詩:家に入る扉がない
ここはどこだろう
別荘のような家々があちこちにある
多分 避暑地として使われているリゾートなのだろう
葉の青い香りを肺いっぱいに吸い込む
確かな幸福の実在感をボールのように弄ぶ
とても素敵な一軒の家を見つける
それはあなたのための家なのだ
あなたは鼻歌を歌いながら家に近づく
家からは赤ん坊の泣く声が聞こえる
それはあなたの子供だ
早くあやしてやらなければ
そう思い小走りする
が、
この家には扉がない
家に入れる扉がない
あなたは速くなっていく動悸に気を取られまいとしながら
家を一周するが扉は見つからない
赤ん坊の泣き声はどんどん大きくなっていく
あなたは焦り、まともに頭が働かなくなる
家の壁をドンドンと思い切り叩く
名も知らぬ子供の名前を呼ぶ
あなたは夢中で壁を叩き続ける
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