[本棚に魚本]『水の生きもの』(絵本/画

[本棚に魚本]『水の生きもの』(絵本/画

『水の生きもの』ランバロス・ジャー著、市川恵里訳 (河出書房新社)

何年か前に、タラブックス(インド)の作品を集めた展覧会に行った際にこの本を見て、とても欲しかったのだがお値段の都合で手が出ず・・・。
そんな私にとっての贅沢品を、昨年のクリスマスに弟がプレゼントしてくてた。しっかりとシリアルナンバー入り!!

絵本としてカテゴライズされているが、1ページに1つのイラストが描かれており、特にストー

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[本棚に魚本] 日本全国 地魚定食紀行 (ノンフィクション)

[本棚に魚本] 日本全国 地魚定食紀行 (ノンフィクション)

『日本全国 地魚定食紀行』うぬまいちろう著 (徳間書店)

タイトルの通り、著者が全国の地魚の定食を食べ歩いた記録。定食にありつくまでの旅の経過も書かれており、道中で出会った人たちの触れ合いの様子に、人の優しさを感じられる。

それにしても、これは魚好きには危険な一冊!
読めば読むほど、口が魚料理を求めてしまう。そうさせる著者の文章は、食通っぽい細かい味の表現は使わず、誰もが共感出来るような単純な

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[本棚に魚本]きりみ (絵本)

[本棚に魚本]きりみ (絵本)

『きりみ』長嶋祐成著 (河出書房新社)

まずは食卓でお馴染みの魚介類の料理の絵。次のページには、表紙にあるような解体図と生きている時の姿。
見方によってはグロく見える解体図もあるが、実際に料理をする際に目にする光景なのだから、「絵本だけどグロくて子供には見せられない」なんて言っちゃダメだよ!

解体図のページは単なる解体図ではなく、一目で前のページに描かれている料理に使われている部位が分かったり

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[本棚に魚本]ウニはすごい バッタもすごい (ノンフィクション)

[本棚に魚本]ウニはすごい バッタもすごい (ノンフィクション)

『ウニはすごい バッタもすごい デザインの生物学』本田達雄著 (中公新書)

タイトルを見ての通り、水棲生物以外も扱った本ではあるが、タイトルにウニがいるうえ、一番最初に取り上げられる生き物がイソギンチャクなので、勝手に魚本に認定!

デザインの生物学ということで、なぜヒトデは星形なのか、貝はなぜ螺旋形なのかなど、生き物の形に着目した本。
少々お堅い文章で、噛み砕いて書いてあるとはいえ小難しい内容

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[本棚に魚本]魚だって考える (ノンフィクション)

[本棚に魚本]魚だって考える (ノンフィクション)

『魚だって考える キンギョの好奇心、ハゼの空間認知』吉田将之著 (築地書館)

魚の情動に焦点を当てた広島大学の研究室での研究を、こういった研究を物凄く分かりやすく書かれている本。
パラパラとページをめくるとグラフなんかも目に入るので、一瞬怯んでしまったが、いざ読み始めると、素人でも問題無く楽しく読める内容だった!グラフも専門的なものではなく、むしろ一般人がより内容を理解しやすくするために用意され

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[本棚に魚本]海藻の疑問50 (ノンフィクション)

[本棚に魚本]海藻の疑問50 (ノンフィクション)

『みんなが知りたいシリーズ① 海藻の疑問50』 日本藻類学会編 (成山堂書店)

「魚本とか言いながら植物じゃないか!」と言われそうな書籍のチョイスだが、海藻は日本さかな検定でも扱われるので、これも魚本に勝手に認定!

海の中に生えている海藻ではなく、海藻サラダアップらしき表紙の写真がなかなかシュール。

さて、この本は「みんなが知りたいシリーズ①」である。

「海藻ってどんな生きもの?」
という

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[本棚に魚本]ナイルパーチの女子会 (小説)

[本棚に魚本]ナイルパーチの女子会 (小説)

『ナイルパーチの女子会』 柚木麻子著 (文春文庫)

珍しく小説のご紹介。
元々友達のいない主人公が、女の怖さや女性同士のドロドロを描いた作品で、好き嫌いは分かれそう。
私にとっては、主な登場人物全員にイライラするのに何故か読むのがやめられない本だった。

さて、タイトルにあるナイルパーチ。
アフリカに生息する大型の淡水魚で、アフリカの川が舞台の自然系ドキュメンタリー番組や、巨大魚がテーマの番

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[本棚に魚本] したたかな魚たち (ノンフィクション)

[本棚に魚本] したたかな魚たち (ノンフィクション)

『したたかな魚たち』松浦啓一著 (角川新書)

完全にジャケ買いした本。本屋さんの新書コーナーでこちら向きに立ててあり、パラパラと中身を確認することも無くレジに持っていってしまった。

幸い、衝動買いを後悔せずに済むような本だった。とはいえ、表紙が永遠にこれである限り、きっと内容がイマイチでも大きな後悔はしなかっただろう、と思うくらいこの表紙が好き(笑)

この本では色々な魚の面白い生態を浅く広く

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[本棚に魚本] 魚はエロい (ノンフィクション)

[本棚に魚本] 魚はエロい (ノンフィクション)

『<オールカラー版> 魚はエロい』 瓜生知史著 (光文社新書)

以前ここで取り上げた『サメのおちんちんはふたつ』のように、タイトルで目を引いておいて、内容は至って真面目な本なのかな・・・と思ったら、タイトルのイメージ通りの本だった(笑)

エロ目線で魚の生殖や交尾について説明されているのだが、「男性」ではなく「男子」が喜びそうなノリの下ネタ。下ネタが苦手な方や「可愛いお魚ちゃん達を、エロ目線で語

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[本棚に魚本] 旬の魚を食べ歩く (ノンフィクション)

[本棚に魚本] 旬の魚を食べ歩く (ノンフィクション)

『旬の魚を食べ歩く』 斎藤潤著 (光文社新書)

著者が全国各地でその時が旬の魚介を使った郷土料理を食べる、という本。
各季節ごとに4〜5種類の魚介が取り上げられているが、タイ、アジ、サケ、カキなど全て日本人にはお馴染みの魚介なので、著者が食べた郷土料理の味の想像がつきやすい分、読み進めながら何度も「食べたい〜!」と心の中で叫んでしまった。
中には知らない郷土料理もたくさんあったが、それらについて

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[本棚に魚本] 似魚図鑑 (図鑑)

[本棚に魚本] 似魚図鑑 (図鑑)

『似魚図鑑』 (晋遊舎)

この本の存在を知ったのはネット上。帯が無い状態の表紙を見たため、てっきり マダイとチダイだとか、シマキンチャクフグとノコギリハギだとか、そういった見た目が似ている魚を紹介した本なのかと思った。
しかし、帯を見ていただければ分かるように、これは味が似ている魚の図鑑なのだ。

見開きで左ページにマダイ、ギンダラ、サヨリなど、我々に馴染みのある魚が、そして右ページにはそれらの

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[本棚に魚本] マンボウのひみつ (ノンフィクション)

[本棚に魚本] マンボウのひみつ (ノンフィクション)

『マンボウのひみつ』 澤井悦郎著 (岩波ジュニア新書)

私にとってのマンボウの思い出と言えば、かごしま水族館を訪れた際、水族館の建物の外側(チケットいらずな場所)の川だか水路だかにマンボウがいるのを見かけて驚いたことと、台湾の火鍋屋さんの具材メニューにマンボウの皮があったので珍しいと思い食べてみたことくらい。
正直、他の魚に比べると、マンボウに対して強い関心を持ったことは無かった。

しかし、2

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[本棚に魚本] 都会の里海 東京湾 (ノンフィクション)

[本棚に魚本] 都会の里海 東京湾 (ノンフィクション)

『都会の里海 東京湾 人・文化・生き物』 木村尚著 (中公新書ラクレ)

福岡生まれ、福岡育ちの私には縁もゆかりも無い東京湾。
しかし、日本テレビの『鉄腕DASH』の影響で、行ったことも無いのにどこか親しみを感じる東京湾。
そして、そんな『鉄腕DASH』でお馴染みの木村尚さんの著書がコチラ!

タイトルの通り、主役は東京湾ではあるものの、帯の写真にいきなりゴブリンシャーク、魚好きが食いつかないわ

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[本棚に魚本] サメのおちんちんはふたつ (ノンフィクション)

[本棚に魚本] サメのおちんちんはふたつ (ノンフィクション)

『サメのおちんちんはふたつ』 仲谷一宏著 (築地書館)

タイトルはアレだけど、至ってマジメなサメの本。

これを読む前に私が知っていたサメに関する知識というと
・人食いサメの種類は少ない
・名前に「サメ」と入っているけどサメじゃないヤツが結構いる
・広島では「ワニ」と呼ばれる
・オスのサメにはおちんちんが2つある (←これ、前から知ってた!笑)
と、この程度。
それ以外のサメに関する基本的な知識

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